日豪をつなぐ! 起業家インタビュー2021/【PR】ハーディング法律事務所

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— 第1弾 —

日豪をつなぐ!
起業家インタビュー
2021

 本特集では、オーストラリアで起業し、各界で活躍する4人の日本人経営者へのインタビューをお届け。来豪した理由からビジネスを始めたきっかけ、現在取り組んでいる活動、今後の展望まで、多角的な視点から起業スピリットやポテンシャルなどを伺った。今月号から2号にわたり、日豪をつなぐビジネス・プランやアイデアで独立や起業を目指す人にとって必読の内容をお伝えする。

ハーディング法律事務所
ハーディング裕子

 ゴールドコーストにオフィスを構え、迅速かつ丁寧なサービスを日本人クライアントに提供するハーディング法律事務所。同事務所の代表を務めるハーディング裕子氏に、来豪した理由や独立に至るまでの経緯に加え、法律の道を目指したきっかけ、海外で活躍する日本人起業家ネットワーク「WAOJE」の本部理事として取り組んでいる活動などについて話を伺った。

PROFILE

ハーディング裕子

ハーディング・ユウコ
大阪芸術大学卒業後スウェーデンに移住。1992年来豪。98年ボンド大学人文学部応用言語学修士ディプロマ卒業、2003年クイーンズランド工科大学法学部卒業。同年ボンド大学修士ディプロマを卒業しクイーンズランド州高等裁判所より弁護士任官を受け弁護士資格取得。ゴールドコーストの地元法律事務所での業務を経て12年に独立しハーディング法律事務所を設立。オーストラリア・クイーンズランド州弁護士会所属。

──ゴールドコーストを拠点にご活躍中ですが、独立に至るまでの経緯についてお聞かせ願えますか?

 2003年に地元の法律事務所で働き始めたのですが、やっとの思いで弁護士として仕事ができるようになったにも関わらず、弁護士業がまるで営業の世界のようでショックを受けました。

 ビラブル・アワーズというクライアントへのタイム・チャージ・システムに縛られ、毎月バジェットというノルマが課せられ、それを達成できなければクビという厳しい世界でした。

 最初の2年ほどはなかなか自分のクライアントが得られず、ビラブル・アワーズやバジェットに振り回され悪戦苦闘の毎日でした。私自身を知ってもらうために関連業者にレターを送ったり、セミナーの開催、また地元の日本人会や商工会にも顔を出しました。

 次第に日本人クライアントが付いてくださるようになり、その後事務所内に日本人セクションが立ち上がるまでに成長しました。地元の法律事務所で9年働きましたが、毎日事務所のドアを開ける際、プレッシャーに負けないよう常に自分を奮い立たせていました。

 そんな中、メルボルン・カップのランチ時にたまたま人事マネージャーとお話している時に「なぜ充分なクライアントがいるのに独立しないのか」と問われました。その言葉が腑に落ち、半年後に独立することをその時に決心したのです。起業家になることを意識していたことはありませんでしたが、自分の会社を私が意図する通りにできることを考えると、起業は自分に合っているのでは、と考えました。

──もともとはピアニストを目指していらっしゃったと伺いました。そこから法律の道への転身はどのようなきっかけがあったのですか。

 音楽の世界に憧れて一生懸命努力しましたが、ピアノを始めたのが10歳だったので、今思えばその時点で時遅しでしたね。芸大に入ったのですがピアニストはいくら努力しても才能がそれ以上ないとできない職業だと痛感しました。10年ほど音楽に注ぎ込んできた努力とお金は全く無駄となってしまったのですが、あまり引きずらない性格が高じて、その後、音楽同様に好きだった英語に目を向けました。アメリカへの語学留学などを経て、芸大卒業後は学生時代に知り合ったスウェーデン人の前夫の住むスウェーデンに移住しました。スウェーデン語を勉強し、ストックホルムで日本人観光客のトランスファー・ガイド(公認ガイドになるには試験が必要)をしたり、シドニー・オペラ・ハウスの屋根のアイロン・パウダーを作っている会社で翻訳の仕事をしたりしました。その後、前夫のオーストラリア留学を機にオーストラリアのゴールドコーストへと移住したのです。当時日本人観光客が多い時代だったこともあり、ツアーガイドをし、そのうちボンド大学で応用言語学の勉強を始め、同時に日本語教師として働きました。

