シドニーの貧富地域格差拡大傾向

豊かになる東部と貧しくなる西部

 SBSテレビのドキュメンタリー番組「Struggle Street」は、ブラックタウン市長の批判発言や清掃車のデモが宣伝になり高い視聴率を得た。また、放送後の批評は好意的な内容も多く見られた。番組に対する反応は様々だが、西部が社会経済的に不利な地位にあることは統計にはっきりと表れている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)はシドニー首都圏の貧富地域格差問題を報道している。

 NSW大学の都市未来研究センターのビル・ランドルフ所長は、「労働市場が労働者にまともな住宅を与えることができなくなっている」と分析している。

 シドニー首都圏229郵便番号地区のうち、課税所得がもっとも低いのはオーバーンで、ラケンバ、キャブラマタ、フェアフィールド、パンチボウルなど南西部地区が並び、ブラックタウン市のマウント・ドルイットは第15位である。オーバーンでは消費者物価指数が31%上昇する間に平均所得が13%しか上昇していない。ランドルフ所長は、「貧困の問題は一様ではない。様々な事情を抱えている。ワーキング・プアはほとんど福祉を受けていないが、低所得と高住宅価格の板挟みになっている。」と語っている。

 また、メルボルン応用経済社会研究所のロジャー・ウィルキンズ准教授は、「シドニーは国内でももっともゲットー化が進んでいる都市であり、シドニー首都圏西部も雇用が最大の問題だ」と語っている。世界金融危機の影響は首都圏西部で大きく、低所得者だけでなく中間層にも影響が及んでいる」と語っている。また、QLD大学の経済学者ポール・フリターズ氏は、「低所得者や失業者は都心からどんどん離れた地区に追いやられ、そのためにますます就職が難しくなっている」と分析している。

 一方、東部、北部の高所得者は所得上昇率も高く、世界金融危機も乗り越えてますます豊かになっている。格差拡大問題の対策について、ランドルフ所長は、「政府の介入が必要なのだが、今の歴代政府は自由市場主義で介入することをいやがっている。それが最大の難関だ。また、首都圏西部は多文化社会だが、これを活かすことができれば西部地域も繁栄するのだが、ここでも雇用が最大の問題だ」と語っている。
■ソース
Sydney’s rich and poor: the rising crisis in our suburbs

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