退職後の一番大きな問題

FPキョウコの
暮らしに役立つパーソナル・ファイナンス講座
オーストラリア生活に役立つお金の知識をファイナンシャル・プランナー(FP)吉住京子氏が解説。

第32回:退職後の一番大きな問題

スーパーアニュエーション・ファンド「VicSuper」の調査によると、75~79歳の約30%及び保守的な投資をしてきた人の50%は退職後の生活に十分な貯蓄が無いようです。また55歳以上のオーストラリアの退職者で財政的に準備ができている人はわずか8%に留まり、54%は準備ができていません。この問題の根本的な原因を特定して対処しない限り、次の世代になっても状況は改善しないでしょう。なぜ退職者は退職時にお金を使い果たしているのでしょうか。

長生きの国民

私たちは寿命を両親がどれだけ長生きしたのかを目安に考えがちですが、私たち世代の寿命は親時代に比べもっと伸びているのです。世界保健機関(WHO)によると、日本人もオーストラリア人もトップ5に入る長寿国ですが1950年代から退職年齢は65歳のままです。長寿になったことで退職してから平均20年間も余生があることになります。

アクティブなライフスタイル

医学の進歩や健康管理に関する情報収集がしやすくなったことにより身体的、社会的にアクティブなリタイアメント生活を楽しんでいる方が多くなっています。

大手銀行HSBCの報告によると、退職者の45%は、退職後に旅行や新しい趣味、家族や友人との時間を過ごすことを楽しみにしています。最新の調査では、退職者の62%が国内旅行の予算は有ると思っており、40%は海外旅行を計画しています。退職後の生活の質を維持、改善したいという思いが退職後の生活をますます支出の多いものにしているようです。

貯蓄をセーブせず使っている

退職後、所得は無いのに今までの生活水準を維持する、もしくは改善するとなるとよりお金が必要になります。このお金はどこから来るのでしょうか?

HSBCの調査によれば、退職者の半数は毎年スーパー・ファンドから最低額以上を引き出しており、将来の貯蓄が劇的に削減しています。オーストラリア人は同調査に参加した全17カ国で最大の貯蓄不足を抱えています。

何とかなるという楽観的な態度や念密な計画なくしては退職時にお金が不足する問題は続くでしょう。1月からAge pensionのルールが変わり資産テストをパスできずペンションをもらえなくなった方も多いと思います。どのように改善できるか一度プロと話し合ってみてはいかがでしょうか。


吉住京子
在豪日本人ファイナンシャル・プランナー。難しいお金のことを易しく解説。クライアントそれぞれの状況に合わせた賢い戦略の提供に定評がある。在豪日系コミュニティーのためのチャリティー活動や各メディアでの連載記事・セミナーなども行っている。

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