シドニーの学者チームが運動ニューロン疾患治療で前進

10月23日にはシドニー・タワーで研究募金イベント

 シドニーのマコーリー大学の研究チームがゼブラフィッシュを使って運動ニューロン疾患(MND)の病状進行を抑える研究を進めており、世界初の臨床治験が始まることが伝えられている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 運動ニューロン疾患は、運動神経だけが影響を受けるタイプの疾患の総称で、代表的なものが筋萎縮性側索硬化症(ALS)と呼ばれる病気であり、その原因などはまだよくつかめておらず、治療法もない。

 一つの治験では散発性MNDにHIV AIDSの治療薬Triumeqを用いている。この散発性MNDはMND患者の90%を占めており、年齢を問わず誰でも突然発症する可能性がある。

 ABC放送のインタビューに答えて、ドミニク・ロウ教授は、「これは、複合活性レトロウイルス治療薬のTriumeqが運動ニューロン疾患治療に用いられた初めてのケースだと思う。この治験から何かの成果が得られることを期待している。次の治験には、Copper-ATSMを用いることになっており、この治療法が認可されたのも私達が世界で初めてだ」と語っている。

 マコーリー大学のこの研究には60人の研究者がいくつかのチームに分かれてMND研究にのみ関わっており、あるチームの場合には、たくさんのゼブラフィッシュを使って、この神経変性疾患の仕組みを調べている。

 この研究は同大学の研究室やクリニックで行われており、資金はNSW州消防局員のチャリティ・イベントを含めて一般社会の様々なチャリティや寄付でまかなわれている。10月23日には消防局員がフル装備姿でシドニー・タワー・アイ頂上までの98階分、1,504段を駆け上り、MND研究募金を行う。2015年の第一回シドニー・タワー・アイには160人が参加し、$184,000の募金が集まったが、2016年はすでに450人の参加と$235,000の募金が確定している。このイベントには国内他州だけでなく、ニュージーランドやチリからも消防士が参加する。

 このイベントを発案したのは、シドニーの消防士、マシュー・プリダムさんで、3年前に友人のアダム・リーガルさんがMNDと診断されたことがきっかけで、MNDの治療のために献身している人々を支援し、病状の進行を少しでも遅らせることができるようになることを願って提案した。

 ロウ教授は、「過去30年の間にMNDによる死者は250%増加している。1986年には500人に1人がMNDで亡くなっていたが、いまは200人に1人だ」と警告している。(Ratei)
■ソース
World-first trials by Sydney scientists aim to slow motor neurone disease

http://www.abc.net.au/news/2016-10-09/world-first-drug-trials-for-motor-neurone-disease-in-sydney/7916494

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