現在離婚に先立ち夫と協議しています。

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Q: 現在離婚に先立ち夫と協議しています。夫は会社員であるため自分のことには不安がないと思いますが、問題はこれまでずっと彼の扶養家族だった私と子どもたちです。この先の私たちの生活費は彼に保障してもらえるのでしょうか。

(45歳主婦=女性)

A: 離婚後、子どもがどちらの親と居住しているかに関係なく、子どもに対する親の扶養義務は18歳になるまで継続しますが、配偶者に対しては別で、離婚した妻(あるいは夫)に対する扶養義務はありません。しかし、一方に特殊な事情があるために自活能力に欠け、そして相手に経済的余力がある場合には、扶養的要素としての財産分与が認められることがあります。

これを主張するにはスパウス・メンテナンス(Spouse Maintenance)と呼ばれる申し立てを財産分与申し立ての一環として家庭裁判所、あるいは連邦治安判事裁判所(Federal Magistrates Court)で行います。もしもスパウス・メンテナンス以外に家族法に関する申し立てを行わない場合には後者の裁判所でのみ申請は受け付けられます。また、離婚して既に12カ月以上が経過している場合は、離婚後速やかに申し立てができなかった理由を述べた上で上述の裁判所に申請を提出するための許可を裁判所から得る必要があります。

申し立てを行うための資格としては、(1)子どもの世話をする必要があること、あるいは、(2)自身の疾病や老齢やその他のやむない事情で仕事を得ることができないこと、のいずれかの理由が存在する必要があります。

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例えば、子どもに病気や障害があるため仕事に就くことができない、または仕事に従事する時間が極端に制限される場合などは1つ目の事情に当てはまるでしょう。

2番目のものは家族法の主制定法(Family Law Act)第72条で規定されている、いわゆる「セクション72ファクター」と呼ばれるもので、疾病や老齢以外に、自活するためすぐに使えるスキルを持っていないことなども挙げられます。

また、結婚期間中、育児や家事のために家庭にいることを余儀なくされた、夫の頻繁な海外駐在に帯同する必要があったなどの理由で職に就くことから長く遠ざかってしまい結婚前に持っていた技術や職能を失ってしまったということなども有効な理由として認められるでしょう。

申立人はこうした申し立ての資格を満たしていることを明らかにするとともに、相手側が申し立ての金額の支払い能力を有しているということを立証しなければなりません。裁判所は申立人の受給している老齢年金や養育手当などの給付金については斟酌できないようになっていますが、両当事者とその他関係者のライフスタイルの妥当な維持については考慮することができるように規定されています。さらに、それら以外で申し立てに関連すると裁判所が認める状況や事情はすべて考慮され、申し立ての金額や期間の長さが妥当であるかどうかが図られることになります。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

 


 

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山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメン バーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している

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