2015年9月 ニュース/総合

スミス氏、下院議長に選出

VIC州選出の48歳—辞任のビショップ氏後任

連邦下院は8月10日、自由党のトニー・スミス連邦下院議員(VIC州ケイシー選挙区)を下院議長に選出した。公費流用問題で2日に議長辞任を表明したブロンウィン・ビショップ氏(与党自由党)の後任。当初就任が取りざたされたベテラン議員のフィリップ・ラドック元移住相ではなく、バックベンチャー(内閣の職を持たない陣笠議員)で知名度は低いものの比較的若くフレッシュな印象のスミス氏を起用することで、アボット政権は問題の幕引きを図った格好だ。

スミス氏は1967年メルボルン生まれの48歳。メルボルン大卒業後、シンクタンクの調査員、ピーター・コステロ元財務相のアドバイザーを経て、2001年に連邦下院議員に初当選した。以来、当選5回を数える。プライベートでは、古いホールデン車のレストア(復元)の趣味を持つカー・マニアと報じられている。

ビショップ氏は、党務の資金集めパーティーに昨年11月に出席した際に使用したヘリコプターのチャーター費5,227ドルを公費として流用していた問題が7月に浮上。規定に沿って25%増しの金額を国庫に返納していたが、野党陣営は議員辞任を要求していた。8月1日には、さらに別の航空機のチャーター費約6,000ドルも公費で支出していた疑いも浮上し、辞任に追い込まれた。

8月10日付の全国紙「オーストラリアン」が掲載した調査会社ニューズポールの世論調査によると、各党別支持率で与党保守連合(自由党、国民党)は前回7月21日の調査と比べて1ポイント下落して39%となった。中小企業支援策などが好感された5月の新年度予算案発表後初めて40%を割り込んだ。ビショップ氏の公費流用問題が、支持率低下に結びついた可能性も否定できない。最大野党で中道左派の労働党は前回と同じ39%、左派の環境保護政党グリーンズ(緑の党)は1ポイント上昇の13%、「そのほか」は前回と同じ9%だった。

ただ、労働党のビル・ショーテン党首も07年の連邦選挙で出身母体の労組から受け取っていた政治献金を申告していなかったことが7月に発覚した。党首別の満足度に関する同調査の設問では、この問題が尾を引く形でショーテン氏の人気も低迷しており、労働党は与党の失策をうまく得点に結び付けられていない状況だ。


安保法制への支持を表明したジュリー・ビショップ外相
安保法制への支持を表明したジュリー・ビショップ外相

安保法制「強く支持する」ビショップ外相が表明

ジュリー・ビショップ外相は7月15日、集団的自衛権の行使を可能にする日本の安保法制を支持する考えを明らかにした。公共放送ABCラジオの時事番組のインタビューで、この日に衆院特別委が法案を可決したことを「歓迎するか」との質問に答えた。

ビショップ外相は、オーストラリアにとって日本は「不可欠な戦略的パートナーだ」とした上で、「地域と世界の平和と安全への貢献において、日本の能力を高めようという安倍首相のたゆまない努力を強力に支援する」と述べた。

また、外相は、オーストラリア国防軍と日本の自衛隊が東ティモールとイラクでの平和維持活動、フィリピンとバヌアツでの人道支援を共同で行ってきたと指摘。両国政府が核非拡散や対テロの枠組みでも緊密に連携してきたと強調した。さらに、外相は「日本との安保・防衛協力は2国間関係の重要な柱だ。日本が地域と世界の平和と安全を促進する取り組みの中で、より積極的にほかの国々と協力していくことを強く支持する」と語った。


東京国際空港(羽田空港)の国際線旅客ターミナル
東京国際空港(羽田空港)の国際線旅客ターミナル

全日空の豪州線、16年ぶり復活
羽田~シドニー線、今年12月就航

全日本空輸(ANA)は7月16日、羽田~シドニー線の運航を今年12月11日に開始すると発表した。同社の自社運行便をオーストラリアに就航するのは16年ぶり。東京都心に近い羽田空港から出張客に便利なダイヤで運航し、拡大が見込まれるビジネス需要に照準を合わせる。

新路線は羽田、シドニーともに夜出発して翌朝に到着するため、出張や乗り継ぎの利便性が高い。いずれも週7日運航する。機体はボーイング787-9型機(ビジネス・クラス48席、エコノミー・クラス167席)で、ビジネス・クラスの座席に完全に横に倒すことができる「フル・フラット・シート」を備えている。

ANAのオーストラリア路線は日本人観光客市場の縮小を背景に1999年に廃止。共同運航便も2001年に提携先だったアンセット航空破たんに伴い停止し、オーストラリア路線から完全撤退していた。

当時の需要の中心だった訪豪日本人数は現在約30万人と90年代のピーク時の約3分の1まで減少した。一方、訪日オーストラリア人数は14年に前年比で約2割以上伸びて約30万人に達するなど大幅に増加している。

羽田~シドニー路線の開設は、8月1日から運航を開始したカンタス航空に続き2社目。日本企業のオーストラリア進出が相次いでいることや日豪経済連携協定(EPA)の発効(今年1月)などで、2国間経済関係のいっそうの拡大が予想がされる中、ビジネス需要の取り込みを狙う航空各社の競争が加速しそうだ。

 

ANA羽田—シドニー路線のダイヤ(毎日運航) *12月12日運航開始

便名 出発 到着
NH879 羽田 22:10 シドニー 9:35(翌日)
NH880* シドニー 21:30 羽田 5:05(翌日)

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