
投資信託をより詳しく見てみよう(その2)
前回のコラムでは、オーストラリアで売られている投資信託の情報がまとめられたウェブサイト、「Morningstar」(Web: www.morningstar.com.au)を紹介しました。そして、同サイトに掲載されているファンドに関する情報(Morningstar Fund Report)のうちリターンに関するものを解説しました。
今回はリスクについて見てみましょう。リスクとはリターンのぶれと理解してください。リスクが小さいほどリターンが安定していることを意味しますが、基本的にはリスクとリターンはトレード・オフの関係にあると考えてください。

Standard Deviation(標準偏差)
最もよく使われるリスクの指標です。数値が高いほど、対象期間のリターンのぶれが大きかったことを示します。
Sharpe Ratio(シャープ・レシオ)
リスクを抑えつつ高いリターンが得られているかどうかを示しています。数値が大きいほど優秀と言えます。
R-Squared(決定係数)
ファンドとベンチマーク*の関係性の強さを1から100%で示します。70%以上は関係性が強く、リターンはベンチマークに近付けます。40%以下は関係性が弱く、ファンドの値動きの大半はベンチマークの値動きからは説明ができないと考えます。
Beta(ベータ)
ベンチマークの値動きと比べて大きいか小さいかを示します。ベータが1.10を示している場合、上昇あるいは下落がベンチマークより10%大きかったことを意味します。0.90なら、上昇あるいは下落がベンチマークより10%小さかったことを示しています。
Alpha(アルファ)
ベータから期待されるリターンと実際のリターンの差を示します。この数値からファンド・マネージャーの力量が分かります。
なお、これらの数値は単独で見てもあまり意味がありません。対象としているファンドが属するカテゴリーの平均値と比較することが大切となります。

KVB Global Markets取締役日本部門ヘッド
KVB Wealth Managementカスタマー・サポート(FA資格保有)
山田悟