第8回 お金から自由になろう①

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第8回 お金から自由になろう①

文=諸星きぼう

第5回で「投資家として進化しよう」と投資家進化論を書きましたが、本当の進化、そして深化は、「お金から自由になる」ことにあると思っています。

人生の主役をお金に取られてしまっている人が多いようです。お金のために働いたり、お金のことばかり気にしてしまう人です。

では、お金から自由になるにはどうしたらよいのでしょうか?

これは、とても難しいですよね。この資本主義社会、お金があればほとんどのことが解決してしまう一方、お金がないために苦労することも多いですよね。

お金をたくさん持てば良いのでしょうか? お金持ちになっても、お金の奴隷のままの人もたくさん知っています。10億円持っていても、もっともっと欲しいとがむしゃらにビジネスを続けている人もいます。

お金には魔力があります。あまり持っていない人はもちろん、たくさん持っていても、その魔力に取り付かれてしまうのです。

多くの人は、他人との比較において自分の幸せを考えてしまうので、いつまでも一番の幸せになれないからなのでしょう。

「足るを知る」

どうしたら、その魔力から抜け出せるでしょうか? どうしたらお金から自由になれるかということと同じですが、まず1つ目の方法として、「足るを知る」ということです。

まずは、あなたの願望や夢、人生において成し遂げたいことを見定めてください。その方法は、願望や成し遂げたいことをすべて洗いざらい書き出すことです。すべてです! そして、それらを人生の8分野(経済、健康、精神・倫理、家族・家庭、社会・人間関係、教養・教育、時間、ライフワーク)に分類し、優先順位を付けてください。これを行うことで、あなたの本当の願望や成し遂げたいことが見えてきます。

次に、その願望を叶えたり、あなたの理想の生活を実現するためには、いくら必要なのかということを計算します。それで出てきた金額を知っていれば、それ以上欲しがる必要がないと分かります。お金を稼ぐために行動する必要が、どの時点からなくなるのかを知ることができます。だからこそ、投資を始める前にライフ・デザインをしっかり作ろうと私は常々申し上げているのです。

私の知り合いに、上場したベンチャー企業のナンバー2だった人がいて、その上場益で10億円(推定)を得たのですが、彼はもう1度事業を起こして、上場させたいと言っています。彼の真意は分かりません。推測してみると、

 

① 前回の上場で社長は何百億円という資産を得たのに、自分は少ない。だから、今度は自分が社長で上場させて、もっとたくさんのお金が欲しい。
② 自分が社長として、企業を上場させるという名誉が欲しい。
③ 自分が実現したいビジネスがあり、そのためには何百億円という資金が必要で、そのためには上場させる必要がある。

といったものが考えられます。①の場合は、まさにお金の魔法に取り付かれ、たくさんお金を持っているのに、お金から自由になれていないということですね。②の場合は名誉欲、③はまさに自己実現で、願望を達成するための手段として上場させたいということです。

 

とあるセミナーに出席した時、ケネス・ベリング氏の「Road to Purpose」という本に書かれている「真に豊かな人生実現の4つのステップ」として、次の4段階の話を聞きました。

1. MORE:満たされない物質的なモノを欲する
2. BETTER:よりラグジュアリーなモノを欲する-豪邸、高級車、宝石、豪華な旅行、事業の拡大
3. DIFFERENT:人と違うこと、人からいち目置かれる立場=名誉-スポーツ・チームのオーナーになること、有名絵画やアンティークの収集
4. PURPOSE:人生は目的に向かって進むこと

先程の知り合いをこれに当てはめると、①は1.MOREか2.BETTER、②は3.DIFFERENT、③は4.PURPOSEということになりますね。

「足るを知る」ということを知っていれば、③の自己実現となり、目的に向かって進む人生を生きているということになるのですが…。

まずは、この「足るを知る」の心で、人生の目的に向かって進む生き方をしたいものです。

今月の 得ネタ

リスクオンと浮かれているけれど

最近、世界的に株式市場が上昇基調になりつつあり、「リスクオンだ」と浮かれ始めた向きも増えてきました。

米国株式は11月末ごろに安値を付けた後、上昇トレンドを描き、NYダウは1万3,000米ドルに迫る勢いです(2月16日現在)。

これは、ちょうど11月ごろから米国経済指標に明るいものが増え始め、経済に対する楽観論が市場で増えてきたことによるものと考えられます。

ちなみに、FRBのバーナンキさんは正反対で米経済の先行きに悲観的であり(私も同じ考え)、2014年後半まで超・低金利を続けるという金融緩和策を取っています。これがまた株高の要因になっております。

一方、米国株式以外の先進国株式は、欧州債務問題が重しになり、株価は揉み合いを続けていましたが、欧州問題が小康状態になってきた1月後半から反発の機運を見せています。ギリシャ問題については織り込み済み、若しくは楽観論が大勢になっているのでしょう。

日本株式も同様な動きをしておりましたが、水準から考えるとモタモタとした感が否めませんでした。

そこへ日本銀行からの思いもかけなかった金融緩和策というスイート・バレンタイン・チョコのプレゼントがあり、一気に株価が上昇しました。

個人的には、日銀の政策が功を奏して株価が上がったのではなく、金融緩和でドル円が上昇したので株価が上昇したと思っておりますが…。

こうした動きの中、「リスクオン」と果敢にポジションを膨らませている向きも多いかと思いますが、注意が必要です。

今回の金融緩和の目玉は、たった10兆円の長期国債の買取資金の増額です。1つ単位が違うような気がします。

バーナンキさんは今後も矢継ぎ早に金融緩和策を打ってくるでしょうから、すぐに打ち消されてしまうでしょう。

ただ、春先はドル円が上昇する慣習(?)になっておりますので、その要因が今回は日銀のチョコだったということです。

したがいまして、株価上昇局面も春くらいまでで、そこからは再び、世界経済の現実を見なければならなくなるでしょう。

雇用がなかなか思うように増えない今年、米大統領選の秋までは米当局は米国経済を支えようと必死でしょうが、それ以降はある程度、なすがままになります。なぜなら、どちらの党が勝っても1回経済を落としておいて、次の大統領選まで浮揚させ、実績としたいからです。それが大きな危機を招く可能性を高めてしまうのです。

 


著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る