 アメリカやスウェーデン、オーストラリアなど海外生活でさまざまな仕事を経験するうちに、オーストラリアで外国人の私がステータスを築くためにできる人生最大のチャレンジは何かと考えた末に、無謀にも法律を勉強しようと決心したのです。32歳の時でした。オーストラリア人の今の主人と再婚して2年後のことです。ロー・スクールの勉強は本当に大変で、3年間毎日10時間以上の勉強に勤しみ、好きなショッピングも諦め、ただひたすら勉強に没頭しました。長時間座りながら、コツコツとピアノの練習をしていた経験がそこで生かされたように感じます。

──音楽に没頭していた時間も無駄ではなかったということですね。現在数多くの法務案件を取り扱っていらっしゃると思いますが貴事務所ならではの強みはありますか。

 ゴールドコーストに事務所を構えていますが、例えば不動産売買ではQLD州、NSW州、VIC州も扱っていますし、州や専門分野というよりも、日本人に信頼されるサービス提供というのが当所の一番の特徴です。ビジネス・不動産売買、リース契約、相続手続きなどさまざまな案件で頼って頂いております。

 当所ならではの特徴として固定費用に徹している点が挙げられます。オーストラリアの法律事務所は基本タイム・チャージで、作業に掛かった時間をクライアントに請求することになります。ただ、当所は日本企業や日本人がターゲットですので、このようなタイム・チャージは日本人クライアントにとっては不安材料でしかないと考えました。正直、案件ごとに掛かる時間も変わるため固定にすることは難しいのですがそこは努力しています。これまで費用の件で揉めたことはありません。

 また、日本とオーストラリアの商習慣の違いを把握し、迅速・丁寧なアドバイス提供に徹しています。不動産売買を例にとると、日本では弁護士が不動産購入に関わることはありません。しかし、オーストラリアではいわゆる契約案件に必ず双方弁護士が介入します。そういった商習慣の違いもアドバイスし、ハードルがないように努めています。オーストラリア人の弁護士は返答が遅いとよく言われますが、私は平日は遅くとも24時間以内の返答を約束しています。

──これまで携わった中で、特に印象的な案件にはどのようなものがありましたか。

 不動産案件で関わった物件の中に、日本企業40社以上の共有名義というものがありました。十数年間のうちに倒産や閉鎖した会社も含まれる中、残った数社が物件売却を希望するという案件でした。最終的に売却できましたが、日本の企業40社の行方を掴むのが非常に困難でした。ただ、そうした難解な案件を多く経験し、それが次第に自信につながったのだと思います。

 また、過去の案件で、遺言書がない状態で多額な遺産を残して亡くなられた方がいました。遠い親戚からの依頼を受けてサポートしましたが、結局、政府に帰属することになりました。

 遺言書は多額な資産がなければ作る必要がないと誤解されている人が多いと思いますが、たとえ銀行口座だけという場合でも、オーストラリアの遺言書を作っておくことを強くアドバイスいたします。作成しておくことで亡くなられた後の手続きもスムーズに進み、残された方の負担も最小限で済みます。

──貴事務所の理念、及びご自身が法務を執り行う中で心掛けている点についてお聞かせください。

 私はあくまで日本人の考え方を尊重して作業を進めています。オーストラリアの弁護士は、アドバイス提供時に選択肢を幾つか提示すると共に、基本コンプライアンス上、選択はクライアントに委ねます。仮にその選択が間違ったものであっても弁護士の責任は問われません。現在のオーストラリアの弁護士会のコンプライアンスはあまりに厳しすぎて、正しいアドバイス提供より弁護士自身のリスク回避が重視され、本末転倒のような気がしています。

 日本人クライアントの多くは、幾つかの選択肢を説明した上で、弁護士としてどの選択が妥当かというアドバイスを求めています。独立して設立した自身の事務所だからこそ、自らのリスクで最後の選択までアドバイスするようにしています。

