多国籍なオーストラリアの簡単で美味しいレシピを紹介。
勝手に2層になる、トロピカルなオレンジ&ココナツ・ゼリー
(文・写真=ランス陽子)

QLD州ではいよいよ強い日差しがじりじりと照りつけ、日中は汗ばむほどの陽気になってきた。夏はもう目前。冷たい食べ物がおいしく感じられる季節の到来だ。オーストラリアには濃厚な甘さのデザートが多いが、こんな暑い季節にはさっぱりとした甘みが恋しくなることも多い。
今回のレシピは、ひんやり冷たく、ぷるぷるした食感がたまらないオレンジとココナツのゼリー。
「驚くほど簡単にできる、2色のゼリーです。2つの層に分けるゼリーには、下の層を先に作ってから上に2色目を流し込む方法もありますが、材料によっては時間が経つと勝手に2層に分かれて固まる組み合わせがあるんですよ」と教えてくれたのは、ゼリーが大好きな5人の孫を持つ雅子さん。
「オレンジ・ジュースとココナツ・ミルクを混ぜてしばらく置くと、比重の違いでオレンジ・ジュースが下に、ココナツ・ミルクが上に自然に分かれます。混ぜて温めて、冷やすだけで勝手に2層になるんです」
ジュースは、必ず果汁100パーセントのものを使用。つぶつぶの入ったものでも、パルプ・フリーと書かれた粒の入っていないものでも良いので好みで選ぼう。ココナツ・ミルクは、スーパーマーケットのアジア食品のコーナーでどこにでも売られている缶入りのものでOK。オレンジとココナツのトロピカルな相性の良さは抜群だ。
「私は日本の寒天を使うのが好きなのですが、オーストラリアでは手に入りにくいので、もちろんゼラチンを使っても大丈夫です」と雅子さん。寒天は、粉寒天ならそのまま他の材料と一緒に鍋で温めて1~2分沸騰させる。寒天を使わずに粉ゼラチンを利用する場合は、先に他の材料を温めている間にふやかしておく。ふやかす際には、必ず容器にゼラチンではなく液体を先に入れて、その後上から振り入れるようにすると、ダマになりにくい。鍋の中身が沸騰したら必ず火を止めてからゼラチンを入れ、よく混ぜる。
「寒天は1~2分沸騰させて溶かしますが、ゼラチンは入れた後に沸騰させないことがコツです」
こうして作ったゼリー液をガラス容器や型に入れ、冷蔵庫で約3時間冷やして完成。冷やす過程で、時間が経つと自然に2つの層に分かれるから不思議だ。簡単でおいしいトロピカルなデザートを気軽に作ってみよう。
自分で作ってみよう!
(4人分)
オレンジ・ジュース | 450cc |
ココナツ・ミルク | 200cc |
砂糖 | 80g |
粉ゼラチン | 15g(粉寒天の場合は4g) |
作り方
① ゼラチンを使用する場合はふやかしておく。分量のオレンジ・ジュースは約150ccを残して鍋に入れる。残ったオレンジ・ジュースにゼラチンを振りかけてよく混ぜる。
② オレンジ・ジュースの入った鍋に、さらにココナツ・ミルク、砂糖を入れる。火にかける(寒天を使用する場合は、ここで寒天も入れる)。
③ 沸騰して1~2分したらよく混ぜて、砂糖が溶けていることを確認してから火を止める。ゼラチンを使用する場合は①を入れてよく混ぜる。
④ あら熱をとってから型に流し込み、冷蔵庫で約3時間冷やして完成。

雅子さん
大阪出身、ゴールドコースト在住。料理は手早く簡単にをモットーに、たこ焼き、お好み焼き、焼きうどんなどの粉ものも得意。最近、体に無理な負担をかけずに汗を流すことができる、太極拳にはまっている。