
親子で作ろう!元気が出る食卓

五平餅
米は日本人の私たちにとって、切っても切り離せない大事な食材です。普段食べている普通の米のことを“うるち米”と言い、これに対して餅や赤飯、おこわなどに使われる米を“もち米”と言います。これらの大きな違いは、でんぷんの成分にあります。うるち米はアミロースとアミロペクチンがおよそ2:8なのに対して、もち米はアミロペクチンのみでアミロースを含んでいません。このアミロペクチンが餅の粘りの元なのです。見た目は、うるち米が半透明なのに対し、もち米は白く不透明です。もち米はこちらで、“sweet rice”として売られています。また、これらの米は、いろいろな形で利用されてきました。うるち米を使った加工食品として五平餅、きりたんぽ、せんべい、団子、日本酒などがあり、もち米を使ったものには、餅、ういろう、おかき、和菓子などがあります。
さて、今回はうるち米を使った郷土料理、五平餅をご紹介しましょう。五平餅とは、長野県の南部地方(木曽・伊那)や、岐阜県、愛知県三河地方に伝わる郷土料理です。炊いたうるち米を潰し、竹などの串に固めて、みそやしょうゆベースのタレを塗って焼いた物です。
五平餅の名前の由来は、神道において神に捧げる「御幣」の形をしていることからこの名が付いたとするのが一般的ですが、かつて猟師の五平(または五兵衛)という人物が、ご飯を潰してみそを付けて焼いて食べたのが始まりとの説もあります。(『日本の郷土料理図鑑』よりlocal-specialties.com)
このおいしいみそを焼きおにぎりに塗るのも1つですが、例えば、バーベキューをした時など、お箸に刺した五平餅なら、最後の締めにぴったり。ぜひ試してみてください。
「五平餅」のレシピ
材料(6個分)(1TBS=20ml、1tsp=5ml、1cup=250ml)
米 | 2合 |
くるみみそ | 適宜 |
白ごま | 1TBS |
くるみ | 12片 |
砂糖 | 3TBS |
八丁みそ | 1.5TB |
しょうゆ | 1.5TBS |
みりん | 1TBS |
作り方
- 割り箸を水に浸けておきます。
- ご飯は温かいうちにすり鉢/ボ-ルでまんべんなく付けます。
- 手に水を浸け、おにぎり(約100g)を6個作ります。
- おにぎりに割り箸を埋め込みながら、ご飯を割り箸に付けていきます。次にご飯を平らに広げます。サランラップを使うとやりやすいです。
- 薄く油を敷いたフライパン、もしくはバーベキュー台で、焦がさないようにじっくり両面を焼きます。うっすらとキツネ色になってきたら、みそを片面にムラなく塗ります。みそが少し乾いてくるぐらいまで焼いたら出来上がりです。




才川須美(さいかわすみ)
管理栄養士&食育インストラクター。現在、シドニーで料理教室を開催中。大人気の子ども向けホリデー・プログラムでは、裁縫と料理を合わせた「家庭科クラス」を開催(毎回、ウェイティング・リストが出る人気のクラス。お申し込みはお早めに)。大人向けには、月1回、昼間に開催されるクラスと土曜日の夜に開催されるクラスで、日々の献立に使えるいろいろな料理を紹介。夜のクラスでは、ワイン片手に楽しく料理が学べる。
2018年の大人クラスは、◇1日30食品摂れる和食献立、◇点心(肉饅、シュウマイ、ショウロンポウ他)、◇秋の魚料理など、豪州の食材を使った和食を中心に紹介する。
Web: www.sumiskitchen.com、www.facebook.com/sumiskitchen.sydney