車から飛び降り障害者に、運転者の妻訴える

夫婦ゲンカの夫、走行中のベンツのドア開け

 子供2人を後部座席に乗せてメルセデス・ベンツでドライブしていた夫婦が口論になり、夫が助手席のドアを開けて車から飛び降り、負傷から障害者になった。その夫が、「自分が扉を開けて飛び降りようとしているのを見て、運転していた妻がもっと強くブレーキを踏んでいればこれほどの重傷にはならなかったはず」として妻を訴えるという風変わりな裁判が報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 2017年11月、ブライアン・リムさんは、負傷がひどくなったのは運転していた妻のインキョン・チョさんのブレーキの踏み込みが足りなかったからだとして、運転者の保護義務怠慢でNSW州地裁に訴えた。

 審理で、2012年12月、2人は4歳と2歳の子供を伴い、ベルモアのバーベキュー・レストランに夕食に出かけたが、2人は口論になり、帰宅途中の車の中でチョさんがリムさんの両親の悪口を言ったとして、ストラスフィールドのバーカー・ロードを走行中にリムさんが助手席のドアを開けた。チョさんは手を伸ばしてリムさんを引き留めようとしたがリムさんは車から飛び出した。事故で警察と救急隊が出動したが、リムさんは重傷を負い、法的無能力者になった。

 エンジニアリング専門家の「事故による負傷の生体力学」に関する証言の後、デビッド・ウイルソン判事は、「事故当時、チョさんは時速50kmで走行中であり、急ブレーキを踏んでいれば2人の子供や他の車などに危険を及ぼしていた可能性がある。運転者のチョさんには同乗者に対する保護義務があるが、まったく予期できなかったリムさんの自傷行為についてまでその義務が及ぶものではない。当時、車は自宅に近づいており、理性的な者ならその速度で走る車から飛び降りようとしないはず。車から出たければ自宅に着くまで待ってそうしていたはず。また、チョさんが急ブレーキを踏んでいてもリムさんの負傷が軽かったと信じる根拠はない。リムさんの過失相殺により、チョさんの過失は100%減じられる」と判決を下した。

 リムさんは判決を不服としてNSW州控訴裁判所に訴えたがここでも地裁判決を支持した。控訴裁判所のロナルド・サックビル判事代理は、「この事件は異常で悲劇的。チョさんには、リムさんが車から飛び降りることを予想する理由はなかった。チョさんの責任でもない突然の危機に際してチョさんの取った行動は決して不当ではない」と判決理由を述べた。
■ソース
Man sues wife for negligence after jumping from their Mercedes Benz

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