白内障でしょうか。

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Q: 9歳のダルメシアンを飼っています。体調も良く、散歩なども喜んで行くのですが、少し前から両目とも青白く濁っているのが気になっています。視力に問題はなさそうなのですが、白内障でしょうか。(40歳主婦=女性)

A: 白内障(Cataract)は目の中のレンズ、水晶体が白く濁ってきてしまう病気です。本来透明であるはずの水晶体が白濁して光を通さなくなるため、視力の低下、または完全な失明へとつながることがあります。

原因

白内障の原因は先天性、老齢性、遺伝性、外傷性、糖尿病が原因の代謝性、ほかの眼の病気から発症する続発性などいろいろとあります。多いのはやはり老齢性よるもので、プードル、コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種でよく見られます。

症状

視力が低下するため、歩行がぎこちなくなり、物にぶつかりやすくなる、段差につまずきやすくなるなどの異常が見られます。目が見えないせいでおとなしくなる、元気がなくなる、触るとビクッと驚くなどもあります。

白内障の進行具合は原因によって異なるので、それにより症状も変わってきます。急速に視力が衰えた場合は歩行時の異常などが顕著に現れますが、犬は視覚よりも非常に発達した嗅覚があるため、少しくらいの目の不自由では日常生活に支障がないこともあります。そのため初期の白内障やゆっくりと進行する場合は、飼い主がなかなか気付かないこともあり、発見が遅れます。

白内障が進行すると、水晶体内のタンパク質が眼球中に漏れだし、激しい痛みを伴う炎症を起こすことがあります。また、水晶体自体がずれることで眼圧が上昇する緑内障を併発する危険もあります。

急に目が痛くなるような症状(涙目、充血、目を開けない、目をこするなど)がある場合はすぐ病院に連れて行ってください。

治療

早期で視力が失われていない場合、また生活に支障のない場合には、点眼薬で進行を抑える内科的治療を行います。

白内障が進行し日常生活が困難となっている場合、視力を取り戻すには眼科の専門医による外科手術しかありません。手術では白濁した水晶体を取り除き、人工のレンズを挿入します。網膜の状態によっては手術でも視力回復が可能ではない場合もあるので、術前に詳しい検査を受ける必要があります。

また、糖尿病が原因の場合は、その治療が優先されます。

老犬に多い“青白い”目

6歳以上の高齢犬でよく見られる水晶体の中央が円形に青白く見える現象は、核硬化症(Nuclear Sclerosis)と呼ばれる正常な老化過程の1つです。白内障と違い、これにより視覚を失うことはありません。しかし場合によっては老齢性の白内障を一緒に発症していることもあるので、定期的な検査をお勧めします。


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戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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