RWCの大舞台で24年ぶりの大勝利

日本代表フルバック(FB)の五郎丸歩選手
日本代表フルバック(FB)の五郎丸歩選手

Go! ワラビーズ in Japan

Vol.40
RWCの大舞台で24年ぶりの大勝利


 日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベルアップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。
文=山田美千子/写真=山田武

「新しいラグビーの歴史を作りました」、「後ろに座っている選手たちは日本の新しいヒーローです」

10月13日、ラグビー・ワールド・カップ(RWC)からの帰国会見でのエディー・ジョーンズ・ヘッド・コーチ(HC)の顔が誇らしげに見えた。

今大会での日本のゲームを見るたび、2011年末、エディー・ジョーンズ氏の日本代表HC就任が発表された直後、本紙の特集「“ROOS” IN JAPAN」(2012年5月号掲載)でうかがった話が思い出される。「最も重要なのは勝つことです」。

日本はRWCの舞台で20年以上勝つことができなかった。これまでの唯一の勝利はチーム最年少のウィング(WTB)藤田慶和選手(22歳)が生まれるよりも前、24年前だった。勝ちを忘れた日本を覚醒させるため「世界一過酷な練習」メニューを課し、勝てるチームへと鍛え上げた。そして、その世界一過酷な練習に耐えた選手たちはRWCの大舞台で24年ぶりの勝利をつかんだ。それも優勝候補といわれる南アフリカから。

これには世界中が驚き「史上最高の番狂わせ」「奇跡の勝利」など、日本勝利のニュースが世界を駆け巡った。第2戦でスコットランドには敗れたが、第3戦ではまたしても格上のサモアを撃破。この時点で南アフリカ、スコットランド、日本が2勝1敗。勝敗では3チームが並んだが、ポイント獲得数で日本は3位で、決勝トーナメント進出には微妙な位置にいた。スコットランドとサモアの試合結果にすべてがかかっていた。スコットランドにとっても決勝トーナメント進出がかかった大事な一戦だ。36-33。サモアが力尽きた瞬間、決勝トーナメントへの道が閉ざされた。しかし、まだ終われない。第4戦アメリカとの戦いが残されていた。これまでの日本ならモチベーションが下がり、目を覆いたくなるようなゲームになっていただろう。が、エディー・ジャパンは違った。誇りを失うことはなかった。気持ちが、絆が途切れることはなかった。結果的にアメリカにも勝利してRWC2015を終えた。

これまでになかった強い代表チームに、日本国内では今までラグビーに興味を持たなかった人々までもが大いに盛り上がっている。帰国直後の選手たちはスポーツ・ニュースだけでなく、ワイドショーにも引っ張りだこだ。あちこちでフルバック(FB)五郎丸歩選手のキックをまねる姿が見られ、あちこちでラグビーの話を耳にする。こんな日が日本に来るとは……。エディーHCの言葉の意味を、身を持って感じている。

次のRWCは19年、日本での開催だ。果たしてエディー・ジャパンを超えるチームになれるのか。ハードルはより高くなった。最初から最後までブレることなく自らのラグビー哲学を貫いたエディーHCは去った。間もなく新たな体制の下、日本の新たな挑戦が始まる。

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