【WH日記】ゲームから始まるコミュニケーション – 森田一翔さん


ゲームから始まるコミュニケーション

第34回 今回登場のワーホリ・メーカーは?


森田一翔(いつか)さん


1988年生まれ・三重県出身
大阪大学大学院を卒業後、化学メーカーのマーケティング部門に勤務。多文化に触れるため2015年にワーキング・ホリデーでシドニーへ。東京海上日動火災で働きながら、「人狼&アナログゲームコミュニティ(JAC)」(Web: m.facebook.com/jinroanalog)を立ち上げる。


ゲームというとテレビ・ゲームやオンライン・ゲームが主流の昨今だが、それとは対照的に人と人とが1つの空間で対面してプレーする「アナログ・ゲーム」という潮流も密かに起こっている。シドニーでアナログ・ゲームのコミュニティーを立ち上げた森田一翔さんはそれを「人生ゲームのようなテーブル・ゲームを思い浮かべてもらうと分かりやすいと思います」と説明する。

「インターネット越しに対戦や交流をするオンライン・ゲームと異なり、昔ながらの対面式のアナログ・ゲームの魅力は何と言っても『人』と出会えること。プレーヤーの緊張や真剣さ、張り詰めた空気や興奮など、その場でしか味わえないことを体験できます。それと同時に、ゲーム会場での出会いが仕事の人脈につながったり、恋人や友達ができることもあるなど、実生活にも影響を及ぼしやすいですね」

アナログ・ゲームの面白さ

森田さんが作った「人狼&アナログゲームコミュニティ(JAC)」は、日本人を対象とした集まりとしてスタートした。ワーキング・ホリデーや学生などでオーストラリアに滞在する人の中には、慣れない海外生活におけるコミュニケーションの問題で悩む人も少なからずいることだろう。そんな時にもアナログ・ゲームという場が、ゲームを通じて自然に交友関係を広げ、そのコミュニティーのある地域に根を下ろすことに一役買ってくれることは想像に難くない。

「2、3年前から日本でもテレビなどで取り上げられ始めて有名になった『人狼ゲーム』というアナログ・ゲームをJACではよくやっています。7人から15人程度の参加者によるトーク・ゲームで、テーブルについてカードを配って役割を決め、人のふりをしている狼を推理しながら探し出す、というもの。探る、欺く、暴くなどのドキドキ感は現場にいるから共有できることで、その面白さは口コミで少しずつ広がっています」

オーストラリアでのチャレンジ

森田さんはシドニーに来た理由を「起業に興味があり、そのためにいろいろな文化にまず触れておくことが必要だと考え、多文化が魅力のシドニーでのワーキング・ホリデーを選びました」と話す。

「着いた初日から、言葉の違いよりも文化の違いにびっくり。空港や電車で地図を見ているだけで『どこに行くの?大丈夫?』と見知らぬ人が親切に声をかけてくれるなど、コミュニケーションがとてもオープンで、さまざまなジャンルの人に出会いやすい。会社に入ればボスも残業をしないし、形式だけの無駄な書類やサインも存在せず合理的。その分、時間を有効に使って楽しく暮らす文化がある。新しいチャレンジに対しても寛大で、自分の特性を出しやすいのも良いところですね」

JACというコミュニティーは、森田さんにとって「ワーホリでの、異国でのチャレンジとして始めました。人を集め、楽しんでもらい、なおかつ継続する、というチャレンジです」。楽しいから人が集う、というシンプルな仕組み。それをやがては仕事につなげていくことも思い描いているそうだ。「自分がやっていることに人が集まってくれるという面白さを、イベント組織やゲーム企画などとして起業につなげていけたらと思っています。その一方で、仕事としてではなく日豪双方にチームを置いて両国対抗戦などもやりたいです」と、仕事と遊びの両側面からゲームを通したコミュニケーションに目を向ける。

森田さん自身、子どもの頃からテレビ・ゲームなどを通じたコミュニケーションに親しんだ世代でもあるが、「どんなに時代が進んでも『コンピューター化してはいけないもの』があり、その1つが人対人のコミュニケーションだと思います」と語る。

「人間味が感じられるものが『楽しさ』につながりますし、人は人間にしかできないことを職業にしますよね。マーケティングの仕事をしていた時も、顧客の目を引くのは人の顔が描かれた広告だということを実際に経験として知りました。結局、人にとって大事なものは『人』だなと感じます」

1年のワーキング・ホリデー期間を間もなく終えてオーストラリアを離れる予定の森田さんだが、JACはシドニーで存続するそうだ。彼の作ったコミュニティーは、これからオーストラリアへ来る人にとっても新しいコミュニケーションの場になるかもしれない。

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