【完全保存版】新会計年度がスタート 2017タックス・リターン特集①

新会計年度がスタート タックス・リターン特集

オーストラリアの会計年度は7月1日から翌年の6月30日です。7月を迎え、会計年度が変わるとタックス・リターンの申告がスタート。今回は2016/17年度のタックス・リターンに加えてワーキング・ホリデーのタックス、国税局(ATO)の動向について解説していきます。取材協力・文=甘利知子(登録税理士・公認会計士、甘利会計事務所)

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タックス・リターンとは

tax return

  1. ■目次

    1. タックス・リターンとは
    2. 実際にタックス・リターンの準備をしましょう
    3. 申告方法と申告期限
    4. タックス・リターンの申告をすると
    5. タックス・リターンのしくみ
    6. タックス・リターン計算
    7. ワーキング・ホリデーのタックス概要
    8. ワーホリのタックス・リターン計算
    9. ATOの今年のターゲット
    10. 次回のための節税アドバイス

check居住者で収入から(金額にかかわらず)源泉徴収されているものがあった
check インストールメントという税金の前払いをしていた
check年間の収入が1万8,200ドルを超えた(年金受給者の場合は別額)
check18歳未満で、416ドル以上の不労働収入があった(親が子ども名義で持っている投資)
check年度の途中でオーストラリアの居住者になった、または居住者でなくなった
check事業を行っている
check株、投資ファンドを持っている(大抵の場合)
check非居住者で1ドル以上の収入があった

 

実際にタックス・リターンの準備をしましょう

まず、タックス・リターンの準備に必要なものは主に以下の通りです。


  1. 還付金を受け取るための銀行口座の情報
    (BSBと口座番号、口座名義)

  2. PAYGペイメント・サマリー(Group Certificate)
    *1―働いた全ての雇用主から要取得

  3. 会計年度内に受け取った銀行の利息
    *2
    総額―1ドルから申告が必要

  4. 株の配当金の支払い証明書、投資ファンドの記録、
    不動産投資やビジネスの収入内訳など

  5. 永住者の場合、民間医療保険
    *3に入っていればそのステートメント

  6. 必要経費の証拠
    (レシートなど)

  7. (いる場合)
    配偶者の収入

  8. パスポートとビザの証明-メディケア
    *4
    保険料免除の場合

*1 PAYG ペイメント・サマリー>
PAYG ペイメント・サマリーとは、雇用されている場合の収入の証明です。会計年度のうち働いていた期間について、または1年分として雇用主から7月14日までに発行されます。年度中に働いていた全ての雇用主からこの書類を受け取ってください。引かれた税金がゼロでも、Gross(額面)の申告が必要です。また、この書類のデータは、雇用主からATOに届けられるので、もし書類を受け取ることが出来なくても、8月後半になるとATOのポータルからデータを調べることが出来る可能性があります。

*2 銀行利息>
銀行利息(1ドル以上)も収入です。銀行口座の開設時に出し入れする口座に加えて、利息の付く口座を開設しそこにお金を少しでも入れてあれば利息を受け取っていると思ってください。1年間の受取利息はネットで合計金額が見れますが、分からない場合は銀行に問い合わせてください。また、銀行にタックス・ファイル・ナンバーを届け出ていないと、1回の受取利息が10ドル以上の場合には、税金が源泉徴収(Withholding tax)されているかもしれません。その税金はタックス・リターンの時に払い戻してもらえますので、銀行の記録にTaxという文字があったら年間(7月~6月)で幾ら引かれていたかも調べましょう。銀行利息のデータはATOのポータルからも確認出来ますが、ポータルのデータは抜けていることもありますので、ご自身で確認してください。

*3 民間医療保険>
民間医療保険は、永住権の方のみ対象です。収入によって政府からのリベート額の調整が入る場合があります。年収が一定を超えている場合、この保険のホスピタル・カバーに入っていないとサーチャージが掛けられます。サーチャージの対象になるのは、収入が個人で9万ドル、カップルで18万ドルを超える場合です。

