【全豪オープン2017観戦ガイド】注目選手を一挙紹介!

2017年 全豪オープン 観戦ガイド

2017年テニス4大会グランド・スラム(GS)の第1戦、全豪オープンはメルボルン市内のメルボルン・パークで1月16日から29日まで行われる。優勝争いはジョコビッチとマレーの新旧王者の一騎打ちとなるか? それとも2強に割って入る選手は現れるか?

マレー、全豪初制覇なるか?

最強の王者ジョコビッチ
最強の王者ジョコビッチ

今年の全豪最大の見所は世界ランク1位となったアンディ・マレーと王者ノバク・ジョコビッチの2強対決と好調の錦織圭が優勝にどう絡むかだ。女子では、新星アンジェリーク・ケルバーと強豪セリーナ・ウィリアムズの女王争いである。

史上最強のチャンピオンと呼ばれるジョコビッチ(セルビア、29歳、世界ランク2位)は昨年全豪、全仏の2GSを制したが、マレー(イギリス、29歳)はウィンブルドン(全英)で優勝し、最終戦ATPツアー・ファイナル決勝でジョコビッチを破って年間1位を確定させた。

女子ではアンジェリーク・ケルバーが新女王に輝いたが、セリーナ・ウィリアムズも黙ってはいない。期待の新星、大坂なおみがどこまで上位に食い込めるかも注目したい(上記世界ランクは16年12月5日付)。

昨年の全豪ではジョコビッチが2年連続6回目の優勝を飾り、全盛の王者を世界に見せつけた。15年全米からGS4連続優勝で全仏も制し、念願の生涯グランドスラムを達成した。ところが全英では3回戦で敗退、全米ではスタン・ワウリンカ(スイス、31歳、4位)に決勝で敗れ、ツアー・ファイナルも準優勝に終わった。

アンディ・マレーは全豪、全仏で決勝に進出したものの、共にジョコビッチに敗れたが、全英では3年ぶりに優勝した。マレーが全豪では5回の準優勝と涙をのんでいる屈辱を果たすか、ジョコビッチが3年連続7回目の優勝を果たすのか、予断を許さない。

錦織はGS初制覇なるか?

錦織、初のGS制覇なるか?
錦織、初のGS制覇なるか?

期待の星、錦織圭(27歳、5位)は、昨年ツアー優勝はメンフィスだけであるが、マイアミ、バルセロナ、トロント、バーゼルと準優勝し、全豪ベスト8、全仏、全英で4回戦、全米ベスト4、ツアー・ファイナル1勝と安定した力を見せた。リオ五輪ではラファエル・ナダル(スペイン、30歳、9位)と対戦し、フル・セットの末に銅メダルを獲得。五輪テニス競技での日本人のメダル獲得は、1920年アントワープ五輪以来96年ぶりの快挙である。

また、昨年は苦手選手の克服もあった。全米準々決勝でフル・セットの激闘の末にマレーを破り、五輪でナダルを撃破、ワウリンカにもツアー・ファイナルなど2度勝った。3位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ、26歳)とは5勝2敗と圧倒している。唯一の弱点は、ジョコビッチで2勝11敗と大きく負け越しており、最後の壁となっている。

錦織は正確で強烈なリターン、相手の裏をかく巧妙なボレー・ショット、ロブ・ショットが武器で、ラリー戦を得意としている。ベース・ラインから下がらない攻撃的なプレー・スタイルで、バックでのダウン・ザ・ラインへの正確なショットなど強みを増した錦織だが、苦手と言われたサーブも大幅に強化している。

全豪のサーフェスはハード・コートでボール・スピートが速く、ボールが良く弾む特性を持つが、錦織は得意としている。年齢も27歳と体力的にもピークの時期に入っている。

今大会その他の注目選手は?

