ISIL参加オーストラリア人帰国を交渉

受刑覚悟で「政府の対テロに協力」も

 これまでにもISIL(イスラム国とも)に一旦参加した者がISILの実態に失望落胆して脱走したり、脱走を図ってISILに捕まり、処刑される事件が報道されている。ヨーロッパではすでに帰国者が政府の対ISIL活動や若者の過激化防止に協力していることも報道されている。オーストラリアからも100人以上がシリアの反政府勢力に投じ、ISILに参加する者や、ISILに対抗するクルド人戦闘部隊に参加する者が出ている。すでに30人以上が死亡しているともいわれる。しかし、一旦ISILに参加したオーストラリア人がISILの残虐さに失望し、帰国を望んでいることが弁護士を通じて政府に伝えられている。

 キャンベラ・タイムズ(電子版)が伝えた。

 弁護士を通じて連邦政府に打診してきたのは3人で、数か月前から秘密交渉が始まっているが、3人が政府の対テロ活動に役立つのか、依然として危険があるのか判断できず、政府ではまだ態度を決めていない。3人の帰国希望がISILと示し合わせた偽装工作との疑惑もあり、また、3人をオーストラリアに返すために手配する大使館員に危険が及ぶ可能性もある。

 メルボルンのロブ・ステイリー弁護士が、そのうち1人の代理をしており、「依頼人はイスラムに改宗したオーストラリア人で、帰国して起訴、有罪判決で投獄も覚悟の上。国内の若者が過激化してテロ・グループに参加することを防ぐために政府に協力したいとしている」と語っている。

 4月にはISILから脱走したがっているアブ・イブラヒムという人物がCBSに「ISILが西側の援助ワーカーやジャーナリストを処刑するのを見て幻想がさめた。みんなオンラインやユーチューブで見て参加してくる時は熱意に燃えているが、現実はあんなものではなかった」と語っており、音声や身許はごまかしているがオーストラリア訛りは隠せなかった。

 3人の弁護士は、それぞれ帰国した場合の処罰を知りたがっているが、トニー・アボット連邦首相は、「行って帰って来るのなら犯罪者として処罰されることになる。犯罪は犯罪は犯罪だ」としている。ステイリー弁護士は、「依頼人は現在事実上無国籍者だ。彼を帰国させるよう私に働きかけてきたのは依頼人の家族だ」と語っている。

 メルボルンのティーンネージャ、アーファーン・フセイン(当時19)は、脱走してオーストラリアに帰ろうとしたがISILに捕まり、3月にシリアで斬首された。

 ティム・ウィルソン人権委員は、「3人にはオーストラリアに帰国する権利がある。また、3人は国法を犯したのであり、政府には3人を入国ゲートで逮捕する権限がある」と語っている。
■ソース
Australian Islamic State recruits in talks to return home

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