*4 メディケア保険>
メディケア保険とは国民健康保険です。課税収入の2%が保険料として計算されます。テンポラリー・ビザでメディケアの資格が無い場合は保険料を免除してもらうことが出来ます。このためには所得税申告前にメディケア・オフィスにメディケア保険料免除証明書を発行してもらう必要があります。2017年度のメディケア保険料計算は、課税所得が未婚者は2万1,655ドル、既婚者の場合は合計3万6,541ドルからですので、それ未満の課税所得の場合は保険料は掛かりません。

経費のリスト・アップ

経費は、一般的には、仕事をするに当たっての必要経費と、その他経費扱いを認められている出費です。業務によって、また個人によっても変わりますので、一概には言えませんが、以下がその例です。

● 仕事関係
・ 個人の車を通勤以外の業務に使った場合
・ 仕事で発生した交通費(通勤は不可)
・ ユニフォーム、安全靴(スーツ、一般のビジネス・ウェア、単なる色指定の服などは不可)
・ 仕事をしている上で必要になった教育費(仕事をする以前の教育費は不可)
・ 仕事関係の業界紙、参考文献
・ 個人の携帯を仕事に使う必要があった場合の使用料金
・ PCやタブレットなどの仕事上の使用料金
・ ユニオンの会費、登録費
・ 道具類、メンテナンス費
・ 屋外の業務に必要な日焼け止め、帽子、サングラス

● その他計上出来る出費
・ チャリティー(ATOから税金控除を認められている団体)への募金(2ドル以上、レシート要)
・ 学校設立基金(School Building Fund)の寄付
・ 年度中に支払った税理士費用(税理士に面会した際の交通費も可)

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申告方法と申告期限

申告方法

申告方法としては、以下の方法があります。


  1. 登録税理士(Tax Agent)に依頼

  2. myTaxで自分でオンライン申告

登録税理士に頼むと料金が発生しますが、正しいアドバイスを受けることにより還付金が多くなるだけでなく、時間の節約にもなります。また、その料金は翌年のタックス・リターンの際に経費として計上出来る上、税務署との間にワン・クッション置くことによって、後日税務署とやり取りが必要になった場合に安心です。

「myTax」という政府のオンライン・システムは、多くの人に使われるようになってきました。タックス・リターンの必要の無い場合のNon Lodgement Adviceも、myTaxから届けることが出来ます。myTaxからの申告は、税務署から直接連絡が来ても対処の出来る人には良いでしょう。

所得税申告期限

自分で申告する場合は10月31日まで。登録税理士から申告する場合は大抵翌年の5月15日まで延長になりますが、過去の申告が滞っていると延長出来ません。

申告期限を過ぎてしまったら?

申告の義務のある期間内に申告出来ていないものは、もう出せないのではなく、一刻も早く出す必要があります。こうした場合は自分で出さずに登録税理士に依頼しましょう。知らないうちに罰金が科せられていることもありますのでご注意を。「過去1度も申告をしていないので、10年分お願いします」という依頼を受けることもあります。遅くても出すことが大切です。

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タックス・リターンの申告をすると

通常2週間ほどでNotice of Assessmentという結果通知が郵送されます。2週間という期間はあくまでも目安で、早い時もあれば、遅めの時もあります。ATOは4週間以内を通常期間と見なしています。還付金のある人には銀行に振り込みがあります。また、納税が必要な人にはNotice of Assessmentに加え請求書が送付されます。

登録税理士を通して申告をした場合、税理士事務所が郵便を受理する場合と、直接自分宛てに送られる場合がありますが、税理士が受理する場合は必ずNotice of Assessmentのコピーをもらうようにしてください。Notice of Assessmentは本人証明の書類として使える大切なものです。あるいは、申告時の住所から引っ越してしまって受け取れないことがないように気を付けましょう。タックス・ファイル・ナンバーを悪用する詐欺もありますので注意が必要です。申告が終わって入金がされた後も、PAYGペイメント・サマリーなど申告時に必要だった書類や、Notice of Assessmentは大切に保管しましょう。基本的には5年の保管となります。

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タックス・リターンのしくみ

リターンという言葉は「戻る」という意味として捉えられがちですが、これは戻るという意味ではなく、「申告をする」という意味です。では、税金の計算はどうするのでしょうか。まず、会計年度中の課税対象となる収入(一部の例外もありますが雇用収入や、個人・パートナーシップ事業収入、銀行口座に付いた利子、株の配当、投資収入、その他の収入など)を全て合計します(総収入)。そこから計上出来る経費を引いたものが課税所得になります。

