オーストラリア経済、人口増加率低下の影響大

新型コロナウイルスで向こう2年間海外流入減少

 この感染症蔓延の影響でオーストラリアは向こう2年間で海外からの人口流入が30万人減少すると予想され、特に人口増加に依存する産業や州政府は「コロナウイルス・ショック」を受けることになる。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 スコット・モリソン連邦首相が政府の試算を明らかにしたもので、現2020年度には海外からの移民流入は30%減少、2021年度には85%の減少と推定している。

 2020年の予算は2020年度の純移民流入数を27万人、2021年には微減の前提で組まれており、85%減は順位民流入がわずか4万500人にまで下がることになる。

 モリソン首相は、「純移民流入予測が正確な数字だとすると、経済にも財政にも大きな衝撃があるだろうが、だからこそ、政府は感染症蔓延が去った後の経済成長政策を検討している」と語った。

 2020年度予算で今後4年間は、年間移民受け入れ枠を16万人に限定することが決まっている。しかし、コロナウイルスの世界的蔓延で各国がロックダウン対策をとり、国際航空路線もほぼ全面的に停止されていることから、現在ではその16万人の枠にも達しないだろうとみられている。

 2020年2月段階で海外留学生は3分の1以上も減少しており、国境閉鎖政策でニュージーランド人のオーストラリア移住も止まっている。

 デロイット・アクセス・エコノミクスのクリス・リチャードソン氏は、「オーストラリアが30年近くも不況に遭わずに来たのは過去30年間の大規模な移民受け入れ政策のおかげだ。30万人近い移民が停止になるとオーストラリアの基幹部門が危機にさらされることになる。オーストラリア経済が欧州経済に似てくるだろう。強力な人口増に依存する業界や事業モデルがたくさんあるが、そういったものがすべて破綻に瀕することになる」と語っている。

 さらに、「移民は若く比較的高賃金の職に就く傾向があり、連邦政府にとってはいい税収源であり、しかも教育や医療などの福祉予算もそれほど必要としないが、流入移民激減は国家財政にも大きな影響が考えられる」と分析している。
■ソース
‘More like Europe’: Economy facing population slowdown shock

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