【完全保存版】タックス・リターン特集2016(注意編)

タックス・リターン特集2015/16

オーストラリアの会計年度は7月1日から翌年の6月30日です。7月を迎え、会計年度が変わるとタックス・リターンの申告スタート。今回は2015/16年度のタックス・リターンに加えてスーパーアニュエーションの情報、国税局(ATO)の動向について解説していきます。 取材協力・文=甘利知子(登録税理士・公認会計士、甘利鳥居会計事務所)

「タックス・リターンの注意点」 ▶▶▶

国税局(ATO)の傾向

オーストラリアの政府は、さまざまな手続きをオンライン化することを積極的に進めています。ATOはこの変化を「時代に合わせて」と言っていますが、同時にオンライン化することによって税徴収がより多くできるというのがATOにとって一番のプラスでしょう。

ATOは07年頃からコンピューターによるダウンロードやアップロードを可能にし、データ収集を積極的にしてきました。ここ3~4年は、それを活用し、いろいろと細かい調査もするようになってきました。政府の機関は横にも繋がるようになり、ATOと移民局、センターリンクなどで情報のやり取りがされています。また、最近の政府の赤字削減の深刻化のためか、税金の取り立て方が、引き続きかなり厳しいものになってきています。所得税やGSTの申告などの遅れに対するペナルティーなど、以前に比べて容赦なく科されているようです。

ATOからの調査はその都度ターゲットが変わり、業界別だったり、控除別だったり、前年に比べて経費が極端に上がったためだったり、申告の内容とATOのデータに食い違いがあったりと、さまざまです。正しい申告をして、問い合わせには適切に対応することが大切です。

ATOの今年の監査ターゲット

次に挙げるものが、今年のターゲット・リストに入っています。申告の時は、気をつけましょう。

・ 仕事に関わる経費-普通より多い申告

・ 交通費-通勤費が関わっている申告(通常通勤費は経費ではありません)

・ 賃貸収入に関わる経費

・ Medicare保険料と、Medicare Surchargeが正しく申告されているかどうか

・ 自宅を売った場合、Main Residenceとしてキャピタルゲインが免除されますが、その扱いが正しくされているかどうか

ATOのデータ・マッチングによる調査

これらは、他の行政や私企業からのデータと照合できる情報です。

・ 給与と源泉徴収

・ 銀行-利息収入、海外送金

・ 政府の社会保険受給者のデータ

・ 不動産売買の記録-印紙税、賃貸の際のレンタル・ ボンドの記録

・ eBay-1万ドル以上の売り上げがあった場合

・ 高級品にかける保険金から、所得の調査

・ 移民局関係

その他にも、クレジット・カード会社や、Paypalなど、あらゆるところから情報を得ることができるようになっています。

ATOとのトラブルを避けるには

<その1>個人の場合

まず、申告時に計上できる経費は、証明の必要なもの、必要ないもの、また認められる経費もその人の状況で1人ひとり違ってきます。レシート類や各記録はできるだけ取っておきましょう。

その他気をつけたいのは、ATOに登録してある住所が変わった時は届け出て、通知を受け取ることができるようにすることです。通知が来たら無視せずに必ず内容を確認しましょう。ATOの通知を分類すると

・ 一般的なお知らせ(ビジネスの場合は業種別にInformationが来る場合があります)

・ 申告の結果通知(Notice of Assessmentなど)

・ アクションを求められるもの

この最後のアクションを求められるものが曲者です。なぜかというと、手紙をさらっと読んだだけではアクションを求められていることに気が付かない人がほとんどだからです。手紙はおおまかにこういう風に書かれています。

「あなたのxx年の申告で、xxxxという内容のものが入っていますが、これは認められないものかもしれません。もしこの事に意義があれば28日以内に連絡をしてください。そうでなければ、何もしなくて結構です。こちらで申告の結果を調整するかもしれません」

