Citizen Watches Australia Pty Ltd シチズン・ウォッチ・オーストラリア

企業研究

Citizen Watches Australia Pty Ltd
シチズン・ウォッチ・オーストラリア
“技術と美の融合”を
豪州市場でもアピール

「市民に愛され、市民に貢献する企業として歩む」--。その理念が社名となったのが、日本を代表する時計および精密電子機器メーカー、シチズンだ。時計分野で世界のトップを走り、さらに今、その技術を生かしたさまざまな事業が芽を出し、成長を遂げている。そのシチズン・グループの中核企業、シチズン時計株式会社の豪州現地法人シチズン・ウォッチ・オーストラリア(本社=シドニー)に細萓直人社長を訪ね、豪州市場での経営戦略について話を伺った。
写真:太陽光を一定時間当てるだけで発電する「エコドライブ」技術を搭載したシチズンの代表モデル


「以前はシチズン時計という名の下でさまざまな事業を展開していたが、2007年4月に持ち株会社シチズン・ホールディングスを設立。それぞれの事業部を分社化しています。ここ豪州法人は、以前は電子健康機器の取り扱いもしていましたが、シチズン時計株式会社の直轄となり、現在は時計の輸入・販売のみの展開となっています」と細萓氏。まずはシチズン・グループのさまざな事業を紹介いただいた。
時計製造技術を核とする主力4事業
 シチズン・グループの売上全体の約4割を占める中核事業が「時計事業」だ。“技術と美の融合”をテーマに掲げ、最新テクノロジーと繊細なデザインが解け合うことで生まれる新しい価値を創出すべく、腕時計・クロックともにさまざまな製品を製造。国内外で販売している。「The CITIZEN(ザ・シチズン)」を筆頭に、「EXCEED(エクシード)」「ATTESA(アテッサ)」「XC(クロスシー)」などの人気モデルを「CITIZEN」ブランドの下で展開するほか、「VAGARY(バガリー)」「INDEPENDENT(インディペンデント)」といった別ブランドを立ち上げ、幅広い購買層に対応した機能・デザインの時計を販売している。
 同社が持つ技術の基盤である世界トップ・クラスを誇るムーブメント技術、小型・精密・低消費電力技術を注ぎ込んだ新製品開発に余念はなく、特に太陽光で発蓄電する技術「エコドライブ(Eco-Drive)」、そして、最も正確とされる原子時計を基に国が発信する電波を自動受信して時刻を補正する「電波時計」を最大の武器に、世界市場に攻勢をかけている。  そして、約3割の事業規模を誇るのが「電子デバイス事業」。シチズンの時計製造で培った超小型・超精密組立技術や、水晶振動子技術などを基に、高度情報化社会を支えるさまざまな事業や機器に、デバイス製品を提供している。
 パソコンや家電オーディオ機器の心臓部に不可欠な、時を刻む水晶振動子は同社を代表する電子デバイスの1つであり、また、携帯電話やカメラ用フラッシュ、自動車のヘッドライトに欠かせないチップLEDやLEDライト、さらに光ディスクのピックアップ素子などを供給。世界のコミュニケーションを支えているといっても過言ではない。
 そして次に大きいのが、世界のもの作りを支える「産業用機械事業」。時計生産のための設備機器を自社開発してきたノウハウや技術を活用し、「削る」「組む」「測る」という生産に必要な産業用機器を開発。ミクロンの精度で部品を高速加工するCNC自動旋盤をはじめ、電子部品挿入装置や組立ロボット・エンジニアリング技術を応用した専用組立機、部品検査や精度を測る計測装置などを世界に提供している。
 また、「電子機器製品事業」では時計技術の蓄積から生まれた小型・精密・低消費電力技術を業務用プリンターや電子機器製造に生かしているほか、電子体温計や電子血圧計などの健康機器は、デザイン性と機能性が評価され、海外でも広く受け入れられている。

