小野伸二のウエスタンシドニー・ワンダラーズ(WSW)は、26日、ホームの正ファイナルで、セントラルコースト・マリナーズ(CCM)に2-0で完勝。クラブ設立以来、2季連続となるグランド・ファイナル進出を決めた。
満員の大観衆に後押しされたWSWは、ACLの日本遠征から中2日で連戦の疲れが見え動きにキレが無いセントラルコースト・マリナーズ(CCM)に付け入る隙を与えない。何とか先取点が欲しいCCMにボールをある程度持たせても、トポー=スタンリー、スピラノヴィッチのセンターバックを中心とした守備が跳ね返す。
前半13分、WSWに最初のビッグチャンスが訪れる。小野のフリーキックからのボールを、ゴール正面に飛び込んだDFトポー=スタンリーが完璧なタイミングで頭で捕らえる。鋭いヘディングからのボールはゴールバーを激しく叩き、乾いた金属音を大きく響かせた。
試合が動いたのは、前半31分。前線に大きく蹴り出されたボールをFWサンタラブが前線で受けてから折り返し、FWブリッジがシュート。そのボールをキーパーが弾いたところをサンタラブが早いボールで中央に折り返す。そこに走り込んだFWヘルシが、ゴールに押し込んでWSWが貴重な先取点を挙げる。
前半34分には、小野にも見せ場が訪れる。ゴール正面やや右で得たフリーキック。小野が蹴ったボールは美しい軌道でゴールを襲うも、GKリディーの好セーブに阻まれた。
一方的に攻め続けるもなかなか追加点を奪えないWSW。その努力がようやく実ったのは、後半80分。ヘルシが長い距離をグラウンダーで出したボールを走り込んで受けたMFラロッカが、飛び出したキーパーを交わしてボールを流し込み、CCMを突き放す。
試合は、そのまま2-0で終了。WSWは、2季連続のグランド・ファイナル進出を果たし、5月4日にブリスベンでレギュラー・シーズンを制したブリスベン・ロアと優勝リングを懸けての対戦に臨む。
【小野伸二選手、インタビュー】
──因縁の対決を勝利で飾ることができました。
「サポーターもいい雰囲気を作ってくれたし、いつも以上に形が良く出てていてチームが機能できていたと思います。いい時間に点を取れて勝てたのがすごく良かったなと思います」
──来週はいよいよグランド・ファイナルですが、
「今日は気持ちよく勝てて、自信を持って次の試合に臨めると思います。ただ、ファイナルというのは特別なものなので、とにかくみんなでもう一度気を引き締めて、雰囲気に飲み込まれないようにやっていきたいと思います」
──マリナーズの監督からも、チームが昨年に比べて落ち着いたという話がありました。
「すごく今日は心地よいというか、みんながやりたいことの意思統一ができていたというのが今日の試合の良かった点だったと思います」
(取材:編集部)