【税とビジネス】ATO(豪州国税局)は知っている


ATO(豪州国税局)は知っている

2016会計年度タックス・リターン(確定申告)の申告が7月1日より始まりました。ATOの最近のデータ・マッチング・プログラムをご紹介いたします。我々の雇用収入、銀行利息、株の配当、売却、センターリンク収入などのデータは既に数年前よりATOに握られています。オーストラリアではタックス・ファイル・ナンバーにより我々の収入が一元管理されているからです。これに加え最近ATOは、アグレッシブにいろいろな場所からデータを集め、それを税務順守に利用しています。

センターリンクといった政府機関の横のつながりはもちろん、我々の銀行口座、最近は手を広げeBay、PayPal、保険会社、State Revenue Office、Rental Bond Authoritiesなどの不動産登録、州の交通局などあらゆる所からデータを仕入れ、使っています。

不動産では最近、ATOの発表で1,100万人分にも上る不動産データを調べることになると見積もられています。また、嗜好資産(例えばボート、競走馬、絵画、自家用ジェットなど)の所有者のデータを調べたり、移民局からもビザや配偶者の詳細などを入手しています。

また、毎年のタックス・リターンで収入が高くないのに家や賃貸物件を買うとどうなるでしょうか。例えば、新築住宅を購入するに当たり、ローン無しで購入したり、頭金を支払ったとなると、普通に考えれば「そのお金はどこから来たのか?」ということになります。ローンの支払いもどこからそのお金を支払えるのか、賃貸収入をきちんと申告しているかも調査の対象です。車やボートも同様です。

ATOは銀行口座も見ることができます。例えば、給料でもビジネスの売り上げでもないものが、多額または頻繁に入金されていたとしたら、「そのお金は何のための入金なのか」ということになります。

保険も同様です。保険というのは何かしらの資産に掛けることが多いものです。例えば自動車保険、住宅保険は保険を掛ける必要のある何かしらの資産を所有しているということになります。これらを紐づけていくことで、つじつまが合わないということが発覚するのです。

これらにより、現金で給料をもらいタックス・リターンで申告していない、ビジネスの売り上げを過少申告している、海外に収入源があるのではないか、などのいわゆる「脱税の疑い」がかけられます。

さて、ATOから手に入れた情報では、ATOは14の保険会社から情報を入手するということです。ここでは割愛しますが、逆を言えばこの14の保険会社以外の会社を使えば監査のリスクは減ることになります。

まずは、自分の銀行への入出金を説明できるようにしておくことが大切です。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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