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若年層向けのファッション・ウォッチ

ニーズが多様化する豪州展開
 1965年に設立された豪州法人はオーストラリアとともに、ニュージーランドと南アフリカ市場を統括。腕時計とクロックの輸入・販売を主事業とし、豪州市場の2007年度の売上高は約24ミリオン・ドルを誇る。シドニー本社に倉庫や、サービス・センターも置き、腕時計は「シチズン」ブランドと、若者向けのファッション・ウォッチ「バガリー」ブランドを展開している。
「時計市場での生き残りをかけ、シチズンと聞いて思い浮かべられるイメージを明確にすることが重要」と細萓氏。エコドライブ・テクノロジーでブランド・イメージを強化すると同時に、派手な色遣いやデザインが特徴の時計をバガリー・ブランドで展開、時計の持つイメージをブランドごとに分ける戦略をとっている。そして「もともとゴールドやシルバーを使ったフォーマルな時計がメインの保守的印象が強い市場だったが、ここ数年、ファッショナブルな時計の需要が高まりつつある」と、この展開が豪州市場で効果的に機能していると言う。
 その要因として同氏が考えるのが、豪州の近年の好景気だ。その結果、多くの人が装飾品などの必需品以外のものにお金をかけるようになり、さらに、インターネットによる情報の増加や海外旅行者の増大を背景に市場が流行に敏感になったと感じている。「これまでは、あらゆる場面に対応できるオーソドックスな時計を1つ持つというスタイルが主流。しかし、可処分所得が増えたことで、TPOや服装に合わせて時計を複数個持つようになった。特に女性は、シルバーのブレスレット、ピンクの革バンド、ダイヤモンドの付いた華やかなものというように、時計をアクセサリーとして身に着けている」
 そしてもちろん、オンタイム用のフォーマル・ウォッチの需要もしっかりとある。細萓氏は豪州市場を、ニーズの多様化によって幅広い商品ラインナップが展開できる、おもしろい市場になったという。
ブランド力の向上がカギ
 ただし課題はある。豪州市場は世界的な時計市場と同様に、スイスに代表される高級ブランドの時計と廉価な時計とに二極化している。そのためシチズンは、ブランド価値を高めるための戦略を全世界的に進めている。女性向けには宝飾品に近いテイストの時計を増やし、男性向けにはシチズン独自のテクノロジーを訴求していくことで、ブランド力の向上を図る。そして細萓氏は豪州市場での確かな手応えを感じている。 「エコドライブの売上比率は5割を超え、8割という目標も見えてきた。また、10月には豪州市場に電波時計を投入する予定。残念ながらオーストラリアは原子時計の電波を発信していないが、出張や旅行で海外に出かける富裕層は十分にターゲットになる。“止まらない、狂わない”という究極の時計で、シチズンの技術をさらにアピールしていきたい」


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細萓直人社長
1984年、中央大学理工学部卒。同年、シチズン時計入社。営業部を経て87年から香港事務所駐在。92年から東京本社で東南アジア担当営業。「2000年問題」時に、事業部ERPシステム更新プロジェクト・マネジャーを経験。事業部ITマネジャーを経て、04年よりシチズン台湾社長。07年4月より現職。
<細萓直人社長に聞く10の質問>
①座右の銘:「誠実」、(妻曰く)「損して得取る」
②今読んでいる本:「グロテスク」桐野夏生・著(息子の課題図書)
③オーストラリアの好きなところ:人口密度が少なく、どこに行ってもきれいで混んでいない。気候が良く過ごしやすい。
④外から見た日本の印象:「硬直化」「融通が利かない」。政治も人ももっと新しいことにトライして、不景気から立ち直ってもらいたい。
⑤好きな音楽:モーツァルト「オーボエ協奏曲」、ビバルディー「四季」の夏
⑥尊敬する人:犬をしつけてくれた片山トレーナー
⑦有名人3人を夕食に招待するなら:清原和博、鈴木杏樹、黒木瞳
⑧趣味:ドライブ、日曜大工
⑨将来の夢:温泉付きの別荘を持つこと!
⑩カラオケの十八番:台湾駐在時代に覚えた現地のヒット曲でマイケル・ウォンの「童話」

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