2018年11月 ニュース/総合

「先住民の日」、新祝日検討へ

オーストラリア・デー廃止は否定――首相

1月26日、メルボルン市内で行われた「侵略の日」の抗議デモ(Photo: AFP)
1月26日、メルボルン市内で行われた「侵略の日」の抗議デモ(Photo: AFP)

スコット・モリソン首相は、オーストラリアの先住民であるアボリジニーとトーレス海峡島しょ民をたたえる新しい国民の祝日の制定を検討する考えを示した。9月25日付の公共放送ABC(電子版)が報じた。

モリソン首相は民法テレビの番組で「先住民の6万年以上の歴史を祝福し、認識し、尊敬する日とするべきだ」と述べ、先住民の祝日を設ける案について先住民団体や各州政府と話し合うことに前向きな考えを示した。新祝日の日付については、キャンベラを含む首都特別地域(ACT)が5月28日を「(先住民との)和解の日」に制定していることを例に示した。1967年のこの日、憲法改正を問う国民投票が行われ、先住民がオーストラリア国民として正式に認められている。

その上で首相は「現存している中で世界最古の文化を有する先住民の功績をたたえるために、オーストラリア・デーを廃止する必要はない。2つ(先住民の日とオーストラリア・デー)は共存することができる」と指摘した。

1月26日のオーストラリア・デーは、1788年に英国の第一移民船団が現在のシドニー湾に上陸した日を記念した日。左派の一部や先住民の活動家は「侵略の日」だとして、廃止や日付変更を主張している。建国記念日に相当し、愛国心が盛り上がる祝日だが、近年はアボリジニーの3色旗を手にして街を歩く市民の姿も目立つ。

このため、一部の地方自治体ではオーストラリア・デーの祝賀イベントを見直す動きも出ている。NSW州北東部バイロン郡庁は24日、「先住民の文化と名誉の破壊が始まった日だ」として、祝賀イベントを1日ずらす措置を発表した。

これに対して、モリソン首相は短文投稿サイト「ツイッター」で「オーストラリアを強くするのは、自虐的な態度ではなく過去に正直であることだ。1788年1月26日は、近代的な我々のオーストラリアが始まった日だ」とつぶやき、オーストラリア・デーの廃止や日付変更には否定的な考えを示していた。

首相の新祝日制定案は今後、西洋系オーストラリア人の伝統的な価値観と、侵略の歴史を重視するリベラル派の意見の折衷案として、現実味を帯びる可能性がありそうだ。


連邦議会、TPP11批准へ――下院通過、野党も支持

連邦下院は9月19日、米国を除く11カ国の環太平洋連携協定「TPP11」(TPPイレブン)の関連法案を与党などの賛成多数で可決した。与党勢力が半数に満たない上院での審議に移る。最大野党の労働党は11日の議員総会で同法案への支持を決めたため、上院で可決・成立する見通しで、連邦政府が批准するのは確実な情勢となった。

法案の下院通過を受けて、サイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相は19日、「オーストラリアの農業生産者や製造業者、企業にとって、市場が拡大する」と述べた。同相によると、11カ国の国内総生産は合計13.8兆ドルに達し、約5億人の消費市場がある。98%の関税が撤廃される他、市場アクセスや投資ルールの透明性が確保される。

独立機関の推計によると、TPP11の発効により、オーストラリアの所得は2030年までに実質156億ドル、輸出額は300億ドルそれぞれ増加することが見込まれるという。

一次産品の輸出大国であるオーストラリアは早くから自由貿易を推進。米・中・日・韓を含む2国間と多国間の自由貿易協定(FTA)を積極的に締結してきたが、TPPに参加するカナダとメキシコとの協定締結は初めて。

TPP11は加盟国のうち6カ国が批准した日の60日後に発効する。

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