かじるの大好きな猫。輪ゴムを誤飲してしまった場合は?

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Q

うちの猫(2歳、雑種のオス)はいろいろな物をかじるのが好きで、よく輪ゴムや糸くずなどを食べようとします。私が気付いた時には取り上げるようにしていますが、もしそうした物を食べてしまった場合、体に悪い影響などはないのでしょうか。(30代女性=会社員)

A

食べ物以外の異物を飲み込んでしまう「誤飲」や、好んで食べる「異食」(Pica)する猫は意外と多く、飼い猫がビニールや布の切れ端、輪ゴムや紙くずなどをクチャクチャと噛んでいる姿を見たことがある人は多くいると思われます。

ほとんどの場合、小さな異物は気付かないうちに糞(ふん)と一緒に問題なく排泄(はいせつ)されます。しかし、まれに異物による腸閉塞や腸壁が裂けるなどの非常に危険な事態を招く場合もあります。当院でも誤飲した異物による腸閉塞で、開腹手術が必要になった猫が先月だけで2例ありました。

猫が誤飲しやすい物

  • 輪ゴム/ヘアゴム

    弾力性のある噛み応えを好むようで、特にヘアゴムは飼い主の匂いが付いているせいか、執着する猫が多いようです。1つであれば大丈夫かもしれませんが、ヘアゴムなどを好む猫は時間を掛けて幾つも飲み込むため、胃の中でゴム同士が絡まってこぶし大の塊になってしまうことがあります。

  • ひも/糸

    おもちゃに付いているひもや靴ひも、リボン、裁縫用の糸(針が付いたまま飲み込んでしまうことも)など、ジャレて遊んでいるうちに飲み込んでしまいます。ひも状の異物は腸が絡み付いて腸が裂けたり、壊死を起こします。誤飲してしまう異物の中でも非常に危険です。

  • 衣類・布・ウール

    質感が好きなのか、布をかじるのが好きな猫も多いようです。シャム猫とバーミーズは、毛糸をかじることが好きだとよく知られているため、異食には遺伝的な要素があるとうかがえます。

  • おもちゃ

    普段から与えている猫用のおもちゃだけでなく、年に一度のクリスマスの飾りなどは、猫が食べようとしていないか気を付けなければいけません。

原因

事故的な誤飲を除いて、猫の異食は炎症性腸炎、栄養不足や貧血などが引き金となることがあるので、他に疾患がないかを調べます。また、完全に室内で飼っている猫に多く見られるため、猫にとって自然の狩猟行動などができないストレスによる行動学的な要因も挙げられます。

症状

軽い食欲不振、元気の消沈、嘔吐(おうと)などが見られます。1日に何度も嘔吐が見られる場合は腸閉塞が疑われます。

治療

異物を飲み込んで1~2時間以内であれば、異物を吐き戻させることができます。物の性質や形状によって、吐き戻すことが逆に危険を伴う場合は、口から内視鏡を使って取り出せます。誤飲から長時間経過していたり、腸管で異物が詰まり閉塞を起こしたりしている場合、開腹手術を行います。

予防

猫が飲み込んでしまいそうな物を出しっ放しにしないことを徹底してください。完全室内飼いの場合、猫にとって快適な室内の環境づくりと、定期的に猫と遊んであげてストレスをためないようにしてあげることも大切です。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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