総収入- 経費= 課税所得(Taxable Income)

課税所得から割り出した税額が、既に源泉徴収などで納めてある税金の額より少なければ差額を戻してもらうことになります。一方、既に払っている金額よりも割り出した税額が高くなると、請求書が来て足りない分を納税することになります。

課税所得から割り出した税金 源泉徴収された税金 差額戻り(Refund)
課税所得から割り出した税金 源泉徴収された税金 差額支払い

居住者か非居住者か

税務上の居住者、非居住者というのがあります。通常はオーストラリアの市民、永住者、6カ月以上のビジネス・ビザ及び学生ビザは居住者、それ以外は非居住者ですが、必ずしもそうではありません。例えばオーストラリア国外に数年の契約の予定で働きに行っても、オーストラリアに家があり、家族もいる場合、居住者となることもありますし、オーストラリアに1年以上いても家が海外にある場合は非居住者となることもあります。

居住者は、永住者と一時的居住者に分けられ、永住者はオーストラリアのみならず、全世界の収入を申告する必要があります。一時居住者はオーストラリアで発生している収入及び就業収入の申告、非居住者はオーストラリアの収入のみの申告になります。

● 居住者
① 永住者⇒全世界の収入を申告
② 一時的居住者⇒オーストラリアの収入及び就業収入の申告
● 非居住者⇒オーストラリアの収入のみの申告

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タックス・リターン計算

居住者のタックス計算(12カ月居住者の場合)

課税所得 税率 税計算
$1~$18,200 0% $0(無税枠)
$18,201~$37,000 19% (A-$18,200)×0.19
$37,001~$87,000 32.50% (A-$37,000)×0.325+$3,572
$87,001~$180,000 37% (A-$87,000)×0.37+$19,822
$180,001~ 47% (A-$180,000)×0.47+$54,232

※上記には低所得者控除やメディケア Levyは入っていません

低所得者控除を計算に入れると、会計年度中12カ月居住者の場合、1万8,200ドルより下限が上がって2万542ドルまでは税金はゼロになります(今ここで12カ月と言ったのは、年度途中で居住者扱いが変わっている場合は0%枠の1万8,200ドルが調整されるためです)。

さて、自分はタックスが戻ってくるのだろうかということですが、この計算でご自分の税金を割り出します。また、メディケアの資格のある人は2%のLevyを加えて計算してください。

タックス・レートはスライド式になっていますので、タックス・レートが一段上がっても急に税金が多くなることはありません。

計算例1

以下に、永住者で3万ドルと9万ドルの課税所得の場合の計算をしてみました。

● 3万ドルの課税収入の場合
($30,000-$18,200)×0.19=$2,242+$600(メディケア2%)=$2,842
(実際は低所得者控除が入りますので、若干少なくなります)

● 9万ドルの課税収入の場合
($90,000-$87,000)×0.37+$19,822=$20,932+$1,800(メディケア2%)=$22,732

また、上記の計算をしてくれる以下のウェブサイトもあるのでご活用ください。(ただし、居住者のタックス計算に限りますので、非居住者のタックス計算は右記の項目をご覧ください。)

Web: www.moneysmart.gov.au/tools-and-resources/calculators-and-apps/income-tax-calculator

非居住者のタックス計算

課税所得(A) 税率 税計算
$1~$87,000 32.5% (A)×0.325
$87,001~$180,000 37% (A-$87,000)×0.37+$28,275
$180,001~ 47% (A-$180,000)×0.47+$62,685

計算例2

居住者の計算例で計算した金額を、非居住者の場合に当てはめて計算してみます。

● 3万ドルの課税収入の場合$30,000×0.325=$9,750
● 9万ドルの課税収入の場合($90,000-$87,000)×0.37+$28,275=$29,385

計算例1、2の結果を比較してみると、3万ドルの課税所得の場合は非居住者の税金は9,750ドル、居住者は2,842ドルです。また、9万ドルで計算すると非居住者の税金は2万9,385ドル、居住者は2万2,732ドルとなります。