4強と言われたナダルとロジャー・フェデラー(スイス、35歳、16位)が苦戦している。昨年、ナダルはリオ五輪ダブルスで金メダルを獲得した以外は優勝がない。

フェデラーは、昨年の全豪3回戦勝利でGS300勝を達成したが、全豪と全英は準決勝で終わり、全仏と全米は欠場してシーズンを終了した。テニス界の華であるナダルとフェデラーには成績に関わらず、全豪に出場して元気な姿を披露してもらいたい。

ワウリンカは14年全豪でGS初優勝。15年は全仏、16年は全米と効率よく優勝を重ねて早くも生涯GSにあと1勝とリーチをかけている。強烈なバック・ハンドという武器があり優勝候補の一角である。

ベテランで実力者のゲール・モンフィス(フランス、30歳、7位)、トマス・ベルディハ(チェコ、30歳、10位)なども侮れない。

そして、トップ10に新しい顔ぶれが加入してきた。錦織の好敵手ラオニッチは全英で準優勝し3位に食い込んだ。6位のマリン・チリッチ(クロアチア、28歳)はビッグ・サーバーで錦織は度々苦杯をなめている。

注目は8位のドミニク・ティエムだ。オーストリア出身の23歳とトップ10では最も若い。

復活を目指すフェデラー
復活を目指すフェデラー
16年の王者アンディ・マレー
16年の王者アンディ・マレー

女王の座は誰の手に?

圧倒的な実績のセリーナ
圧倒的な実績のセリーナ

昨年はアンジェリーク・ケルバー(ドイツ、28歳、1位)が新女王に輝いた。15年はGS未勝利、年間10位と目立った存在ではなかった。昨年は、全豪でウィリアムズを破ってGS初優勝、全英では決勝でウィリアムズに敗れたが準優勝、全米で優勝しGS2勝目を挙げ1位を獲得した。移り変わりが激しい女王の座だが、あきらめないタフさを信条に成熟したプレーで観客を魅了するケルバーが全豪を引っ張ると思われる。

セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ、35歳、2位)は、シュテフィ・グラフに並ぶ186週連続の世界1位をケルバーに奪われたが、全英で優勝、全豪、全仏、全米で準優勝と決して調子が悪い訳ではない。GS22勝と断トツの成績を誇り、生涯獲得賞金は8,000万ドルを超え、全女子プロ・スポーツ選手で史上1位である。

ケルバーとウィリアムズの女王の座をかけた戦いが、全豪の見所である。

3位アグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド、27歳)、4位シモーナ・ハレプ(ルーマニア、25歳)、5位ドミニカ・チブルコワ(スロバキア、27歳)は、経験豊富なベテランでGS初優勝を狙っている。6位カロリーナ・プリスコバ(チェコ、24歳)、7位ガルビン・ムグルサ(スペイン、23歳)、8位マディソン・キーズ(アメリカ、21歳)と若手選手が続く。

注目は、ムグルサで昨年の全仏オープン決勝でウィリアムズを破ってGS初優勝を果たした。スベトラーナ・クズネツォワ、ペトラ・クビトバ、ビクトリア・アザレンカなどのGS優勝経験があるベテラン勢も復活を狙っている。

ケルバー、ウィリアムズを軸としてベテランと若手の戦いであり、誰が優勝してもおかしくない戦国時代の様相である。

日本人選手の躍進に期待

急成長を見せる大坂なおみ
急成長を見せる大坂なおみ

今大会期待の日本男子では西岡良仁(21歳、100位)が本戦出場予定。錦織と同じ米IMGテニス・アカデミー出身で、「錦織2世」とも言われて期待されている。昨年100位以内に入ってきて今年は上位進出を目指す。

女子で期待が大きいのは、大坂なおみだ。昨年の全豪では予選から勝ち上がり、GS初出場ながら3回戦まで進出。全仏、全米でも3回戦進出して、ランク100位以内を決めて、年末までに50位以内と驚異的な成長を見せている。日本勢初となるWTAツアー最優秀新人賞を受賞した。

大坂なおみは男子並みの高速サーブと強烈なストロークを武器とし、上位にも物おじしない強い個性を持っている。持ち味は200キロを超える豪快なサーブと優れた身体能力から来る強烈なストロークだ。大阪生まれ、父はハイチ系アメリカ人でアメリカに住み、日米の2重国籍。筆者も海外メディアや全豪事務局から大阪なおみの評判を聞かれるほど、今大会では注目されている存在だ。「日本語はほとんどダメ」として英語のみでの記者会見も日本人選手としては異例であった。豪快だが成功率が低いサーブが決まり出せば、世界のトップを目指せる逸材である。

