第48回 NAT 挑戦

 

第48回 挑戦

文・植松久隆 Text: Taka Uematsu


NSWPLのウェブサイトで取り上げられた村山拓也の活躍

W杯の喧騒が過ぎ、ふと気が付くとAリーグの開幕があと3カ月ほどに迫っている。既に各チームも来るシーズンに向け始動しており、新戦力の獲得と併せての戦力の整備に余念がない段階である。そんな中で聞こえてきたのが、小野伸二が去ったウエスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)に、日本人選手2人が練習参加をするというニュース。

その2人とは、NSW州1部(豪州実質2部)NSWプレミア・リーグ(NSWPL)の名門シドニー・オリンピックでプレーをする白井豪、副田大雅の両名。いずれも、かつての全国リーグであるNSLで名を馳せた名門クラブの欠かせぬ主力として活躍している。

2人はともに、来豪前、名門・早稲田大学OBを中心に運営されるクラブ・チーム、早稲田ユナイテッド(東京都1部)に在籍。その早稲田ユナイテッドの監督を務めるのが、以前(当コラム第30回「系譜」)でも取り上げた、日本人Aリーガーの草分けである今矢直城。今矢は、現役引退後、サッカー・スクールの運営などを通じて、日豪両国をサッカーでつなぐ事業を展開。2010年から指導者として早稲田ユナイテッドを率いる傍ら、有望選手の豪州進出の斡旋も手掛けるなど多方面で活躍を見せている。

そんな今矢の導きで、豪州に渡った両選手は、名門シドニー・オリンピックでチャンスを得る。そこでの期待に違わぬ活躍がアピールとなり、今回のWSWの練習参加へとこぎ着けた。ポポビッチ監督のお眼鏡にかなえば契約に発展する可能性も秘めているだけに、2人の鼻息は荒い。まずは、2人の挑戦の行方を見守りたい。

レベルの高いNSWPLの舞台で活躍する日本人は、彼らだけではない。ここ数年で急激に力を付けたロックデール・シティ・サンズでプレーする村山拓也は、シドニーの地で日本人選手の価値を高める活躍を見せている選手の代表格。NSWPLでのプレーが4季目になる村山は、シドニーの日本人選手の良き兄貴分。プロ意識の塊のような村山の周りには、そのプロ魂に感化される若い選手が多く集まってくる。そんな村山の気迫あふれるプレーは必見だ。

NSWPLのリーグ戦も、ファイナル・シリーズ進出を懸けて、白熱してきた。今季からは、日本の天皇杯に相当するFFAカップも始まり、真剣勝負でAリーグ相手に挑める機会もできた。これまで以上に、ローカルのフットボール・シーンが熱くなるのは必至なだけに、当コラムでも可能な限り取り上げていきたい。


【うえまつの独り言】
アーノルド監督の就任、元代表のブロスケの加入など、来季の新生シドニーFCの動きが活発だ。噂では、ティム・ケーヒルの呼び戻しも画策していたようだが、ケーヒルの米残留の意思は固く、そちらは断念の模様。今季は、名将率いるシドニーFCに要注目。
 

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