学ぶ喜び

福島先生の人生日々勉強
学ぶ喜び

日頃、子どもたちを見ているとよく分かることがあります。それは「今やっていることを心から楽しんでいるか」ということです。性格も年齢も関係なく、今この瞬間を心の底から楽しんでいる時の命の輝きは、ダイレクトに教師に伝わってきます。そういう時の学びの吸収力たるや凄まじく、子どもから伝わる喜びには大きな感動を覚えます。この輝きが失われないようにと願うばかりではありますが、ここで子どもと大人との共通項として注目したいことは「学ぶ姿勢」、すなわち「生きる姿勢」です。どうも私たちには、型にはまって安心したがるところがあるようで、それは危険回避の本能のなせるわざですから仕方がないのですが、「枠を作って入っている自分」に気付くことで、そこから抜け出し、もっと自由に学ぶチャンスをつかんでいってほしいと思うのです。

学び始めた子どもたちは皆、向学心を持ち、独自のやり方で吸収しようとします。しかし、画一的な学び方を強制されることによって、効率良く学ぶことができるようになる一方で、たくさん立っていたアンテナが1本になってしまうというような矛盾した結果に陥ることもあります。子どもは柔軟ですから、大人が作った方法に固執するばかりではありませんが、それでもかなり窮屈な思いをして育っていくわけです。

では、私たち大人はそのなれの果てかというと、決してそうではありません。かつては柔軟に、時には抗いながら学んできた子どもだったのですから、型をはねのけるだけの強さも柔らかさもちゃんと兼ね備えています。


人間の歴史は多くの学びの上にあります。何をしていても、そこに学びの要素があるからこそ明日を迎えることができます。やる気が出ない、今を楽しめないなどという時は、自分を檻に閉じ込めて、学ぶ喜びを自ら奪ってしまっている時なのです。そういう時は、一旦手放し遠くから眺めてみて、「これはこうしなければいけない」「今までずっとこうだったし」といった自主規制を取り払ってみてください。自分のいる場所と全く違う世界に目を向けてみると新しい視野が開けます。

「学ぶ」ということは、「自分の専門分野に没頭せよ」ということではありません。伝統や形式に美しさの極意があるという一面もありますが、心から楽しめなくなったなら、それは枠から抜け出すチャンスが巡ってきたということです。せっかく頂いた命です。人生を楽しまないなんて、もったいないですからね。


福島先生の教育指導

教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。30年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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