シネマへ急げ! 2020年 注目のホリデー映画12選

シネマへ急げ!
2020年 注目のホリデー映画12

年末年始にかけて、ホリデー映画が続々と公開されている。気軽に楽しめるコメディーやアニメーションに、迫力満点のアクション、そして国際的映画祭で話題になったドラマまで、バラエティーに富んだ作品が盛りだくさん。辛口コメントでおなじみの本紙映画隊長と、編集部員がお薦めの映画作品を紹介する。

■作品公開日は予告なく変更される場合がある。
■レーティング=オーストラリア政府が定めた作品鑑賞の年齢制限。G、PG、M、MA15+、R18+、X18+があり、X18+に向かうほど過激な内容になる。CTCはレーティング未確定の作品。

真実

The Truth

公開中ドラマ/PG

満足度★★★★

© R.Kawauchi
© R.Kawauchi

世界中で行われている映画祭の中でも、毎年大きな話題になるカンヌ国際映画祭。2019年に最高賞・パルムドールを受賞したのが、韓国のポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』、その前年は日本の是枝裕和監督の『万引き家族』。共に貧困がテーマとなっていて、2年続いてアジア映画が最高賞を受賞した。『パラサイト』は、やはり韓国映画。サービス精神たっぷりで、ブラック・コメディーがとんでもなく恐ろしいホラーに変わっていき、本当に楽しめる1本。まるで唐辛子がドッサリ隠れている真っ赤なユッケジャンみたいで、これを観ると、『万引き家族』が本当にサラサラのお茶漬けに感じてしまうほどだった。

その是枝監督、個人的には彼の長編2作目にあたる1999年の『ワンダフルライフ』の衝撃が忘れられない。死んでから死後の世界へと旅立つまでの1週間の間に、死にゆく人は人生で一番大切な思い出を選び、それを映画として撮影する。その映画を上映し、一番大切な思い出だけを持って死後の世界へと旅立つ。とにかくこのストーリーがユニークで、しかも是枝監督の基本となっているドキュメンタリーの要素がふんだんに取り入れられていて「こんなに面白い日本映画があるんだ!」と当時かなり驚いたことを覚えている。ここ最近は「いやー、花火見てんだったら花火見せてよ」とか、自分にとって鼻に付く演出があって、どっぷりと映画の世界に浸ることができなかった。

そして今回紹介するのが、彼の新作『真実』。日本人監督がフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴ主演作を監督するという話だけでも驚きなのに、共演がジュリエット・ビノシュにイーサン・ホークと、一体どんな映画になるのか楽しみしていた。

ストーリーは、「フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本『真実』を出版。それを祝うためにアメリカで脚本家として活躍する娘のリュミールと、俳優の夫ハンク、それに彼らの1人娘のシャルロットが彼女の元へとやってくる。しかし、その自伝を読んだ娘のリュミールは、“嘘”ばかりで“真実”は書かれていないとファビエンヌを問い詰めるが……」というもの。

© 3B-Bunbuku-MiMovies-FR3
© 3B-Bunbuku-MiMovies-FR3

ファビエンヌの役柄が完全にドヌーヴと一致しているのだが、本人は「この主人公は私とは全く違うから」と否定している。しかし、役名のファビエンヌは彼女のミドル・ネーム。これから分かるように、本人のイメージは当然投影されていると思う。太々しかったり、自分中心だったり、小面憎いオバちゃんなんだけど、それが可愛く見えてしまうのは、やはり彼女の魅力。台本も一切覚えてくることはなく撮影前に読み出したりするドヌーヴ、それに対して娘役のビノシュは事前に全てのせりふを頭に入れてから現場に来るそうで、本人の性格の違いも役柄にしっかりと反映されている。また、完全に女性中心のこの映画で、男たちはご飯を作っていたり、亀になっていたりするのだが、アメリカ人でフランス語を理解できない夫ハンクを入れることで、うまくバランスを取っている。それを演ずるホークがまたいい味を醸し出している。

そしてタイトルにもなっている「真実」とは? それは「その人でしか分からないもの」だと思う。あれだけ母親をなじっていたリュミールでさえ忘れていることがあったり、ラストの孫との会話でも、一方は真実と受け取り、他方はそうではない。ファビエンヌとリュミールも和解したように思えるのだが、撮影の取り直しの話が直後に出てくると、なんだか演技のための行動ではないかと疑ってみたり、こうしたちょっと煙に巻いたような展開は是枝監督らしいと思った。

是枝監督らしいと言っても、やはり日本映画ではなくフランス映画。前作がワサビの効いたお茶漬けとしたら、今作は胡椒の効いたオニオン・スープのようだった。ほっこりとして、誰1人として悪人はいなく、鼻に付く演出もなくサラっと楽しめる1本。あ、でもラストに家族で空を見上げるシーンがあったけど、当然、空を写すことはなかったかな?

