オーストラリアからスリランカに輸出の生体牛大量死

栄養失調も伝えられ、スリランカの農家はショック

 4月4日付ABC放送(電子版)は、スリランカに輸出された乳牛生体の死亡や栄養失調が続出しており、購入した農家は経済的破綻に追い込まれていることを伝えている。

 この生体牛輸出は連邦政府がスリランカと貿易契約を交わし、オーストラリアとニュージーランドから輸出された乳牛で、スリランカ到着後にすでに500頭が死亡している。

 この契約は連邦政府が1億ドルをスリランカに融資して取り交わした契約で、スリランカの会計検査院長は、送られてきた乳牛はスリランカの気象条件や疾病に適しておらず、スリランカでは肥育できないものであり、この貿易契約は中止すべきだとしている。また、農家や動物権利グループも今回の乳牛生体輸出計画そのものが不備であり、しかも非人道的なものだったとして契約の廃止を求めている。

 もともと、この乳牛生体輸出計画はスリランカ国内の牛乳生産供給を増やし、高価な輸入粉末乳依存を軽減することが目的だった。しかし、ABC放送のインタビューに対してスリランカの農家は、「この計画では高生産性の妊娠乳牛が約束されていたが現実には不当な高値で不健康な不妊牛が送られてきた。5,000頭の乳牛のうち10%が既に死んでいる」と怒りを語っている。

 スリランカの酪農農家やCeylon Cattle Farmers Federationがこの貿易計画を問題視しているのに対して、生体牛をスリランカに輸出し、乳牛農場の開発を支援する契約を請け負ったWA州の生体牛輸出業者、Welland社では、「死亡率は9%近いが計画全体としては成功だ。契約に加わった68農家のうちのごく一握りが家畜管理のアドバイスを無視したため、問題が起きている」と反論している。

 連邦野党労働党のジョエル・フィツギボン影の農相は、「5月選挙で労働党が政権に就けば、オーストラリアから生体輸出される家畜の福利を評価する監督官庁の権限を見直す」と語っている。
■ソース
Australian cattle exported to Sri Lanka dying and malnourished, local farmers left suicidal

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