オーストラリアで安全、快適「カー・ライフ・ガイド」①

オーストラリアで安全、快適 カー・ライフ・ガイド

広大なオーストラリアでは、日常生活に自動車はなくてはならない存在だ。日本の運転免許をオーストラリアの免許証へ書き換えるのも簡単で、日本と同様に車は左側通行、道路も広く運転しやすい。その一方で、書類上の手続きや、交通事情の違い、まさかの時の対処など、不安な点もあるだろう。しかし何よりも車があれば、行動範囲もぐっと広がり便利になる。このガイドを参考に、オーストラリア流のカー・ライフを安全にそして快適に楽しんでみよう。文=内藤タカヒコ・空閑睦子
※本記事はフルライセンスのドライバーを前提にしている。P2などのライセンスの場合は飲酒やレンタルの制限などが異なるので注意。

「運転時の注意点、もしもの時」はこちら ▶▶▶

◯豪州の運転免許への書き換え

州によって異なる

最初に断っておくが、オーストラリアは日本と違い、自動車や免許に関することは州政府が行うため、州によって条件などが異なることを理解しておくことが大切だ。

観光などでオーストラリアに短期間滞在する場合なら日本の運転免許や国際免許で自動車を運転することができるが、3カ月以上滞在する場合は、オーストラリアの運転免許へ書き換えることが法律で定められている。

書き換えには、①日本で有効な運転免許証、②免許証の公的な英訳、③パスポート、学生証やクレジット・カードなど身分を証明するもの、④タックス・ファイル・ナンバー取得時の手紙や銀行からの手紙など住所が確認できるもの(州によって異なる)、などが必要になる。

これらの書類が準備できたら、各州の陸運局に相当するオフィスへ行き申請書類に記入し、視力検査、写真撮影を行えば、オーストラリアの運転免許証が発行される。基本的に25歳以上であれば、学科試験、実技試験が免除される(免許取得年数や州によって異なる)。

なお、NSW州の免許に書き換える場合は、6カ月以上連続してNSW州に滞在していなければならない。1日でも出国した場合は最初から数え直しとなるので注意しよう。

免許証の有効期限など、州によって状況が異なるので、詳しくは住んでいる州の陸運局のホームページで確認しよう(Web: http://www.australia.gov.au/information-and-services/transport-and-regional/registration-and-licences/driving-with-an-overseas)。

■免許取り扱い窓口

窓口 英文翻訳証明書
NSW州 Roads and Maritime Services Multicultural NSW(旧CRC)が翻訳したもののみ
QLD州 Queensland Transport 領事館または政府公認のNAATI資格保持者が翻訳したもの
TAS州 Department of State Growth Transport
ACT Road Transport Authority
VIC州 VicRoads
WA州 Department of Transport
SA州 Travel and Motoring
NT準州 Department of Transport

*NSW州は他の州と異なり、大使館・領事館やNAATIの翻訳は不可で、MNSW(旧CRC)が翻訳した書類のみが有効

◯自動車の購入と登録

しっかり確認をしよう

自動車を購入する場合、新車や中古車をディーラーで購入するか、中古車を個人売買するかになる。ディーラーで買うならば、中古車であっても整備されているし、一部に制限はあるが保証もされている。一方、個人売買は安く購入できるが、保証がないなどリスクを伴う。コンディションの当たり・はずれもあるので車に詳しい友人などと一緒にチェックしよう。また盗難車やローン返済中でないかなど、必ず車の履歴をREVS check(Web: www.revscheck.com.au)で確認すること。更にNSW州、QLD州、TAS州では、車の売買時にロード・ワーシー・サティフィケート(RWC: Road Worthy Certificate)と呼ばれる車両点検証明書の提示が義務付けられているのでしっかり確認しよう。なお、州をまたいでの中古車購入は手続きが非常に複雑になるのでお勧めできない。売買が成立したら陸運局へ売り主と一緒に出向き、名義変更を行い、その後登録手続きをすることになる。


QLD州を例に挙げると登録手続きは通称「レジョ」(Vehicle Registration=Rege)と呼ばれ、ディーラーで購入した場合は基本的にディーラー側が行うが、個人売買の場合は手続きなどを自分自身で行わなければならない。また次年度以降は毎年更新する必要があり、郵送された書類を確認し、半年または1年の期間を選択し指定された金額を振り込めば完了となる。しかしこれらの手続きも州によって異なるため詳細は各州の陸運局のウェブサイトで確認しよう。例えばNSW州などの登録手続きは以下のようになる。

