第3回「もったいない」

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日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?

オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授
池田俊一


 今回は厳密には慣用表現ではないが、読者から要望のあった「もったいない」を取り上げてみる。「もったいない」には、大きく分けて3つの使い方がある。


今、一番よく使われているのは、無駄になって惜しいという意味の使い方で、英語なら “wasteful, wasting” であろう。
例1 (ある人が20年も勤めた仕事を辞めて、転職を考えているということを聞き、思わず)
「ええっ、もったいない !? なんでまた ? 」
(Are you serious? What a waste!? How come?)
例2 (作った料理が多過ぎて、たくさん余ってしまい)
「このまま捨てるのはもったいないから、ラップに包んで、冷凍庫に入れておこう 」
(It would be a waste to throw all of this away. I’ll wrap it up and put it in the freezer.)
例3 (子どもが魚に少し箸をつけただけで、それ以上食べようとしないのを見て)
「おい、そんなもったいない食べ方をするな。魚も泣いてるぞ 」
(Listen, don’t be so wasteful of your food. Even the fish is crying at being treated that way.)
例4 (浪費癖のある友達に金を貸すことを聞いて)
「あら、あんな人にお金を貸すなんてもったいないわ」
(Oh, giving money to her would be just as good as throwing it away.)
 次に、過分だ、という意味の使い方がある。英語では、”be more than one deserves, be too good (for), be unworthy of” に当たる。 
例5 この洋服は、普段着にはもったいない。
(This dress is too good for everyday wear.)
例6 あの人にはもったいないほどのよくできた奥さんだね 。
(She is too good a wife for him.)
例7 ここの環境は恵まれていて、自分にはもったいないほどだ。
(The environment here is near perfect and I feel I don’t deserve this good fortune.)
 さらに、今はあまり使われなくなった、恐れ多い (impious, irreverent, profane) という意味の使い方もある。 
例8 天皇陛下からもったいないお言葉を賜った。
(The Emperor was graciously pleased to address me.)
 読者の皆さんも、せっかく習い覚えた、いろいろな「もったいない」の言い方を使わないと「もったいない」ですよ。
(It would be a pity if readers of this column didn’t try to make use of the various usages of もったいない which you have now acquired.)

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