第12回「仰げば尊し我が師の恩」

慣用表現英語でDo You Know ?

日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?
オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授 池田俊一

第12回 「仰げば尊し我が師の恩」

 3月。日本の学校は、会計年度に合わせて4月に入学式、3月に卒業式が行われる。その卒業式でよく歌われる「仰げば尊し」という歌の冒頭に「我が師の恩」という歌詞が出てくる。この「恩」にまつわる表現を見てみよう。
例1 あの人の恩を受けている。
I receive benefits [favours] from him. / I’m indebted to him. / I’m placed under his obligation.
 一方、「恩」を与える側は「恩を施す(do [a person] a favour; bestow favours on [a person]; lay [a person] under obligation)」という言い方をする。
例 2 あの方は、自分でもそれと気付かずに、多くの人に恩を施している 。
She is doing a lot of people a favour without knowing it herself.
「恩」を受けていることは知っているのに、その厚意をないがしろろにすることや、そういうことをしても平気な人を「恩知らず(ingratitude) (an ingrate / an ungrateful person)」という言葉で表す 。
例 3 あの人は恩知らずな振る舞いをしたので、皆に総スカンを食らっている 。
She acted ungratefully which made everyone dislike her.
例 4 あいつは全くの恩知らずだ 。
He hasn’t got an ounce of gratitude in him.
 また、恩を受けているのに、それに報いず、かえって恩を施してくれた人を傷つけるような行動に出ることを「恩を仇で返す(return evil for good; return kindness with ingratitude; bite the hand that feeds [one])」という。
例 5 あいつは恩を仇で返すような男だ。
He’s the sort of person when you pat him, he snaps at you.
 しかし、世の中には、他人に「親切の押し売り」をしようとする人もいて、このような人の行為を「恩に着せる(demand gratitude; pose as a benefactor [to]; emphasise the favour done to [a person])」「恩着せがましい(patronisingly; with an air of patronage)」といった表現で表す。
例 6 なんか、いやに恩に着せるね。
Well, well, you put on a patronising air.
 卒業生諸君、先生に「ご恩は決して忘れません」と言うのを忘れないように 。(Graduands, don’t forget to say to your teacher, “I shall never forget your kindness [what you have done for me].)
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件名:日本語・池田先生係

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