NSW州政府、ICAC判断強化法案

高裁のカニーン判決でICAC法的危機

 NSW州腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)は、マーガレット・カニーン検事が息子のガールフレンドの交通事故で入れ知恵したとして、同検事を腐敗行為で調査し始めたが、同検事がこれを不服として高裁に持ち込み、高裁が、「同調査はICACの権限外」の判決を下したことから、ICACの過去の判断も法的根拠が危うくなっており、過去にICACから「腐敗行為」の判断を受けた者が同じように高裁に持ち込む可能性が出てきた。そのため、「過去に遡ってICACの判断に法的根拠を与える立法が必要」との声が挙がっていた。5月5日、マイク・ベアードNSW州首相は、「高裁の判決が過去に悪事を働いた者に抜け穴を提供することになってはいけない」と発言、ICACの過去の判断を有効とする緊急立法を提出する意図を明らかにした。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ICACは、「カニーン判決でICACの管轄が大幅に制限され、過去にエディ・オベイド元労働党州政府大臣の腐敗行為に関連したビジネスマン4人に対する腐敗行為の判断も覆されるおそれがある」と発表していた。カニーン判決はICAC設立を定めた法律の不備によるものと指摘されている。ベアード州首相は、「ICACの過去の判断をすべて有効とするべきだ。そのため、直ちに有効となる法案を提出する。また、高裁判決を検討させ、7月10日にまで報告を出す」としており、マレー・グリーソン元高裁首席判事を委員長とする検討委員会を設立する考えを明らかにした。また、野党労働党のルーク・フォリー党首も、「この問題ではベアード州首相に協力する」と語った。

 しかし、高裁判決で有利に立つビジネスマンの1人、ジョン・マギガン氏は、「州政府が過去のICAC判断を保護する法案を提出するというのは、法治と三権分立という法の原則をねじ曲げるものだ。カニーン判決は法の抜け穴を示したものではない。ICACの管轄範囲をはっきりと規定しただけだ」と政府の態度を批判している。
■ソース
NSW Government to legislate to uphold past Independent Commission Against Corruption findings

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