【税とビジネス】オーストラリアでビジネス~起業塾~(その5)


オーストラリアでビジネス~起業塾~(その5)

ビジネスのお金を調達する(後編)

先月はビジネスを始める際の資金調達方法の1つ、「借入」がテーマでしたが、今回は「出資」です。出資とは出資者にお金を出してもらうことを指し、出資者はビジネスの所有権を得ます。お金を出してビジネスの所有権(オーナーになる権利)をもらうだけですので、決まった返済もなければ、お金を返してもらう権利もありません。

出資を受けた人は、最初の数年のビジネスが軌道に乗る間は配当せず、余裕が出来た際に出資者に配当することが可能です。

出資者のメリットは、この配当とビジネスの所有権です。ビジネスが儲かればその一部を配当として享受することが出来、ビジネスが大きく利益を上げれば出資額を大幅に上回る配当を手にする可能性があります。また、もしビジネスが不調なら、お金を出しているのに見返りがないと怒ることができます。オーナーなので経営に口出しが出来るのです。日本の株主総会でヤジが飛ぶ様子をニュースでご覧になった方もいるでしょう。

野球の好きな方は、読売ジャイアンツをご想像ください。オーナーはあの有名な読売新聞社社長で球団オーナー、株式会社読売ジャイアンツ取締役最高顧問の渡邉恒雄氏、通称ナベツネと呼ばれる人です。この人がよくメディアに登場し、チームに関して話しているのを見ます。つまり渡邉氏は球団オーナー、会社で言う株主です。オーナーに選ばれてチームを指揮するのが監督、つまり会社でいう社長です。そして監督の下、全力になってチームの勝利に邁進していくのが選手、つまり社員です。球団オーナーの渡邉氏が最も権限を持っており、監督(社長)の解任も可能で、これは競馬の馬主、騎手、調教師も同じ関係です。

出資者側のデメリットとしては、ビジネスが儲からなかった時に見返りがないため、出資したお金がパーになる可能性があることです。出資する側としては儲かるか分からないビジネスにお金を払うので、出資前に吟味する必要が出てきます。そのためにビジネス・プランの提示や、熱心なプレゼンなどで出資者にアピールする必要があります。これを行っていた「マネーの虎」というテレビ番組を記憶している方もいることでしょう。

また、出資が借入と異なるのは、出資してもらう人には返済義務がないことですが、デメリットとしてはビジネスが儲かっても出資者が株主となっている間は永遠に出資者と縁を切れず、利益の一部を持っていかれることです。

なお、借入の際に支払う利息は税金上、経費計上が可能ですが、配当は経費ではないので納税額には影響しません。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る