豪郵便900人解雇でCEOに500万

保守連合下のアメリカ型経営に警戒感

 オーストラリアはもともと日本と比べて企業内の最上位と最下位の賃金・報酬の差が大きく、その差がますます開きつつあると言われている。特に保守連合の自由党は極端な自由経済イデオロギーの政党であり、その政権下で企業組織底辺の労働者がどんどん解雇される一方で役員の報酬がどんどん引き上げられるというアメリカ型経営にますます近づいていくのではないかという警戒感がある。

 オーストラリア・ポストが、郵便事業の赤字が宅配事業の黒字に食い込んでいるとして、郵便料金値上げ申請も認可を受け、6月10日には900人の解雇を公式発表したが、一方で2013年にはアハメド・ファフールCEOが480万ドルという巨額のサラリーを受け取っていたことが報道され、非難の声が高まっている。オーストラリア電電公社の後身テルストラ社が企業立て直しと称してアメリカからソル・トルヒーヨ氏とその仲間をトップに置いたが、彼らも百万単位の報酬を受けながらテルストラの株価は低迷したままで、最後には任期切れを前に巨額の「手切れ金」を受け取ってアメリカに帰っていった。

 ファフール氏は元NABおよびシティグループのCEOを務めた過去があり、100%政府所有企業オーストラリア・ポストのCEO兼専務取締役に就いている。同氏のサラリーに比べると、報酬格差の大きいアメリカで19倍の職員と11倍の収入を誇るUS郵便でさえ、トップの報酬は55万ドルに過ぎなかった。一方、26万8,000人を擁するフランス郵便のトップは年額106万ドルだった。また、国内で最高額報酬公務員はイアン・ワット首相内閣府官房長官の年額80万ドルとなっている。また、トニー・アボット首相は年額50万ドル強となっている。

 ファフール氏は、「通常の郵便事業が破綻に貧しており、大規模な改革が喫緊に必要とされている」と語っているが、オーストラリア・ポストの委託契約で末端の郵便事業を行っている「Licensed Post Office Proprietor」では、「ファフール氏のオーストラリア・ポストのトップを務める資格は疑わしい。そもそも銀行家を郵便事業トップに据えるのが間違いではないか。郵便事業か小売事業に詳しい人物を置くべきだった。トップが巨額のサラリーを受け取っているのだから、事業がそんなに悪いはずがない」と語っている。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る