北部準州でアボリジニの若者、警察官に射殺される

警察、死亡をコミュニティに知らせず、負傷とだけ

 11月9日夜、北部準州(NT)、アリス・スプリングスの北西、タナミ砂漠の入り口にあたるユエンデュムのコミュニティで19歳の青年が警察官に射たれ、負傷したが、その後死亡している。

 しかし、コミュニティには青年が負傷したとだけ知らせ、後に死亡したことを隠していたため、コミュニティの住民の憤激を買っている。一方、NT自治議会首席大臣は警察の行為を擁護している。

 (記事翻訳後の11月13日夜、NT警察は発砲した警察官を殺人罪で起訴したと発表している。)

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同日午後8時頃に元コミュニティ住民からABC記者に、「コミュニティの若者が警察官に射たれたが警察が情報を発表しないため何が起きているのかまったく分からない」と伝えてきている。

 午後8時30分ににはNT警察フェースブックで、「ユエンデュムで重大事件が起きたため出動している。男性が警察官に射たれ、重体で手当を受けている」との発表があったが、詳しい事情はまったく発表されていない。事件後、コミュニティ住民がユエンデュム警察署の前に集まり始めた。

 住民は、クマンジャイ・ウォーカーさん(19)は、午後7時15分頃に自宅で射たれており、マットレスに血が飛び散っており、警察拳銃の薬莢が床に落ちていた、と証言している。

 負傷したウォーカーさんは警察署に運び込まれたが、警察官は全員が警察署内に立て籠もり、灯りも全て消していた。警察署内には医師はいないはずで、医師を呼んでも3時間はかかることなど’の証言が伝えられた。警察官の対応に地元アボリジニ住民の憤激が高まった。

 後に警察は、「情報統制は警察署周辺に集まった住民の報復を怖れたため」と発表している。ユエンデュムの診療所は事件前夜、職員がいる時に物盗りに襲われ、また職員の車も窓を破られ、財産を盗まれており、安全のため夜には引き払っていた。

 NT保健省は、近隣のユエラムから派遣された救急隊員も、住民が投げた石が救急車の窓ガラスを破った時に頭と腕に負傷している。また、ロイヤル・フライング・ドクター・サービス(RFDS)は午後7時42分に通報を受けているが、着陸時の機体と職員の安全が確証できないため出動を遅らせている。

 同日午後11時、すでにウォーカーさんは死亡していたが、警察は、「新しい情報はない」と発表し、翌10日、警察の応援が到着した後、午前6時53分にようやくウォーカーさんが死亡したことを明らかにした。

 事件の経緯について警察では、「騒ぎの通報で警察官が青年の自宅を訪れたところ、青年が凶器を持って警察官に向かって来たためやむを得ず発砲した」と発表している。

■ソース
The Yuendumu police shooting: An evening of shouting, silence and anguish

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