多国籍なオーストラリアの簡単で美味しいレシピを紹介。
ニンニクとバジルの香りがたまらない「タイのチリ・バジル・ポーク」
(文・写真=ランス陽子)

食欲をそそるニンニクの香りと、炒めたバジルの爽やかな風味がたまらないタイのバジル炒め。鶏や牛肉など、どんな食材を使ってもおいしいメニューだが、今回はタイ人の奥様と新婚生活を送る弁護士のマークさんが豚肉とチリ(唐辛子)を使ったレシピを教えてくれた。
「辛いものが好きな人は小さめで生のチリを3本、あまり得意ではない人は大きなチリを6本使ってください。大きなチリほど辛味が少ないので、逆にたっぷり入れても大丈夫ですよ」
マークさんはいつも小さなチリを使用するそうだが、辛いものが苦手な人でももちろんこの料理を楽しめるそうだ。特に、今回の出来上がり写真のように太さが約5センチ、長さは20センチもある大きなスイート・チリを使用すれば、辛さはほとんど気にならない。スイート・チリは、子どもでも食べられるほど辛味が少ない、姿も風味もかなり赤ピーマンに近いチリだ。
「できれば、アジア食材店やアジアのハーブがそろっている青果店でタイ・バジルを手に入れてください」とマークさん。普通のバジルでも代用できるが、茎が紫がかったタイ・バジルがあれば、より本場の味に近くなると言う。
ニンニクをさっと炒めて香りを出したら、豚とチリを炒め、味をつけて出来上がり。
もちろん、日本にあるような白米と一緒に食べてもおいしいが、「タイの料理にはやはりジャスミン・ライスがよく合いますよ」。ジャスミン・ライスは香りを損ねないよう研がずにかき混ぜるようにして洗い、日本の白米と全く同じように炊飯器で炊けば良いそうだ。ただし、日本の米よりも浸透率が高いので、洗ったら時間をおかずにすぐに炊いた方がおいしく仕上がる。
さまざまな国からの移民が暮らすオーストラリア。スーパーマーケットでも手軽に各国の調味料が手に入り、街にはアジア食材店が溢れている。そんな多国籍な食文化がすっかり根付いているこの国で、忙しい主婦や料理の苦手なワーキング・ホリデーの若者でも作りやすいレシピを……と続いてきたこのコラムも、今回で最終回となった。これからも、世界中の国や地域からやって来た人びとと仲良く交流しながら、オーストラリアの大地で、おいしい多国籍料理をたっぷりと楽しもう!
自分で作ってみよう!
(2人分)
豚肉(スコッチ・フィレなど) | 500g |
ニンニク | 6個 |
生のチリ | 小3本か大6本(またはスイート・チリ1本) |
バジル | 1束 |
フィッシュ・ソース(ナンプラー) | 大さじ3 |
オイスター・ソース | 大さじ2 |
水 | 大さじ2 |
調理油 | 50ml |
作り方
① ニンニクはみじん切りにする、またはクラッシャーで細かくつぶす。豚肉は薄く切る。小さめのチリは輪切り、大きなチリは小さく刻む。バジルは真ん中の太い茎を取り除いておく。
② フライパンで調理油を強火で熱し、ニンニクをさっと炒める。
③ ニンニクがキツネ色になったら豚肉を炒める。表面に火が通り、軽く焼き色がついたらチリを加えて炒める。
④ ③に火が通ったらフィッシュ・ソース、オイスター・ソース、水を加えて混ぜる。
⑤ バジルを入れてさっと炒め、バジルがしんなりしたら出来上がり。

マーク・ブレイディさん
オーストラリア出身の弁護士。現在は博士号取得に向けて研究を続けながら、大学講師を務めている。趣味はバイクのレース。無類の猫好きでもある。