低い所得の場合は、収入に対する割合としての違いが大きくなりますので、差は大きく感じられます(低所得控除は計算外)。ここで割り出した税金+メディケアlevyの合計と、既に源泉徴収などで納めてある額を比べてみましょう。源泉徴収額が合計より多ければ差額が戻ってくることになり、少なければその分を支払うことになります。

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ワーキング・ホリデーのタックス概要

昨年度は、世間はこの話題で大揺れになりました。今回はペイメント・サマリーの発行時に雇用主も気を付けなければいけない点がありますので、ご注意ください。

ワーキング・ホリデー(ワーホリ)のタックス導入に当たっては、導入案が二転三転したため、いろいろな情報が飛び交いました。経緯を整理すると、まず、2年前の2015年の国会予算案の中で、16年7月1日よりワーホリ・ビザ保持者は、非居住者として扱う案が発表されました。

そして、16年5月の予算発表後には、予定していた7月1日導入を6カ月延期と発表。同年の9月にワーキング・ホリデーは居住者、非居住者という扱いはしないとし、3万7,000ドルまでの収入は19%の税率適用と発表されました。それでも審議はまとまらず、その後12月にようやくワーホリの3万7,000ドルまでの収入税率は15%と決まりました。ようやく17年1月1日より、居住者とも非居住者とも違うワーホリ税(バック・パッカー税)の導入に至ったのです。

雇用主側の手続き変更

雇用主はワーキング・ホリデーを雇っている場合、ATOにその旨を届けます。そして、15%の源泉徴収をします。ATOに届けを出していない場合は、32.5%の源泉徴収をします。

17年度のPAYGペイメント・サマリーは12月31日までの分と、1月1日以降の分を分けて発行する必要があります。よって、この期間をまたがって勤務している従業員に対してはPAYGペイメント・サマリーを2枚発行することになります。

ワーホリは居住者か、非居住者か

今年度は17年1月1日を境に扱いが変わるために計算式も複雑になります。1月1日以降は右記の計算式を使いますが、12月31日までは居住者として扱う場合と、非居住者として扱う場合があります。

ワーホリが居住者と認められる要件
① オーストラリアに入国してから少なくとも6カ月は住人として暮らしていたかどうか。また、同じ住所に住んで地元につながりのある住み方をしていた、同じ職についていた、家族がオーストラリアにいる、財産をオーストラリアに持ってきているなど。
② 会計年度中に183日以上オーストラリアに住んでおり、外国に居を持たず、オーストラリアの住人になる意思がある。

しかし、この基準もかなり厳しいものがあります。最近の判例では、3人のバック・パッカーが、それぞれ186日、205日、287日の滞在にもかかわらず、国外に帰る場所(親の家)があり、オーストラリアの住人になる意思が無いということで、ビジターである、つまり非居住者と判断されたケースがありました。これらの前例があるために、容易に居住者と判断するにはリスクを伴います。

税務会計の協会も、ワーホリは、ほとんどが非居住者になるはずという見解を示しています。

前年度に申告したタックス・リターンの際に居住者と認められた場合は、恐らくそのまま居住者で通るのではないかと思いますが、それも確実とは言えません。

2016/17年度が初めてのタックス・リターンの場合、居住者と認められるチャンスは少なくなることが予想されます。

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ワーホリのタックス・リターン計算

ワーホリのタックス・レート(2017年1月1日以降の場合)

課税所得 税率 税計算
$1~$37,000 15% (A)×0.15
$37,001~$87,000 32.5% (A-$37,000)×0.325+$5,550
$87,001~$180,000 37% (A-$87,000)×0.37+$21,800
$180,001~ 47% (A-$180,000)×0.47+$56,210

ワーホリのタックス計算

ワーホリ税の計算の仕方は、今年度の場合、前半の居住者扱いによって変わります。例えば前半非居住者扱いの場合は、その通りに前半を非居住者レートで計算して、後半をワーホリ・レートで計算して、合計したものから源泉徴収の合計を引けば支払いまたは戻りの計算が出来ます。例を挙げて説明しましょう。