① 車検を行う。日本に比べると簡略化されており、陸運局認定の整備工場で整備、点検をし、必要があれば部品交換を行い、合格すればオンラインで陸運局へ連絡される。新車購入の場合は最初の3年間は不要だが翌年から毎年必要となる。なお州によっては登録の更新時車検が不要の州もある。

② 強制保険への加入。日本の自賠責保険と同様で、加入が義務付けられている対人保険で、CTP(Compulsory Third Party Insurance)と呼ばれる。保険会社を選べない州と、NSW州やQLD州のように複数の保険会社から選択できる州がある。契約すると、自動的に陸運局へ連絡される。

③ 登録。車検、強制保険への加入後、登録(更新)をする。登録はインターネットで可能。この時、登録費と自動車税を支払う。

以上で登録は完了だが、できれば対物保険や車両保険にも加入するといいだろう。また日本のJAFのようなロード・サービス(表)に加入しておけば、24時間の電話対応やレッカー移動などが利用でき、まさかのトラブルの時も安心だ。

オーストラリアの車検は、基本的に車が最低限安全に動作するかどうかを確認するだけの点検なので、部品交換がなければ10分程度で完了する。州によっては毎年点検しなければならない。安全・安心のためにも定期的に整備工場で点検・整備することをお勧めする。

■主なロード・サービス

名称 ウェブサイト
NSW州、ACT NRMA Web: www.mynrma.com.au
QLD州 RACQ Web: www.racq.com.au
TAS州 RACT Web: www.ract.com.au
VIC州 RACV Web: www.racv.com.au
WA州 RAC Web: rac.com.au
SA州 RAA Web: www.raa.com.au
NT準州 AANT Web: www.aant.com.au

■自動車の登録の流れ

① 車検を通す▶▶

陸運局の認定整備工場で点検・整備。必要があれば部品交換など
*QLD州など州によっては不要

② 強制保険への加入▶▶

Compulsory Third Party Insuranceの契約。インターネットでも可能

③ 登 録

登録費、自動車税を納付。インターネットでも可能

プロが教えるポイント

新車を買う時についてスコッツホンダ 村中浩氏

出口戦略の攻略が新車購入のポイント

新車購入の際には「出口戦略」を立てる、つまり、将来の買い替えを考慮して購入することが大事です。カー・ディーラーが車を下取りする時の下取り価格の決定には、車の市場人気度(市場価格)、カラーの人気度、定期的なメンテナンスの有無、故障の度合い、キズの有無が基準となりますので、次の2点を新車購入時の注意点として参考にしてみてください。

① 車種選び:人気度(日本車シェア50パーセント以上)、メンテナンス性、故障発生頻度を考慮すると、やはり日本車をお勧めします。

② カラー選び:カー・ディーラーは下取った車を中古車として販売するので、車のカラーでも下取り価格が変わります。オーストラリアの人気カラーは、1位シルバー、2位ダーク・シルバー、3位ホワイト、4位ブラックです。

プロが教えるポイント

3つの買い方それぞれの注意点ガリバー 内山 千章氏

見積もり契約時の金額確認を怠らずに!

車には大きく分けて、新車ディーラーからの購入、中古車ディーラーからの購入、個人売買での購入、の3つの買い方があります。中古車、新車に限らず気を付けることはまず、見積もり契約時の金額確認です。基本的にこちらの車売買(個人除く)は、日本では禁止されている“込み込み価格”販売です。必ず、車両、税金など、何にいくら払ったかを確認しましょう。最終価格の時も同様です。また、事故車にも注意しましょう。豪州でも事故車の定義は日本とほとんど変わりませんが、表記の義務などもなく、また各ディーラーが事故を見抜けるレベルなのかも不明です。信用のあるお店で一筆書いてもらうくらいの気持ちで買いましょう。個人売買では、事故、メカニカルなど全て自己責任です。他州ナンバー車など、何を買うかで問題も変わります。また、日本では(ローンなどの)所有者が車検証に記載されますが、豪州ではその制度はありません。政府機関(PPSR)で確認(有料)できます。

体験談:中古車もネットで確認Tさん

検索しやすいウェブサイトで中古車市場をチェック

シドニーにいると電車やバスの公共機関が発達しているので、さほど車の必要性を感じませんが、郊外に行くとやはり車の便利さを痛感します。「いつかは、自家用車を」と思い、中古車市場の調査は欠かしていません。インターネットで中古車の相場を確認するのが最近の楽しみになっています。中古車を販売しているいろいろなウェブサイトがありますが、僕がよく見ているサイトは以下の3社です。

●「carsales」(Web: www.carsales.com.au
●「carsguide」(Web: carsguide.news.com.au
●「Drive」(Web: www.drive.com.au

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