Go! ワラビーズ in Japan「18年スーパー・ラグビー、ラウンド6&8」

Go! ワラビーズ in Japan

日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベル・アップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。 文=山田美千子/写真=山田武

18年スーパー・ラグビー、ラウンド6&8

ラグビー・ワールド・カップ日本大会開幕まで残り約1年半を切った中、スーパー・ラグビーでサンウルブズは4月7日にワラタスと、5月12日にレッズと対戦した。多くの観客が秩父宮ラグビー場に観戦に訪れた両試合は、それぞれ明暗の分かれるものとなった。

ミスに泣いたワラタス戦

ラグビー・ワールド・カップ(RWC)2019日本大会開幕まで、残り約1年半を切った4月。日本国内ではチケットの販売が一部開始され、試合会場各都市でイベントが開催されるなど、スタジアム外でも開幕へのカウント・ダウンを身近に感じるようになってきた。

スーパー・ラグビーR8「サンウルブズ対ワラタス」が秩父宮ラグビー場で行われた同月7日、この季節にしては気温が低く、風も強い、決して良い観戦コンディションとは言えなかった。それでも、オーストラリアからやってきたワラタス応援団の声援は寒さを吹き飛ばすような熱いものだった。

ワラタスはスタメン15人中8人がワラビーズの代表歴を持つ豪華な顔ぶれ。RWCでのワラビーズのメンバーを想像してしまうのは筆者だけではなかったはずだ。

サンウルブズのキック・オフで始まった同試合は、ジェイク・ゴードン選手のトライでワラタスが先制。しかし、サンウルブズもすぐさま反撃、マイケル・リトル選手のトライで同点とした。

前半、ワラタスは相手のミスを突き確実に得点を重ねた。SOバーナード・フォーリー選手はいつもと変わらず冷静に安定したキックを見せていた。一方、サンウルブズはバイ・ウィーク(シーズン中の中休み)明けでリフレッシュしていたはずだが、ミスが多く苦しい戦いとなった。前半に17-38と大量リードを許すと、それが響き29-50で敗れた。

同試合では、特にワラタスのタンゲレ・ナイヤラボロ選手の強さが目立った。FWプレーヤーと大差ない体格のWTBである同選手は、力強い走りには勢いがあり、タックルをも跳ねのける。トップ・スピードに乗ると、止めるのは至難の業だ。

ナイヤラボロ選手に加え、レッズのサム・ケレビ選手、レベルズのセファナイア・ナイバル選手、ブランビーズのテビタ・クリンドラニ選手はいずれも突破力のある大型BK。彼らの強さは魅力的であり、今後、走力のある大型BKが増えてくるのではないだろうか。

ワラタスに先制を許す厳しい展開も、マイケル・リトル選手が同点トライを決めた
ワラタスに先制を許す厳しい展開も、マイケル・リトル選手が同点トライを決めた
トップ・スピードに乗った際の力強さを見せたタンゲレ・ナイヤラボロ選手
トップ・スピードに乗った際の力強さを見せたタンゲレ・ナイヤラボロ選手

レッズ戦、攻守で躍動

国内最終戦となった5月12日の「サンウルブズ対レッズ」戦。サンウルブズの9連敗という成績にもかかわらず1万2,386人もの観客が集まった。その日、サンウルブズはこの期待に応えるプレーを見せた。

試合開始直後にSOヘイデン・パーカー選手が続けて2本のPGを決め主導権を握ると、若手主体のレッズに対し攻守両面でプレッシャーをかけ続けた。パーカー選手は難しい角度や距離のあるキックも難なく決め、この日1人で36得点(PG7本、GK5本、トライ1本)と大活躍、63-28でチームを今季初勝利に導いた。

試合後の記者会見では、流大(ながれゆたか)ゲーム・キャプテン、ジェイミーHCは、結果が出たことに喜びを感じると共に、安堵の表情を見せていた。

「これまでは、途中が良くても最後に離されたり、トライを奪われたりと勝利に結びつきませんでした。今日の試合では、トライを奪われたものの、要所要所でしっかりチームとして団結し、やるべきことを明確にしながら、ゲームを進められました。自分たちのゲーム・プランをしっかり遂行できたことで勝利に結び付いたと思います」

この流ゲーム・キャプテンの試合後のコメントの通り、主導権を握り、自分たちのペースで試合を作ったサンウルブズにはミスが少なかった。そこにチームの成長を感じた。

一方、レッズはブラッド・ソーンHC、ジェームズ・スリッパー・ゲーム・キャプテン共に、予想外の大差での敗北にショックを隠せない様子だった。

レッズ戦では攻守両面でチームとして団結したプレーを展開した
レッズ戦では攻守両面でチームとして団結したプレーを展開した
予想外の大敗にショックを隠せない様子のジェームズ・スリッパー選手
予想外の大敗にショックを隠せない様子のジェームズ・スリッパー選手

「ベーシック・スキルが落第点。大事な場面でペナルティーを受けるなど反省点は多いが、精神的な部分が大きかった」とソーンHCが語れば、「切り替えのきっかけが見つけられなかった。セット・ピース(プレー)は良かったが、試合内容に関して言い訳はできない。サンウルブズはポイントとなる場面で効果的にプレーしていた。その差が出た」とスリッパー・ゲーム・キャプテンは肩を落とした。

しかし、2人の気持ちは前を向いていた。きっと、7月のブリスベンでの試合では見違えるような試合を見せてくれるだろう。

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