
イタリア料理の達人が、
家庭で楽しめる本格イタリア料理のレシピをご紹介。
今回ご紹介するメニューは、炒めた夏野菜を赤ワイン・ビネガーで煮込んで作るイタリア・シチリア島の伝統料理「カポナータ」。フランス料理の「ラタトゥイユ」によく似ていますが、カポナータはレーズンとビネガーから生まれる独特な甘みを楽しめます。熱しても、冷まして食べても美味しい1品。パン、白ワインと一緒にどうぞ。

■材料(4~6人分)
ナス | 大1個 |
玉ネギ | 2個 |
セロリ | 1/4束 |
ニンジン | 3本 |
パプリカ(赤と黄色、なければ緑) | 2個 |
ズッキーニ | 2本 |
トマト・ピューレ | ホール缶2つ、または1瓶 |
赤ワイン・ビネガー | 50cc |
オリーブ・オイル | 50cc |
レーズン | 1つかみ(大) |
乾燥オレガノ | 適量 |
塩付きケッパー | 大さじ4 |
ベイリーフ | 2枚 |
砂糖 | 大さじ2 |
塩 | 大さじ2~3 |
■作り方
① ナスとズッキーニ、パプリカをひと口大くらいの大きさに切る。
② 玉ネギ、ニンジン、セロリを大きめのさいの目に切る。
③ フライパンにオリーブ・オイル(25cc)を敷き、強火にしてナスを投入。油で揚げるように炒め、軽い焦げ目とツヤが出るまで炒めたらフライパンから下ろす。
④ 鍋にたっぷりのオリーブ・オイル(25cc)を敷き、玉ネギ、ニンジン、セロリを入れ、中~強火にかける。大さじ2~3の塩を加えながら5~6分かけてしんなりするまで炒める。
⑤ フライパンにズッキーニを投入し、オリーブ・オイル少々(分量外)を加えて強火で炒める。軽く色が付くまで炒めたら鍋から下ろす。
⑥ 鍋の野菜が炒め終わったら、レーズン、塩付きケッパー(大さじ3)を投入しよくかき混ぜる。続いて赤ワイン・ビネガーと砂糖を加え、よくかき混ぜる。
⑦ 今度はフライパンでパプリカを炒める。塩付きケッパーの残りと共に、パプリカに光沢が出るまでよく炒める。
⑧ 鍋の方は水気がなくなるまで炒めたらベイリーフ、トマト・ピューレを投入。中火で10分程、焦げないようにゆっくりかき回しながら煮込む。
⑨ よく煮詰まってうま味が出たら、ナス、ズッキーニ、パプリカを合わせ、皿に盛って乾燥オレガノを散らしたら出来上がり。
■食材選び&料理マル秘ポイント
◎ フライパンと鍋を使い、多種の野菜を同時進行で炒め、煮込んでいきます。
◎ 野菜はしんなりするまでよく炒め、甘みを引き出すために努力を惜しまないことがこの料理の最大のポイントです。
◎ ナス、ズッキーニ、ピーマンは軽く焦げ目を付けます。焦げ目にうま味があります。
◎ 煮込むことでレーズンとビネガーの甘みが生まれます。
◎ トマト・ピューレは甘みのあるイタリア産を選びましょう。
◎ 出来上がりの色合いを重視して今回はナス、ズッキーニ、パプリカを最後に合わせましたが、味をなじませて田舎風にしたい人はトマト・ピューレ投入時に一緒に合わせて煮込みます。



伊藤尚文シェフ
NZの5つ星ホテルで主にワイン・サービスを担当後、2000年よりイタリアで4年間、著名レストランやグランド・ホテルで経験を積む。03年アメリカズ・カップ(NZ)でプラダ・ヨット・チームの専属シェフ。07年に東京・赤坂で「グストエヴィーノ」開業、約6年半に渡りイタリア料理を基本にした独自のガストロノミーを創造。15年に来豪し、メルボルンを中心にケータリング・シェフとして活躍中(Web: www.gvcatering.com)。各種パーティー対応可。