Aさんには、7月1日から12月31日まで1万ドルの収入(居住、または非居住者レート)と、1月1日から6月30日までの1万5,000ドルの収入がありました(ワーホリ・レート)。1年の合計収入は2万5,000ドルで経費は無しとすると、課税収入は2万5,000ドルとなります。

<ケース1>12月31日まで居住者扱い、1月1日からワーホリ・レートの場合
a)$18,200(年間の無税枠)-$15,000(後半の収入)=$3,200(残りの無税枠)
$10,000(前半の収入)-$3,200(残りの無税枠)=$6,800(実質の課税を要する収入)
$6,800×19%=$1,292
b)$15,000(後半の収入)×15%=$2,250

従って、$1,292+$2,250=$3,542が税金となります。

後は、実際の源泉徴収から差額を出すことで、ワーキング・ホリデーから年の途中でビジネス・ビザになった場合も考え方は同じです。

<ケース2>12月31日まで非居住者扱い、1月1日からワーホリ・レートの場合
a)$10,000×32.5%=$3,250
b)$15,000×15%=$2,250の税金です

従って、$3,250+$2,250=$5,500が税金となります。

ケース1とケース2を丸1年非居住者扱いにした場合と丸1年居住者扱いにした場合と比べると、以下のようになります。

従来から新方式への税額の増減例

【従来】 【新方式】
居住者 $1,292 $3,542
非居住者 $8,125 $5,500

この結果をラッキーと考えるか、アンラッキーと考えるか、これはそれぞれの立場によると思います。しかし、ワーホリは、入国してタックス・ファイル・ナンバーを取る際に非居住者となっています。それが10年ほど前から税務上の居住者と認められやすくなってきたのです。税務上の居住かどうかの判断はあまりにグレーであったため、ここではっきりとしたとも言えるでしょう。

タックス・リターンをした結果、支払いになると悔しいと思うのは皆同じですが、本当に見るべきなのは、戻る・払うではなく、最終的に幾ら税金を納めたか、つまり手元に幾ら入ったのかです。

例えばタックス・リターンでの戻りをもらいたいがために、税金を多めに引いてもらい納税しておけばその分戻って来るわけですが、それを手取りとして早くもらっておけばオーストラリア滞在中にその分楽しめます。またオーストラリアのように毎年物価が上がっている場合、1年前に3.5ドルで買えたコーヒーが、今は3.8ドルとなっている可能性が大きいです。つまり1ドルの価値は時間が経つと下がってくるのです。そう考えると、税金は先に払うより後で支払う方が、得と言えます。

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ATOの今年のターゲット

日々、テクノロジーが発達し便利になる一方、情報が筒抜けになってきています。ATOも移民局やセンターリンクだけではなく、銀行や、PayPal、クレジット・カード、eBay、更には海外の行政などから情報を入手して申告漏れがないかどうか、目を光らせています。年金などの海外収入の申告などは続けて注意の必要なところです。また、UberとAirBNBは業界としてターゲット・リストに挙がっています。今年の注意点としては以下を挙げましたが、これに限られたわけではありません。

仕事の必要経費

前年から仕事の経費の監査が多く入っています。要するに、今年もこれが続くということです。

まず、経費の過剰申告がターゲットになっています。ATOは職業別にどういった経費が幾らくらいあるかのデータを収集しており、計上金額がその枠から大きく出ると、監査につながるようになっています。また、収入に対して経費の割合が大きすぎても対象となります。以下は間違った申告が多いので、注意が必要です。

● 車の経費

個人の車を通勤を除いた業務に使う場合、経費として計上出来ますが、その方法は2つあります。

・Cents per Kilo―これは業務として何キロ走行したかを表すもので、「1キロ×66セント」で計算します。これは5,000キロまで計算が許されており、3,300ドルが上限となります。条件は、実際に運転した事実があること、計算のキロ数の根拠が示せることです。

・Log book―ログ・ブックの目的は、業務使用と私用の割合を出すことです。12週間続けて車の使用目的とオド・メーターを記録し、業務と私用の割合を出します。そして、車関係の全てのレシートを保管し、ガソリン代、保険代、レジストレーション、洗車代、車の減価償却などを合計し、業務の割合で計算して申告します。ログ・ブックは割合が大きく変わらなければ5年間有効です。個人の車は100%業務に使っている場合でもログ・ブックが必要になります。