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

Star Wars: The Rise of Skywalker

公開中SF、アドベンチャー/M

期待度★★★★

©2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights
©2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights

1977年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が全米で公開されてから今年で42年。シリーズ最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』はエピソード9に当たり、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に続く3部作の最終章だ。伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの想いを引き継ぎ、フォースの力を覚醒させたレイ。祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継いだカイロ・レン。『最後のジェダイ』ではレンが自らの側にレイを引き入れようとする場面もあったが、2人の関係はどのような展開を迎えるのか。スカイウォーカー家の物語を完結させる本作に耳目が集まっている。

ジュマンジ/ネクスト・レベル

Jumanji: The Next Level

公開中コメディー、アドベンチャー/PG

期待度★★★★

© 2019 CTMG, Inc. All Rights Reserved. **ALL IMAGES ARE PROPERTY OF SONY PICTURES ENTERTAINMENT INC. FOR PROMOTIONAL USE ONLY. SALE, DUPLICATION OR TRANSFER OF THIS MATERIAL IS STRICTLY PROHIBITED
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大人気パニック・ファンタジー映画『ジュマンジ』シリーズの最新作『ジュマンジ/ネクスト・レベル』が公開中。前作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が、全世界51カ国で興行収入1位という大ヒットを飛ばしたことも記憶に新しい。ゲーム盤での出来事が現実となる、世界で最も危険なゲーム「ジュマンジ」を巡るストーリーだ。今作では、前作で高校生だったキャラクターたちがそれぞれの路に進み、今は大学生に。そのうちの1人であるスペンサーが、あの時の興奮を忘れられず再びゲームの中へ入ってしまう……。スペンサーを救出するため、彼らはまたしてもジュマンジにログインすることになるのだった。

キャッツ

Cats

公開中ミュージカル、ドラマ/G

期待度★★★★

© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.
© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

世界的に有名な大ヒット・ミュージカル「キャッツ」がハリウッドで実写映画化。「キャッツ」は1981年にロンドンで初演されて以来、世界中で愛され続けているミュージカル作品だ。ノーベル文学賞の受賞経験を持つイギリスの詩人T・S・エリオットの詩集を基にした物語は、ネコたちが主人公。夜の都会のごみ捨て場を舞台に、個性豊かなネコたちが歌とダンスを繰り広げていく。テイラー・スウィフトやジェニファー・ハドソンを始め、多彩なジャンルで活躍する著名人たちがキャッツの一員となる。現代のCG技術で、毛むくじゃらの姿に変身した豪華キャストたちによるパフォーマンスを、大スクリーンで楽しめるのも本作の魅力。

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

Little Women

公開中ドラマ、ロマンス/G

期待度★★★★

© 2019 CTMG, Inc. All Rights Reserved. PHOTO by Wilson Webb.
© 2019 CTMG, Inc. All Rights Reserved. PHOTO by Wilson Webb.

本作はルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した文学史に残る傑作『若草物語』が原作。南北戦争という暗い時代背景ながらも、優しい心を忘れずに健気に暮らすマーチ家の4人姉妹の成長を描いている。今作でフォーカスされるのは、女性が表現者として成功をつかむことが難しかった時代に、作家になる夢を持ち続ける次女のジョーで、同役を『つぐない』『レディ・バード』などで知られる実力派のシアーシャ・ローナンが務める。また、長女のメグ役にエマ・ワトソン、ジョーに想いを寄せるローリー役にティモシー・シャラメと豪華キャストが名を連ねている。女性監督が描く今までとはまた違う若草物語をぜひ劇場で。

ザ・ジェントルマン

The Gentlemen

公開中アクション、クライム/MA15+

期待度★★★★★

© 2020 COACH FILMS UK LIMITED. All Rights Reserved.
© 2020 COACH FILMS UK LIMITED. All Rights Reserved.

『シャーロック・ホームズ』シリーズや実写版『アラジン』など大手スタジオの大作を手掛けてきたガイ・リッチーが、満を持して監督と脚本を務めたクライム・アクション映画。マシュー・マコノヒー、ヒュー・グラント、チャーリー・ハナム、コリン・ファレルら豪華キャストが集結。ロンドンにマリファナ帝国を築いたアメリカ人ミッキー・ピアソン(マシュー)がビジネスを売却しようとしているとうわさが立ったことから、それを奪おうと悪党たちの間で策略、陰謀、贈賄、恐喝など小競り合いが始まる…・・・。スタイリッシュな映像で定評のあるリッチー監督が、どんな一作を見せてくれるのか期待が高まる。

バッドボーイズ フォー・ライフ

Bad Boys for Life

1月16日公開予定アクション、コメディー/CTC

期待度★★★★★

© 2019 CTMG, Inc. All Rights Reserved. Photo by Kyle Kaplan.
© 2019 CTMG, Inc. All Rights Reserved. Photo by Kyle Kaplan.

