旦那はオージー「地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その5」

旦那はオージー

第31回
地上の楽園アサートン高原での新米日本語教師編 その5

【前回までのお話】オーストラリアへ移住後、アサートン高原へ引っ越し、念願のフルタイムの教師へ転身した。

日豪の学校システムの違いについて(第4回)

教えることに専念出来るオーストラリア

日本とオーストラリアを比べてみると、勤務時間は短いし、分掌や部活動もないので、オーストラリアの方が仕事がラクと思った読者も多いかもしれない。でも実は、あることのせいでオーストラリアの方がとても仕事が多くなってしまう。それは、「政府指定の教科書がほとんどない!」ということ。日本では小1から中3まで教科書が無償でもらえるが、オーストラリアには無償の教科書というものは存在しないのだ。

必要に応じて購入する仕組みで、数科目しか教科書を使わない小学校では、生徒は学校に全ての勉強道具を置いていき、持ち帰るのはランチ・ボックスと宿題のみ(注:「スヌーピー」や「赤毛のアン」などアメリカ・カナダ英語圏に共通する習慣)。初めて小学校で教えることになった私は「教科書が無いのに、どうやって教えるの?」と最初はショック。手持ちのフラッシュカードやパワーポイントなどを使い、市販のワークブックを切り貼りして、手探りで授業をしていたものだ。

ある時、「Australian Curriculum(豪州教育指導要領)」に従ってプログラムを組めば「自分の裁量で、教える内容も教材も選択出来るので面白い」ということに気が付いた次第。

中学・高校の試験問題の難しさ

イラスト=たこり
イラスト=たこり (Web: takori.go-jin.com)

日本の中学・高校では、成績評定は定期試験の結果と提出物、授業中の態度などでほぼ決まるのに対し、オーストラリアでは定期試験というものはなく、アセスメントと呼ばれる年に3〜6回あるテストや課題提出状況によって総合的に判断される。テストや課題は全て文章題だ。

各教科の試験を見せてもらったが、日本の大学のレポート並みの内容が問われていて、驚かされた。日本の高校の試験では暗記したことを答える問題がほぼ8割以上を占めているから、先生の採点も1クラス2、3時間もあれば十分だったが、オーストラリアでは1人に最低30分以上はかかる。テストがあると1、2週間かけて採点する先生がほとんどで、皆大変な思いをしているようだ。


<著者プロフィール>
ポップ登美子

◎北海道札幌市出身。オージーの夫と2人の子どもとともにノーザン・テリトリーに在住中。本紙コラムのほかにも、「地球の歩き方」海外特派員などでのフリーランス・ライターや日本語ガイド、日本語教師としても活躍中。
Web: ameblo.jp/kangaroo777
www.facebook.com/miffy777/
ameblo.jp/darwin-japanese

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る