乾燥地域でヤギが害獣から益獣に

農家、海外のヤギ肉需要に期待

 ヤギは若芽を食い荒らすというので野生化したものは「害獣」として駆除の対象になるが、乾燥地域の農家では、ヤギが荒れ地に強いことと、馬肉と同じく、オーストラリア国内では需要がなくとも海外には需要があることから、羊や牛の飼育には適さない土地でヤギの飼育に期待をかけている。また、世界中にヤギ乳のヨーグルトやチーズを利用する文化も多い。

 ABC1テレビ放送の農村地域向けの「ランドライン」番組は、新しいヤギ飼育の取り組みを紹介している。この番組では日本向けの新しい作物のニュースなどもしばしば取り上げられている。

 NSW州西部ウイルカニアの南にあるフェアマウント牧場では、「ヤギが害獣から資源に変わった。脂肪分が少なく、環境にもやさしいタンパク源だ」と語っている。この牧場では、他の牧場からヤギを買い、市場に出せるようになるまで育てた上でQLD州西部やVIC州北部にある屠殺場に出荷する。

 国内奥地には200万頭以上のヤギが野生化しているといわれており、もとは馬車で移動する開拓者が肉や乳を得るために連れていたが、ラクダと同じように荒れ地に強い特徴からオーストラリアの乾燥した内陸部で繁殖していった。

 同牧場では、「ヤギは若芽だけでなくほとんど何でも食べる。しかし、正しく管理すれば苛酷な条件でも生き延びることができる動物だ。羊のように毛刈りや投薬といった手間のかかる世話も必要がない」と語っている。しかも、羊や牛を飼育することができなくなった旱魃地の牧場でも野生のヤギは生き延びることができた。そのため、ヤギを飼育する牧場が増えてきていると報道されている。

 ヤギの市場としては、これまで北米の中南米系住民の安い代替肉だったが、アジアや中東にかけての地域でもオーストラリア産ヤギ肉需要が増えており、特にヤギ肉を忌避する宗教戒律がないことが利点になっている。飼育農家は、「3年前から中国とインドにも輸出し始めた。30トンから始めて3年目には3,000トンに増えた」としている。(NP)

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