【税とビジネス】信じられない!? 日本の資産売却・譲渡にかかる税金


信じられない!? 日本の資産売却・譲渡にかかる税金

日本に株・不動産などの資産をお持ちのままオーストラリアに移住する方や、オーストラリアで生活中に日本の株・不動産などを相続される方もいらっしゃると思います。その場合、日本の株や不動産を売却しオーストラリアから完全出国した際に「キャピタル・ゲイン」という税務申告が必要となります。

まずおさらいですが、税法上のオーストラリア居住者は世界中で得た収入をオーストラリアのタックス・リターンで申告しなくてはなりません。例えば、日本に短期滞在中の仕事、日本でのビジネス、日本の会社からの給料、日本からの株式配当、利息、年金、賃貸収入、日本の株・不動産の資産売却など。ただし、この中には永住権保持者でない場合(ビジネス・ビザ、学生ビザ、リタイアメント・ビザの方)は税金の対象にならないものも多くあります。また、日豪租税条約、二重課税回避により、日本で払った税金分、オーストラリアの税金から減額されます。

上記のうち「日本の不動産・株などの資産売却」が今回のテーマです。オーストラリア滞在中に日本の株や不動産を買った場合は、当然オーストラリアの株や不動産を購入した場合と同じルールが適用されます。買った場合のみならず、相続した場合も同様です。ちなみに、オーストラリアには相続税はありません。

知られていないのはここからで、ルールでは税法上のオーストラリア居住者となった時点で所有しているオーストラリア国外の資産は「居住者となった日付」で取得したことになり、その売却時はキャピタル・ゲイン申告の対象となるのです。そしてもっと信じられないのが、税法上のオーストラリア居住者が日本への完全帰国などの際に居住者でなくなった場合は売却したものとみなされ、キャピタル・ゲイン申告の対象になることです。例えば、オーストラリアで生活し日本の不動産を所有している→その不動産を売却→オーストラリアのタックス・リターンで申告義務あり、というケース。また、オーストラリアで生活している→日本のご両親などから相続→その資産を売却→タックス・リターンで申告義務あり、というケースです。この場合は日本でも税金を払う可能性があり、その税金分だけオーストラリアの税金が減ります。

恐ろしいシナリオとしては、オーストラリアで生活し日本の不動産を所有している→オーストラリアを完全出国し日本へ帰国→売ってもいないのにキャピタル・ゲイン申告義務発生、という場合。オーストラリア在住の永住権保持者のほぼ100%は税法上の居住者ですので、このルールに該当します。複雑なオーストラリアの税法上の居住区分も大きく関係してくるこの分野、例外もありますので詳しくはこの分野に詳しい税務会計士にお問い合わせください。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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