死亡したイスラム国メンバーの兄弟、仮釈放を認められる

NSW州政府の「社会に危険」裁判所で認められず

 シドニーからシリアに渡り、イスラム国メンバーとして活動していたが、米軍の空爆で死亡したとされるモハメンド・エロマーの兄弟で、2012年のハイド・パークでのムスリムの抗議集会の際に警察官を木の棒で殴った罪で服役していたアフメド・エロマー受刑者(33)がゴルバーン重警備刑務所から仮釈放で出所した。

 NSW州政府は、エロマー受刑者の釈放は社会に対する危険になるとして仮釈放に反対し、提訴していたが法廷で退けられた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 州仮釈放審査委員会は、エロマー受刑者を刑務所に閉じ込めておくことはむしろ当人の過激化につながると危惧しており、ほぼ3年ぶりに2016年5月に仮釈放を認めていた。これに対して2週間前に州政府が州最高裁に「仮釈放審査委員会は、当人がすでに過激思想の持ち主であり、社会に危害を及ぼす可能性があることを無視している」と訴えていた。

 2016年6月には矯正局のピーター・セベリン局長が審査委員会に対して、「エロマーが脱過激化プログラムを修了するまで仮釈放を延期してはどうか」と要請していた。

 ジェフ・ベリュー最高裁判事は、「エロマー受刑者はすでに過激化している」という州政府の申し立てを、「虚偽の前提に基づいた判断」として却下しており、「エロマー受刑者が過激化のおそれがある、またはすでに過激化しているという判定を下すアセスメントが一度も行われたことがない」ことを重視した。

 エバン・ジェームズ弁護士は、「依頼人はネガティブな影響なしに社会に復帰することを望んでいる」と発表している。一方、デビッド・エリオット矯正局担当大臣は、「エロマー受刑者はまだ脱過激化プログラムを修了していない。しかし、彼の仮釈放で社会に危険が及ぶと考えなくていい。エロマーは刑期満了までの18か月間電子機器で監視され、電子メール、テキスト・メッセージ、会話もすべてモニターされていると考えなければならない。エロマーがネコを蹴っただけでも仮釈放条件違反になる」と語っている。

 仮釈放審査委員会は、「エロマー受刑者は、刑務所で常日頃過激派受刑者と接触する環境にあり、閉じ込めておくことでさらに過激化する可能性が大きい」としている。
■ソース
Ahmed Elomar: Brother of IS jihadist Mohammed Elomar released on parole

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