東チモール盗聴事件証人旅券拒否

政府、元スパイの国際裁判出廷妨害

 チモール海の海底ガス・油田の線引きをめぐる東チモールとオーストラリアの交渉の際にオーストラリアの諜報機関が政府の指令で東チモール政府庁舎に仕掛けた盗聴器で東チモール政府側を盗聴していた事件で、東チモール政府側の証人としてハーグの常設仲裁裁判所に出廷する予定だった元諜報部員に対して、オーストラリア政府は、「国益を損なう」として、旅券の返還を拒否し、証人出廷を妨害している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同政府庁舎はオーストラリアの国費で建てられたもので、2004年には建物の改修を装い盗聴器を仕掛けている。東チモール政府がこのオーストラリア政府の行為を犯罪行為として常設仲裁裁判所に提訴していた。2012年にはオーストラリアの諜報機関、ASIOがオーストラリア人弁護士の事務所や自宅、元諜報部員の証人の自宅などを家宅捜索し、裁判書類などの他、証人の旅券を押収している。この事件に関しても東チモール政府や弁護士らがオーストラリア政府を相手取って書類返還請求を行った。

 2月2日のABC放送は、元ASIS職員の「証人K」がハーグの裁判所で、「推定400億ドルの両国の協定を破棄する理由としてオーストラリア政府の違法な盗聴行為」を証言する予定だったが、旅券返還申請に対して、ジュリー・ビショップ外相が大臣権限で介入し、旅券返還を差し止めたことを伝えている。

 旅券が返還されない限り、証人はハーグの裁判所に出廷することができない。証人の弁護士、バーナード・コレリー弁護士は、「ダンカン・ルイスASIO局長は、証人のパスポートについて何の措置もしないと語っていた」と証言している。しかし、ABC放送の時事番組、「Lateline」は、ビショップ外相が大臣権限で介入したことを明らかにしている。

 元諜報部員のアンドリュー・ウィルキー無所属連邦下院議員は、ビショップ外相の介入に衝撃を受けたと語り、「外相の介入は国家安全保障の問題ではなく、純粋に政治的・外交的理由だ。また、オーストラリア政府がハーグの裁判所に対しても国際法に対しても背を向けたことを示すもので、どう見ても下劣な行為だ」と語っている。
■ソース
East Timor bugging scandal: Julie Bishop rejects former spy’s bid to have passport returned

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