保険

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利益率縮小や保険料値上げ
——厳しい状況が続く年



 明けましておめでとうございます。今年も引き続きよろしくお願いいたします。
 さてオーストラリアの保険業界において2009年を振り返った時にまず挙げられるトピックが、「自然災害の多発」です。2月には過去最大規模のブッシュファイアーとしてVICで発生したブラック・サタデーがあり、全体で9,000件以上の保険金求償があり、1兆ドルを超える保険金が支払われました。5月にはNSW州北部およびQLD州でのストーム・洪水災害が発生し、8,500万ドルほどの保険金が支払われました。また同時に挙げられるトピックとして、景気の悪化による経済状況の変化があります。Opes Prime、MFS、Storm Financial、Timbercorp等々の破綻が相次ぎ、役員賠償責任、専門職賠償責任関連の保険クレームが多数挙げられました。
 そのような状況の中、保険会社の利益率は引き続き大きなプレッシャーに晒され、景気後退による企業の経済活動の縮小は保険料全体のボリュームを萎ませました。個人案件に関しても新車販売台数や住宅売買並びホームローンの締結件数の減少によって保険料収入が減る傾向にありました。同時に企業の倒産件数、失業率、犯罪率などの上昇より、クレーム処理などの内部コストも上昇。また歴史的な低水準が続く金利による投資利益についても縮小傾向にあり、厳しい状況にあると言えます。
 保険の種目別に見ていくと労災保険、取引信用保険などは引き続き保険料の値上げ傾向にあり、金融機関に対する保険、鉱山・エネルギー関係についても業界全体の過去のクレーム実績が影響し、契約者にとっては厳しい状況が続くでしょう。しかしながら全体的には依然新規案件に対しては各保険会社間の競争は厳しく、保険会社にとっても厳しい状況が続くことが予想されます。
 より身近な個人保険については引き続き保険料の値上げの傾向が続くことが見込まれますが、昨今の新規プレーヤーの参入(Youi、Virgin、Australian Postなど)によりその傾向に鈍化が見られます。民間医療保険については保険会社間の吸収合併や上場などの動きがあり(MBFとBUPAの合併、MedibankがAHMを買収)また労働党政権によるMedicare Levy Surcharge変更などが主な動きでしょう。Medicare Levy Surchargeの変更につきましては、適用される最低賃金が引き上げられたものの、低所得者や中流家庭には影響がないものとみられます。
 特に日本人一時滞在者にとって身近なサブクラス457ビザの申請条件に医療保険の加入が義務付けられた点は注意が必要です。09年9月まではスポンサー側がビザ申請者の医療費について責任を負う必要がありましたが、同改定後は申請者自らが、ビザ期間同様に継続してその家族も含めた医療保険の手配(およびそのメンテナンス)の義務を負うことになります。オーストラリアで暮らす上で不可欠なビザについては、最新の情報を元に適切なアクションを起こすことが大切です。


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エーオン・リスク・サービス・オーストラリア・ジャパン
保険サービス部
斉藤 大
世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日本人顧客の法人・個人保険アレンジ、クレーム処理などを担当。

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