──海外で活躍する日本人起業家ネットワーク「WAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs=ワオージェ)」という団体の本部理事も努めていらっしゃるそうですね。

ゴールドコースト市長が出席した3日間のコンフェレンスの初日、WAOJEの実行委員長として開会宣言を行ったハーディング裕子氏
ゴールドコースト市長が出席した3日間のコンフェレンスの初日、WAOJEの実行委員長として開会宣言を行ったハーディング裕子氏

 WAOJEは、海外を拠点に活躍する日本人起業家の組織で、世界各地で現地に根を張る日本人起業家が、都市や国を越えてつながることで、有意義な出会いや新たなビジネス・チャンスを生み出すことを目的としており、現在世界に28支部あります。

 2019年11月にゴールドコーストの「The Star」で「WAOJE Global Venture Forum」という世界大会が開催され、私はその実行委員長を務めました。世界のWAOJE会員の参加斡旋のため、日本は北海道から沖縄まで、そしてブラジル、シンガポール、マレーシア、タイ、ハワイ等多数の国にプロモーションに行きました。結果、世界から300人が参加する大会となり大成功を収めました。人脈はもちろん、自分自身を改めて知る機会となり有意義でした。

 今年4月からは本部理事として、世界にいる異業種の日本人起業家たちとオンラインを通じて会議を行い、私自身多くの学びを得ています。

 ゴールドコーストという場所に留まっていては絶対に得られないものも少なくないですし、WAOJEを通じて知った世界観は、仕事にも影響しています。物事を大きな角度で見ることができるようになったと思っています。

──コロナ渦で増えた案件がきっかけで、ご自身の「YouTubeチャンネル」も開設されたと伺いました。

 コロナ禍で、クライアントからリース契約やビジネス経営などについて多くの質問を受けるようになりました。ただ、その中にはビジネス・オーナーとして最低限知っておかなければならないベーシックなものも多く、それであれば情報発信していこうと思ったのがきっかけです。まず2020年5月に「FB Live」をスタートし、その後YouTubeに移行しました。今は、法律の話だけではなく、国内外にいる日本人を対象にオーストラリアを知ってもらう目的でオーストラリアの社会などについても話をしています。

 構想・リサーチ、台本作り、ビデオ撮り、編集も全部自分で行ってきたので、今では動画編集ソフトの「Final Cut Pro」もサクサク使えるようになりました(笑)。音楽時代の「コツコツ」がそこでも生かされていると自覚しています。

 現在は、毎週火曜日の夜に、週に1回で動画をアップしています。クイーンズランド州は不動産やビジネス売買ブームで本業もかなり忙しいですが、それでも趣味のようなものとして、週末に大変ながらも楽しんで取り組んでいます。

──貴事務所、また、ご自身の今後の展望について教えてください。

 コロナ以前は隔月で日本出張が入っており、日本とオーストラリアを往来する日々を送っていました。また、ここ10年ほど、日本各地でセミナーなどを行い講演を開催してきました。ただ、それができない現在、この地に留まって今できる最大限のことは何かと考えた結果、目の前の仕事に真摯に取り組むことはもちろん、新たなチャレンジとしてYouTubeに取り組んでいます。

 コロナでは今まで当たり前だったことが当たり前でなくなり、どの職業が安全で安定しているかなど、誰にも分からなくなりました。幸い当所は、仕事をストップさせることもなく、コロナ禍でもオフィスへ通い仕事をしていました。ただ、私はそれをたまたま、ラッキーだったと捉えています。

 多くの方々のサポートのお陰で当所は、2021年7月で10年目を迎えます。事務所を大きくするということは、今は考えていません。今まで以上に、クライアントのニーズに応えられる、その上で更に一歩踏み込んだアドバイスを提供できるようにこれからも努めて参ります。今後何が起きるか誰にも分かりません。だからこそ、私自身も自身の考えに固執することなく、社会のニーズに従って、臨機応変に対応し、今後も1年1年確実に、そしてコツコツと20年目を目指したいと思います。

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Harding Legal

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