ウィル・スミスとマーティン・ローレンスがダブル主演を務める人気映画『バッドボーイズ』シリーズの待望の最新作。ウィルを一躍スターダムへと押し上げた映画シリーズとしても知られている。ブランド物のスーツを着こなし、ポルシェをカッ飛ばすマイク・ローリーをウィル、かたや危険な職務に臨むことには消極的なマーカス・バーネットをマーティンが演じる。今回、引退を真剣に考えているマーカスに対し、マイクが「これが最後だ」とコンビとして最後の共同捜査を依頼。マイアミを舞台に危険かつワイルドな捜査が再び始まる。ウィルとマーティンが、永遠にして唯一無二のバディとして活躍する姿を大スクリーンで堪能したい。

ドクター・ドリトル

Dolittle

1月16日公開予定コメディー、ファミリー/CTC

期待度★★★★

© 2019 Universal Pictures
© 2019 Universal Pictures

世界中で愛読されている児童文学作品で、過去にエディ・マーフィ主演でも映画化された『ドリトル先生』シリーズを、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr.主演で新たに映画化。動物と話せるドリトル先生は名医だが変わり者で、世間から遠ざかり、動物たちとひっそりと暮らしていた。ドリトル先生は、若き女王が重い病に倒れたと聞き、彼女を救える唯一の治療法を求めて伝説の島へ冒険の旅に出発する。助手のスタビンズ少年、ドリトル先生が最も信頼する親友の頑固なオウム、臆病なゴリラ、とぼけたアヒル、陽気なシロクマ、皮肉屋のダチョウなど、個性豊かな動物たちとドリトル先生が繰り広げるアクション・アドベンチャー。

スパイズ・イン・ディスガイズ

Spies in Disguise

公開中アニメーション、アクション、アドベンチャー/PG

期待度★★★★★

© 20th Century Fox
© 20th Century Fox

本作はタイトルにある通りスパイを題材にしたアニメ作品で、敏腕スパイで愛想の良いランスと、さえない科学者ウォルターという相反するキャラクターの2人が織り成すコメディー・アドベンチャー。ランスはミッション遂行中、ひょんなことからウォルターの発明品で鳩になってしまう……。果たして2人は危機を乗り越えられるのか。声優陣も豪華で、ウィル・スミスがランス役、トム・ホランドがウォルター役を務めている。『アイス・エイジ』シリーズなどの話題作を手掛けたブルースカイ・スタジオによる作品で、ディズニー配給になって初めての公開作品ということもあり、公開前から多くの関心が集まっている。

スキャンダル

Bombshell

1月16日公開予定伝記、ドラマ/M

期待度★★★★★

© Hilary Bronwyn Gayle SMPSP.
© Hilary Bronwyn Gayle SMPSP.

アメリカのテレビ局「FOXニュース」の人気女性キャスターが2016年、同局創始者のロジャー・エイルズをセクハラで告発した実際のスキャンダルを基にした映画。ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、マーゴット・ロビーというオスカー常連の実力派女優3人が生み出すハラハラ、ドキドキが止まらない絶妙でリアルな駆け引きは見逃せないものとなっている。第77回ゴールデン・グローブ賞では、シャーリーズが主演女優賞(ドラマ部門)、マーゴットが助演女優賞にノミネートされており、賞シーズンをにぎわせることになりそうだ。そんな本作のメガホンを取ったのは、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』などのジェイ・ローチ監督。

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!

A Shaun the Sheep Movie: Farmageddon

公開中アニメーション、コメディー、アドベンチャー/G

期待度★★★★

© 2019 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED.
© 2019 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED.

今年で生誕25周年を迎える『ひつじのショーン』シリーズの最新作。2015年に公開され大ヒット作となった『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』から早4年、現在170の国と地域で放送され多くの人びとに愛されるひつじのショーンが今回は宇宙を舞台にSFテイスト満載で帰ってきた。ショーンたちの暮らす村に突如UFOが降りてきて、ショーンは宇宙人の女の子・ルーラと出会う。しかし、ルーラは何者かに追われていた。果たしてショーンたちはルーラを守りきれるのか……。クレイ・アニメーションの名作を数多く生み出してきたアードマン・アニメーションズによる本作は、子どもはもちろん、大人にもたまらない1本となっている。

名もなき生涯

A Hidden Life

1月30日公開予定ドラマ、戦争/CTC

期待度★★★★★

© Fox Searchlight
© Fox Searchlight

『ツリー・オブ・ライフ』など名作を多く生み出してきた巨匠テレンス・マリックの最新作に当たる本作は、カンヌ国際映画祭にて絶賛を受け、エキュメニカル審査員賞を受賞。ナチスの支配下に入ったオーストリアを舞台に、自らの信念と家族への愛だけでヒトラーにも屈せず、ナチスに立ち向かった一人の農夫について描いた力強いドラマ作品となっている。人間の内側に秘められた感情が繊細かつダイナミックに表現されており、改めて“生きる”とはどういうことなのか、考えさせられる。主演を務めたのは『イングロリアス・バスターズ』などのアウグスト・ディールで、2019年2月に亡くなったスイスの名優ブルーノ・ガンツの遺作ともなった。

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