不動産

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住宅価格・賃貸価格は上昇基調に
オフィス賃貸は借り手市場が継続



住宅の賃貸—相変わらず借りる家がない
 2008/09年度の海外からの豪州への移住者は合計約30万人で、これはレコード・レベルの数字となりました。また09年は、政府の初めての持ち家購入者向けの優遇措置「ファースト・ホーム・バイヤー政策」と低金利によって、豪州内で初めて住宅を買う動きはブームとなりましたが、それは今まで家族とともに住んでいた人が家を出て、それまで賃貸住宅としての運用されていた物件を買う、すなわち賃貸に出されていた物件が賃貸市場から減少することを大幅に加速させることになりました。さらに、金利の上昇を理由に家賃の値上げを要求する家主が、早くも増加してきているようです(金利が下がった時に家賃を下げなかったにもかかわらず)。
 2010年の住宅の賃貸市場は、リーマン・ショック以前のそれと同様な貸し手市場に戻り、賃貸物件は枯渇してくることが考えられます。特にシドニーでは平均の住宅賃貸空室率は1%を切り、家賃の上昇率はシティから少し離れたサバーブの方が高く推移していくと、NSW Department of Housingは見ているようです。
住宅の売買—住宅価格は再び上昇基調に
 統計的に見ると、住宅市場の約9割を占める中古住宅の価格(8都市平均)は07年末/08年頭をピークにいったん下げに転じたものの、その調整局面は1年強で終了してしまい、09年前半には回復のサインが出始めました。また、下げ幅も先進国中最も少なく留まりました。このことは豪州不動産の底堅さを浮き彫りにしています(ただし、これはあくまでもマクロ的に全豪を均した統計であり、物件個別に見ると価格帯や地域によって、下げ幅が極端に大きかったものも存在しました)。
 09年末、豪州経済はリセッション入りを回避し、各分野の経済指標も景気回復を確認させるものが相次いで出てきています。不動産的な指標では住宅融資額、融資件数、着工許可件数、そして中古住宅の価格など4つの数字が足並みをそろえて上昇を示しています。
 2010年は金利が「正常化」局面として上昇していくと見られるものの、それを超えてマインド面での安心感の増幅もあり、不動産価格は上昇基調を続けることが予想されています。
オフィスの賃貸市場—借り手市場、インセンティブの交渉が重要
 オフィスの賃貸市場では、それまで貸し手市場だったものが、08年9月のリーマン・ショック以降は借り手市場に様変わりしました。表面家賃は下がっていなくとも、家主側のポートフォリオの物件資産価値として家賃を下げず、その代わりに一定期間のフリーレント(家賃を無料にする期間)や内装工事費用の負担などで、実質の家賃を下げるという動きになってきています。
 そのほか、リースの更新をする際にも、年々上がる家賃の利率やマーケット・レビュー、退去する場合の現状復帰工事などの場面で、借り手市場を実感できます。
 オフィスの賃貸は単純に契約家賃だけでは見えない、隠れた「条件」獲得が重要で、テクニカルな条件交渉を前提とした借り手市場が続くでしょう。


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スターツ・インターナショナル・オーストラリアPty.Ltd
代表取締役
荒木祥久
日本では「ピタットハウス」で不動産店舗の展開をするスターツ・コーポレーションの現地法人で、豪州では創業20年。シドニー、ゴールドコースト、ケアンズの不動産で事業展開。代表の荒木氏は在豪13年、NSW・QLD両州の不動産フルライセンス所持者。

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