豪州不動産事情/販売希望額を下回った価格で売却された物件数

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第78回
販売希望額を下回った価格で売却された物件数

コアロジック(CoreLogic)社のデータによると、今年10月までの過去3カ月間で、販売希望額を下回った価格で売却された物件の数が、ここ数カ月間で増え始めているとの結果が発表されました。

販売希望価格を下回って売却された物件の割合は、今年の10月までの過去3カ月で75%、昨年同時期では70%、2014年10月では50%未満でした。その中でもシドニーでは80%を超え、メルボルンでも80%前後というデータが出ています。よって、売り手による価格予想は必ずしも正しいわけではなく、価格交渉が可能であることが示されています。

また、落札率が全国平均43.4%まで低下していることも、価格交渉が可能となる1つの要因となります。過去10年間で44.8%、過去20年間で209.9%上昇したオーストラリアの不動産価格ですが、CoreLogicのデータによると、現在は17年初旬の価格に戻っているとされています。

「Reserve Bank of Australia」は、住宅ローンの引き締めが経済を逼迫(ひっぱく)させる可能性があるため、投資家への貸し出し条件を緩和させる可能性があることを示唆しました。

17年中ごろから、投資家からの需要が減り、オフ・ザ・プランの物件の売却数が減少しています。厳しいローンの条件下で起こり得るリスクの1つとして、物件の完成時に買い手側が決済できなくなってしまうことが挙げられます。それに伴い、物件販売価格の低下、更には不動産ディベロッパーの経済事情も厳しくなり、ディベロッパーが新しいプロジェクトを開始するために資金を借りることができなくなることも懸念されています。現在は、建設業に携わる雇用人口も増えているため、建築物件数が減ると雇用率にも影響しかねないという見方もあり、今後のReserve Bank of Australiaの政策にも注目です。

ただし、物件によっては新築物件でも売れ行き順調な物件もあり、11月17日に販売開始となったクラウン・グループ(Crown Group)の新しいプロジェクトは、隈研吾氏も建築に携わり日本村飲食店を店舗として作る予定もあり注目を浴びています。また、メルボルンの物件もエリアや開発物件によってお薦めの物件があります。


スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環

NSW州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持

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