大抵の人はこの手紙を受け取っても、自分の申告は正しいので何もしなくていいな、と思ってしまうのです。これが、例えば、「あなたの申告が正しいと信じる場合は連絡してください」と書いてあれば分かりやすいのですが、この分かりにくい表現のため、誤解をしてそのまま放っておいた結果、申告がATOによって訂正され、追徴の知らせを受け取って初めてびっくりするケースが多いのです。

また、1~2年ぐらい前の申告について通知が来る場合が多いので、いつの申告分か確認しましょう。申告漏れが最も多いのは銀行利息です。最近は税務署のデータベースで個人の利息が確認できる場合が多いのですが、たまにデータベースに載っていない場合がありますので、注意が必要です。ただし、銀行利息の漏れについては今のところペナルティーは掛からないようです。

<その2>ビジネスの場合

ビジネスで気をつけたいのは、まず正しい記帳と記録の保管はもちろんのことですが、次のことにご注意ください。

ATOはビジネスの場合、Bench Markといって、業界別に売り上げと経費の妥当ガイドを持っており、それらのバランスが合っているかどうかを見ます。特に調査が入りやすいのは現金収入の多いビジネスです。枠から大きく外れる支出などがある場合は、説明がつくように記録を残しておきましょう。

各申告や支払は遅れないようにしましょう。タックス・リターンの他、GSTやPAYGの申告支払など遅れないように気を付けてください。キャッシュフローが厳しくて税金を払えない場合は、分割払いも受け付けてくれますので、早めにATOに連絡することが大切です。

ビジネスをクローズした場合、ABNやタックス・ファイル・ナンバーなどの登録をキャンセルしましょう。

昨年の7月1日からスーパーの納付方法の変更が導入され、今年7月1日からは全員が新システム対象となります。これは、各ファンドで同じ型式のフォームを使うことにより、ATOでデータ管理が簡単にできるようになるものです。スーパーの未払いはタックスの未払いと同じくらい重要に扱われます。もう、「知らなかった、払えなかった」では済まされません。スーパーは支払期日に遅れると経費として認められないばかりではなく、罰金や利息を取られます。

これからはスーパーのデータを発端に他の監査に広がる可能性が大きいです。まだスーパーを整えていない場合は、先延ばしにせずに早急に対処しましょう。自営業でもカンパニーの形態をとっている場合は、従業員である自分向けのスーパーを払わないと罰金の対象になってしまいますので、気を付けてください。

詐欺に引っかからないようにしましょう

ATOから来る連絡が分かりにくい一方で、ATOを装った詐欺のメールは簡単明瞭で多くの人が引っかかっています(実際の被害はそれほどでもないようですが)。まず、ATOから心当たりのない還付金の連絡が来たら、タックス・リターンを代行した登録税理士に相談しましょう。自分で申告した場合は、ATOに電話で連絡して確認しましょう。

また、ATOからメールやSMSで、お知らせが来ることがあります。しかし、ATOは個人情報を聞くことはしません。個人情報が漏れると、タックス・ファイル・ナンバーを使って他人が勝手にタックス・リターンをしてしまうケースがあります。個人情報の管理には十分お気をつけください。

海外からの収入の申告

オーストラリアの居住者は、全世界からの収入を申告しなければいけません。最近の傾向として、海外の収入申告漏れに対しての厳しいチェックが入っています。まず、海外送金ですが、一度に1万ドル以上の海外送金があった場合、銀行からATOに報告がいきます。そうすると、ATOより、「これは海外での収入ではないですか?」と問い合わせが来て(必ず来るとは限りません)、そのお金の出所を証明しなくてはいけません。また、ATOは国同士で情報交換をすることにより、送金がなくても外国に持っている資産のキャピタルゲインや、年金の受け取りなどの情報をつかめるようになっています。

*この記事は一般的な情報提供が目的であり、アドバイスとして利用されるためのものではありません。


「タックス・リターンの注意点」 ▶▶▶

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