【サークル紹介】朗読の会『声』

サークル・コミュニティー紹介 in SYDNEY

シドニーを拠点とするサークルまたはコミュニティーの活動に編集部員が突撃し、取材を敢行。それまでなかなか発信しきれなかった活動の詳細や団体の魅力を紹介する。

第14回 朗読の会「声」

シドニー発、朗読の会

「いろいろな声を持っている人がいます。その声の良さを生かせるように読み方を教えていく。だから朗読の会の名称も『声』にしました」

そう語ってくれたのは、朗読の会「声」の代表を務める橋本邦彦さんだ。元々チャッツウッドにあるモザイク・マルチカルチャー・センターで活動していた朗読の会の解散に伴い、その有志で結成されたのが朗読の会「声」だ。毎月第1、第3水曜日の午前11時から午後1時までチャッツウッド図書館の一室で定期開催されている。橋本さんは俳優やナレーター、声優などのマルチな経歴を持っており、同会では指導者として朗読用の作品選定、読み方やノウハウを教授している。

朗読の会に参加している、「声」のメンバー
朗読の会に参加している、「声」のメンバー

取材当日は在籍11人のうち7人が参加し、川端康成『有難う』を1人ずつ順番に朗読した。橋本さんが、「短い作品を皆それぞれが読んで、比較しながらその違いを確かめていった方が良い」と話した通り、参加者6人が読み終えた後には各々感想を言い合う。「無表情でゆっくりと読んだ方が良い」「情景や風景を思い描けるように」などの意見が交わされると共に、橋本さんからは「このせりふは誰に向けて話しているものなのか」「朗読で大切なのは句読点が自然になるように変えること」などのアドバイスが沿えられた。

同会では、年に1回ずつ日本人向けのデイ・サービスと親睦の会での朗読発表会が予定されており、またSBSラジオの日本語放送にも朗読で出演している。ウェブサイトにアーカイブがあるのでぜひチェックしてみて欲しい(www.sbs.com.au/yourlanguage/japanese/ja/audiotrack/lang-du-nohui-sheng-tai-zai-zhi-noxie-ying-tomo-di-wodu-mu)。

悩みは、まだまだ「発表の場」が少ないことだという。朗読を重ねていくと、自分が得意な作品、合う作品が出てきて、それがその人のレパートリーになると橋本さんは話す。だからこそ、そういった場が増えるとうれしいと語る。

一種の芸術

SBSのスタジオでラジオ録音の際の一コマ
SBSのスタジオでラジオ録音の際の一コマ

橋本さんに朗読とは何かと尋ねると、「絵画や映画、音楽、演劇などと同じで『朗読』も1つのジャンルだと思います」と話す。文章を目で追って読むのと、声に出して読むのとでは味わい方が異なり、朗読することでその作品の深みを知ることができ、面白さを理解し、再発見することもあるという。

今回、同会を見学し、人によって読み方が全然違うのだと実感した。ゆっくり話したり、間を空けるだけでぐっと奥行きが感じられ、想像力が掻き立たされる。ぜひ朗読をしてみて欲しいと思う。もしくは寝る前に聞くのも良いかもしれない、文学作品をより深いところで味わえるはずだ。(リポート:高坂信也)

PRメッセージ

朗読の会「声」広報担当:
チョーカー和子さん

朗読の会「声」は、毎月第1、第3水曜日の午前11時から、チャッツウッド図書館で練習をしています。民話から現代詩までバラエティーに富んだ作品を朗読し、日本語による表現の難しさなどを感じながら、楽しく切磋琢磨して勉強を続けています。朗読ボランティア、また時折SBSラジオの日本語放送でも朗読をしています。ご興味のある方は、チョーカー和子(kazukochalker@gmail.com)までお問い合わせください。

シドニー市内を拠点とし、当コーナーでの紹介を希望するサークルまたはコミュニティーは、代表者氏名・団体名・活動内容・活動場所を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)までご連絡ください。また紹介団体については、非営利団体に限ります。

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