メルボルン女性教師、冤罪再捜査要求

2年半近く投獄された原因究明を

 ABCテレビ放送の「オーストラリアン・ストーリー」は、VIC州メルボルンの女性教師が児童性虐待容疑で有罪判決を受け、2年半近く投獄されたが弁護士の努力で有罪判決が破棄された事件の家族の訴えを報道した。州警察からは一度も謝罪がなく、起訴されるまでの捜査の内容にも何の調査も行われていない。被害女性と家族は警察の捜査そのものを調査するよう要求している。

 冤罪を受けた女性はジョセフィン・グリーンシルさんで、やはりメルボルンで教師を務めるアネット・トゥーイーさんは、「冤罪に至った警察の捜査を調査すべきだ。無実の者が2年半投獄されたことが言語道断だし、有罪判決が破棄された後も謝罪の言葉もなく、誰も責任を取っていない。警察の捜査内容を明らかにするまで声を挙げ続ける」と語った。

 教師を退職したグリーンシルさんは、男2人から、「8歳の時に第3学年担任だったグリーンシル教師に児童性交を強制された」と訴えられた。グリーンシルさんは終始無実を訴えたが、2010年6月、陪審団が20件の起訴容疑のうち9件について有罪の評決を下した。

 有罪判決から1年後にグリーンシルさんの無実の訴えを引き受けたロバート・ステアリ刑事弁護士は、「30年間の弁護士生活で依頼人の無実をこれほど確信したことがない。有罪とする証拠はいずれも根拠が薄弱で、2人の男性が思春期前に性器性交したとしてその時の状況を証言しているが、その内容はまったく信じられないような話だった」と語っている。

 2012年11月、控訴審が行われた州最高裁の判事3人は全員一致でグリーンシルさんを無実と判断し、有罪判決をすべて破棄した。3人の判事は、9項目の理由を挙げ、「男性2人がグリーンシルさんに対して容疑を共謀してでっち上げた可能性が強い。また、2人の証言はかなり一貫性に欠け、医学、法医学的証拠もかけている。2人が慰謝料の受け取りなどを企んだ金銭的利害を動機とする可能性が強い」と判決で述べている。

 グリーンシルさんは61歳で釈放されたが、投獄が心身に与えた影響は大きく、心理的外傷後ストレス症候群と診断された。「一番つらかったのは家族のできごとに立ち会えなかったことだ。姉妹の一人が乳がんになった時の支えてやれなかったし、義理の息子の葬儀にも行かせてもらえなかった。家族の大事なことが起きていても自分がそこにいられなかったのがつらかった」と語っている。

 VIC州警察は、「特別犯罪捜査班が捜査を検討している。特に最初に訴えた2人の男性を偽証罪や司法妨害共謀などで再捜査することもありえる」としている。一方、グリーンシルさんは、「裁判費用として20万ドルを自己負担したが無実が確定しても何の賠償も受けていない」と語っており、これに対してVIC州のマーチン・パクラ法務長官は、「グリーンシル事件は賠償金支払いの条件を満たしていない」と賠償の意図がないことを明らかにしている。
■ソース
Melbourne teacher wrongly imprisoned for child abuse demands investigation

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る