車いす部門も見逃せない

国枝慎吾(32歳、車いす8位)が試練に直面している。

GSシングルス及びダブルスで各20勝の優勝を誇る車いすテニス界の王者だが、昨年は全仏ダブルスの1勝とリオ五輪ダブルスの銅のみに終わった。五輪前の4月に右ひじの手術をしたことが響いた。全豪では過去8回優勝しており、今年はぜひ復活を期待したい。

上地結衣(22歳、車いす3位)は14年に全仏と全米で優勝したが、15年、16年はシングルスの優勝はないが、昨年は全豪、全仏、全英のダブルスで3連続優勝を飾っている。

グランド・パスで観戦できるので国枝選手、上池選手をぜひ応援しに行こう。

全豪オープンの楽しみ方

日程

対戦組み合わせ(ドロー)は開幕直前に発表にされる。初日と2日目で男女全選手が登場する。朝から会場を回れば、10試合以上は観戦することができる。全豪オープン予選は1月11日から14日にかけて行われ、入場は無料。本戦出場をかけた熱い戦いを楽しめる。暑い全豪では水分補給、帽子、サングラス、日焼け止めを忘れずに。夜は冷える日もあるので、上着なども準備しよう。本戦は1月16日から29日。試合経過がリアル・タイムにわかる全豪オープンの携帯用公式アプリをチェック!

会場

メルボルン・パークには、ロッド・レーバー・アリーナ(1万5,000人収容)とマーガレット・コート・アリーナ(7,500人収容)の2つのセンター・コートと一般コートのハイセンス・アリーナ(1万500人収容)の開閉式屋根付きコートがあり、雨天でも試合が行われる。ショー・コートと呼ばれる観客席を備えたコートなど野外コートが全部で22面あり、一部は選手の練習用に使われる。なお会場にはビデオ・カメラ、大型望遠レンズ、大きな旗、ガラス瓶などは持ち込めない。

ロッド・レーバー・アリーナ・ガイド付きツアー

全豪オープン期間中にメディア・センターやプレーヤー・センター、歴代優勝者の写真が並ぶ通路、選手控室、選手インタビュー・ホールなど一般観客が入れない場所に入るツアーがあり、全豪オープンがどのように運営されているかが理解できる。うまく行けば、ジョコビッチや錦織選手に廊下ですれ違うかも。詳しくは全豪オープンサイト参照。

催事場

ハイセンス・アリーナ側のグランド・スラム・オーバル催事場には娯楽テントや、ライブ・バンド演奏のビア・ホール、飲食店など催し物や屋台がたくさん出る。ガーデン・スクエアでは選手によるサイン会も開かれ、錦織選手などトップ選手も登場する。ロッド・レーバー・アリーナの隣にショップがあり、全豪会場でしか買えないロゴ入り特選グッズの販売や、選手のラケットのチューンアップ・ショップを見学するコーナーも設けられている。

アクセス

会場のメルボルン・パークまでは、トラム、電車、バスなどの交通があり、全豪チケットを持っていればトラムは無料。フリンダース駅から徒歩10分ほどなのでヤラ川の散策を兼ねて歩くのも悪くない。ロッド・レーバー・アリーナは、ヤラ川河畔からよく見える。

チケット

一般券(グランド・パス:40ドルから)は、2つのセンター・コート以外は全て入場可。午後5時以降に入れるチケットや、週末2日間券、5日券、家族4人券など多種の入場券がある。ロッド・レーバー・アリーナの入場券は77ドルから。一般券は会場でも買えるが長蛇の列となるので、ネットで事前購入か、フェデレーション・スクエアで事前購入するのがお勧め。

Australian Open

会場:Melbourne & Olympic Park Trust, Batman Ave., Melbourne
日程:1月16日(月)〜1月29日(日)
Web: australianopen.com


文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営

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