● 車以外の交通費

タクシー、電車、バス、飛行機など、自家用車以外の経費です。バスや電車などレシートが出ない場合は、ダイアリーに記帳していただければ結構です。
しかし、通勤に要する交通費は認められません。一方で常に仕事場が変わる場合や、仕事場から仕事場の移動の際の交通費は認められます。仕事場が2つ以上あっても、曜日によって行くところが決められているなど、1日1カ所の場合は通勤とみなされます。

● 出張費(1泊以上)

出張費は通常雇用主が負担しますが、食事代など自費として掛かったものは、レシートがあれば計上出来ます。また、雇用主がTravel Allowanceとして現金支給してくれる場合もあります。Travel Allowanceをもらった場合は、それをまず収入として計上したうえで、ATOの都市別の推定出費レートを使い、レシート無しでも費用を計上することが出来ます。しかし、その場合でも費用が発生していることが前提となります。
日本への一時帰国で仕事をした場合も、目的によって違ってきます。里帰りのついでに仕事をした場合、現地で発生した交通費などは計上出来ますが、行き帰りの旅費は計上出来ません。両方が目的の場合、出費を割合で計算することは出来ますが、目的が両方だったという根拠が必要になります。

監査が入った場合

監査対象のものについての証拠の提示と説明を求められます。証拠が無い場合は却下、説明もそれが収入につながる費用ではなく、私用とみなされた場合は却下されます。

ですから、記録を取っておくことが大切です。レシートなどは、コピーしてデータ保管で構いません。その他、ログ・ブックやトラベル・ダイアリーなども正しく付けましょう。

雇用収入の場合、雇用主が従業員の経費が発生していることを認めていることが大切です。監査が入ると、ATOは雇用主に問い合わせて確認をします。雇用主には、特に証拠は求められませんが、事実の有無と、計上している数が妥当かどうかを確認されることがあります。

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次回のための節税アドバイス

節税について、以下に例を挙げますが、その方の状況によって違います。普段から税理士とつながりを持っておくと、より良い結果を生むことになるでしょう。

<銀行利息>

銀行利息の申告は名義が基になるため、単独名義なら本人の、共同名義が2人なら50%ずつの申告となります。オーストラリアでは夫婦間でお金を移動しても問題にはならないので、利息は収入の少ない方の名義の口座に付くようにすれば、節税になる場合があります。

<ボーナスなど一時金の受け取りのタイミング>

こちらは、雇用主との調整がつく場合に限りますが、税金の申告は年度ごとにするので、年度内にもらうか翌年度にもらうかで差が出る場合があります。以前に、引退時期を少しずらすことによって、何万ドルも節税出来たケースがありました。事前にご相談を受けていたので、的確なアドバイスが出来ましたが、事後報告だったらどうしようもなかったところです。

<配偶者のスーパーへ払い込み>

配偶者が低所得の場合、配偶者のスーパーアニュエーション(スーパー)に入金することによって税金控除がもらえます。これは、17年6月30日までは、配偶者の収入が1万3,800ドル以下に限られていたのが、同年7月1日からは、対象が、年収3万7,000ドルから4万ドル以下へと変わり、より多くの人が対象になりました。配偶者の収入が3万7,000ドル以下の場合、3,000ドル入れると、540ドルの税金控除がもらえます。3万7,000ドルから4万ドルの間は540ドルより少ない控除となり、4万ドルを超えると控除の対象から外れます。

<自分のスーパーへ払い込み>

今までは、雇用収入の人がスーパーに追加で払い込みたい場合、サラリー・サクリファイスによる方法しかありませんでしたが、17年7月1日からは、雇用収入の人でも減税対象になる払い込みが出来るようになりました。これによって課税収入を減らすことが出来ますので、結果、節税が出来ることになります。払い込みをして節税につながるのは、雇用主からの9.5%の振り込みも含めた上で、上限が2万5,000ドルとなっています。
※スーパーは、投資ファンドと同じくリスクを伴いますので、十分な理解の上、専門家にご相談して決めるようにしてください。

※この記事はあくまでも一般的な情報提供が目的であり、アドバイスとして利用されるためのものではありません。

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