第1回 TOAD TOXICITY-オオヒキガエルによる中毒

教えて!獣医さん
トード

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大切なペットを病気や危険から守る方法

 夕方ころになるとToad(トード)というカエルが水辺や草むら、道路に出てきます。耳下腺から強い毒を出すカエルで、もしペットがそれをくわえたり舐めたりすると、口や胃の粘膜から毒が瞬く間に体内に吸収され、まるで強力な強心剤を飲んだかのような症状を引き起こします。症状はペットの体格や毒の摂取量によりさまざまですが、ベタベタした唾液の分泌に始まり、チアノーゼ、痙攣、高熱、嘔吐などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。ペットがトードと接触しているのを見かけたら、すぐに以下の応急処置を施してください。


A:濡れタオルなどで口の中のベタベタを何度も拭き取る
B:ホースから水をごく少量出して直接口の中を洗う
 Bはたいへん効果的ですが、水を出しすぎて動物が呼吸できず溺死してしまう恐れがあるため、注意が必要です。不安な場合はAを何度も行いましょう。
 この応急処置は、ペットがトードに接触してから5~10分以内に行うのが効果的です。同時に動物病院に連絡を取り、なるべく早く搬送してください。「様子を見よう」という判断が一番危険です。症状が悪くなる可能性はあっても、良くなる可能性はほぼありません。特にQLD州北部に住むCane Toad(ケーン・トード)といわれるオオヒキガエルは、大きいもので体長25センチ、重さ2.5~3キロ(ほぼ小型犬サイズ)にも達し、毒の分泌量も体の大きさに比例します。QLD州北部では、このカエルをくわえたペットは10分以内に病院に運ぶ必要があるといわれるほどです。
 もともとは害虫駆除を目的として他国から豪州に輸入されたはずでしたが、現在はトード自体が害獣となってしまいました。比較的ネコは、このカエルに興味を示しませんが、多くのイヌは、ゆっくりピョンピョンと地面を飛ぶこのカエルに思わず魅了されてくわえてしまうようです。意外に知られていないトードの被害にくれぐれも気をつけてください。


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PROFILE
足立理良(あだちりら)●馬と小動物の獣医師として日本で2年半の臨床経験後、ワーキング・ホリデーで来豪。飛び込みで地元の動物病院の門を叩きワーク・エクスペリエンスで経験を積んだ後、ブリスベンやゴールドコーストの動物専門医センターで麻酔師として勤務。一般の相談にも個人的に対応している。Tel: 0433-445-813

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