大人の空想力/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強
大人の空想力

 学校からの帰り道、友達と空に浮かぶ雲を指差して、「ねえ、あの雲、羊に見えない?」「私にはクリームパンに見えるよ」と、空想を広げた思い出がありませんか。カーテンをドレスに見立ててはしゃいだり、段ボールで秘密基地を作ったり、子どもたちはさまざまなごっこ遊びをしますよね。何でも自由に思いのままに空想して楽しむ天才です。

 「子どものころは良かった」と思うのは、空想の世界を楽しむことができたからかもしれません。大人になるにつれ、そういう世界は活字や映像の中だけに限られていきますが、もったいない話です。空想というのは現実に生かせば毎日がもっと楽しくなる不思議な力を持っています。自分の興味のあることに五感がよく働くというのは当然のことですが、魚が泳いでいたとして、ある人は写真の被写体として、ある人は料理の素材として、ある人はそこに宇宙を見るというように、世界は幾つも存在します。つまらないと思っていたことも嫌だったことも、捉え方一つで違って見えることがあるのです。

 いつだったか、落語家の笑福亭鶴瓶さんが自身のエピソード・トークの面白さと豊富さについて質問された時、「なんや知らんけど僕の周りで面白いことばっかり起こるんよ」とおっしゃっていました。それなら他の人の周りでは面白いことが起きていないのかというと、恐らくそうではありませんよね。他の人にとっては何でもないようなことが、鶴瓶さんにかかればものすごく面白く魅力的なエピソードになるわけです。面白いことを見出す天才なのですね。

 例えば些細なことですが、目当ての商品が完売したことにがっかりするより、新しいお気に入りとの出会いを楽しむ方が良いですよね。気に入らないからと怒っていても良いことは起こりません。叱られてわだかまりを募らせたまま渋々正すより、叱られなかった場合どうなってしまうかを想像した方が納得しやすいし、誕生日を誰も祝ってくれないと嘆くより、産んでくれたお母さんに感謝する人の方が幸せです。

 今までのよくないやり方をやめた自分を空想し、面白がって実行すると、幸せの連鎖が起きます。見方をほんの少し変えるだけで気が楽になったり、新しい発見があったりします。悩んでいることもイライラの種も、解釈を変えるだけで、困った問題ではなくなったり、逆に有り難いことだったと気付けたりするのです。自分が失敗する癖やパターンに陥った時にこそ、子どもの時に培った空想力を呼び起こし、いつもと違う方向や着地点を目指しましょう。

このコラムの著者

教育専門家 福島 摂子

教育専門家 福島 摂子

教育相談及び、海外帰国子女指導を主に手掛ける。1992年に来豪。社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命とした私塾『福島塾』を開き、シドニーを中心に指導を行う。2005年より拠点を日本へ移し、広く国内外の教育指導を行い、オーストラリア在住者への情報提供やカウンセリング指導も継続中。

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